2021.06.28更新

審美歯科でキレイにした歯には寿命がある?長持ちさせるポイント3つ

審美歯科では詰め物や被せ物で白い歯にする場合や、セラミック矯正やラミネートベニアといった歯を美しくする治療方法があります。どの治療にもセラミックが使用されることが多く、セラミックの寿命が気になる方も多いのではないでしょうか?

セラミック自体は寿命が長く、10~20年もつといわれています。しかし、メンテナンスを怠ってしまうと、寿命が縮む可能性があります。そこで、審美歯科でキレイにした歯を長持ちさせるポイントを3つ紹介します。

 

審美歯科で使用する素材と寿命

審美歯科で使用する素材は丈夫で審美性の高い、セラミックを用いることが多いです。ひとことでセラミックといっても種類があります。セラミックの種類は以下のとおりです。

 

オールセラミック

全てセラミックで作られており、詰め物や被せ物といった歯を補う治療で使用します。セラミックは陶器と同じ素材を使用しており、強度が高く色調の再現が自由で、自然の歯と同じような透明感を出せるのが特徴です。

変色や変形しないことからセラミック自体の寿命は長く、オールセラミックの寿命は10~20年もちます。

 

ジルコニア

人工ダイヤモンドで知られるジルコニアですが、歯科治療の被せ物でも使用します。ジルコニアは非常に強度が強い素材で、噛み合わせが強い奥歯などに入れることが多いです。

ジルコニアのフレームにセラミックを重ねたものや、全てジルコニアで作られたものがあります。審美性はオールセラミックよりも劣りますが、審美歯科では一般的に使用される素材です。

ジルコニアは非常に強い強度があることから、寿命も長く、10~20年と長持ちします。また、セラミックを使用しているため、変色することがありません。

 

ハイブリッドセラミック

プラスチックにセラミックを混ぜた素材です。ハイブリッドセラミックの寿命は7~8年が目安です。

オールセラミックやジルコニアと比較すると強度が弱いですが、安価で白い詰め物や被せ物を入れることができます。プラスチックを使用しているため、傷がつきやすく長期間使用すると変色しやすい傾向があります。

保険診療で使用される白い被せ物(CAD/CAM冠)にもハイブリッドセラミックが使用されています。

 

メタルボンド

金属のフレームにセラミックを焼き付けた物がメタルボンドです。メタルボンドの寿命は、8年が目安です。

主に被せ物に用いられます。昔ながらの審美治療で、現在でも噛み合わせの強い奥歯に使用されることがあります。

しかし、金属を使用していることから金属アレルギーを引き起こす可能性があり、金属と同等の強度があるジルコニアの被せ物を選択する方が増えています。

 

審美歯科でキレイにした歯を長持ちさせる3つのポイント

オールセラミックやジルコニアは保険が適用しないため、高額な治療になります。素材自体は長くもちますが、メンテナンスを怠ってしまうと寿命を減らしてしまう可能性があります。

 

セルフケアとプロのメンテナンスを受ける

セラミックは表面がツルツルしており、汚れが付きにくく、むし歯や歯周病のリスクが少ないといわれています。しかし、詰め物や被せ物をした歯は、むし歯が原因で治療を受けているので、セラミックにしたから安心という訳ではありません。

ご自身での歯磨きはもちろん、歯間ブラシやフロスを併用してしっかり汚れを落とす必要があります。また、年に数回歯科医院でプロによるメンテナンスを受けることで、磨きにくい歯とセラミックの間の汚れの除去ができます。セルフケアと定期的なメンテナンスを受けることで寿命を延ばすことができます。

 

ナイトガードを使う

オールセラミックやハイブリッドセラミックを入れた際は、就寝時に装着するナイトガードを使うのも長持ちさせるポイントの一つ。

セラミックは陶器と同じ素材を使用しているので、衝撃によって割れたりすることがあります。そのため、歯ぎしりや食いしばりをしている方は就寝時に衝撃を和らげるナイトガードの装着をすることが望ましいです。

セラミックは割れてしまったら、基本的に再治療となります。ほとんどの方は歯ぎしりや食いしばりの自覚症状がありません。セラミックを長くもたせるためにもナイトガードはおすすめです。

 

腕のいい歯科医師のもとで治療を受ける

治療を受ける前になりますが、審美治療は歯科医師の技術が寿命に影響を与えます。正しい噛み合わせの調整や、歯と詰め物や被せ物の境目の仕上げなど歯科医師の腕に左右します。

被せ物の場合は、歯の根っこの治療を行うことが多く、しっかり治療を行っていなければ歯の根っこが再感染してしまうことがあります。その場合は、被せたセラミックを壊して再治療をしなければなりません。

審美歯科でも噛み合わせに力をいれている歯科医院や、根っこの治療のときに唾液が入らないようにゴムを被せる歯科医院で治療を受けるようにしましょう。

 

まとめ

審美歯科で使用される素材は審美性と強度に優れたセラミックを使用することが多いです。セラミックはむし歯や歯周病になりにくい素材ですが、メンテナンスを怠ってしまうと寿命を短くしてしまいます。

長持ちさせるには、歯磨きのときに歯間ブラシやフロスを併用したり、定期的なメンテナンスを必ず受けるようにしましょう。また、セラミックに力の負担がかからないように就寝時にナイトガードを使うのもおすすめです。

セラミックは、歯科医師の技術に左右される治療です。歯科医医院選びは慎重に行って最適な治療を受けましょう。

投稿者: 西本歯科医院

2021.06.15更新

マウスピース矯正のソフトとハードの違いとは?

マウスピース矯正は装置が透明で周囲に気づかれずに歯並びが整えられることから、選択される方が多い矯正治療方法です。メーカーによって交換期間が異なりますが、10日に1回新しいマウスピースに交換して歯を動かします。

硬さが違うマウスピースを渡されること多く、基本的にはソフト、ミディアム、ハードといった2~3種類のマウスピースを順番に使用します。今回はマウスピース矯正のソフトとハードの違いについて解説します。

 

マウスピース矯正におけるソフトとハードの違い

マウスピース矯正は、装置を装着して歯並びを整えます。歯型を取ったときの歯並びではなく、少し歯を動かした状態のマウスピースを装着する必要があります。そのため、いきなりハードタイプのマウスピースを装着すると、入らなかったり痛みが強かったりします。

 

ソフトとハードで矯正力をコントロール

硬さの違うマウスピースを使用することによって、矯正力をコントロールして痛みを軽減します。

ソフトタイプは歯を動かすための準備期間、ハードタイプで歯を動かすといった役割があります。ソフトからミディアム、ハードを1クールとしていることが多いです。使用するメーカーによって異なりますが、柔らかい装置から入れて、10日後にミディアム、さらに10日後にハードといったように少しずつ歯を動かします。

 

ハードタイプは通院が難しくなっても保定装置の代わりになる

矯正治療は通院回数や期間が長いです。何かしらの理由で通院の期間が空いてしまうときは、最後に使用したハードのマウスピースで後戻りを防ぐ保定装置(リテーナー)の代わりになります。

 

マウスピース矯正は1枚で0.25mm歯が動く

ワイヤー矯正は1ヶ月に0.3~1mmほど歯を動かして歯並びを整えます。症例にもよりますが、1枚のマウスピースで歯が約0.25mm動きます。以前はワイヤー矯正よりも歯を動かせる量が少なく、治療期間が長くかかりました。しかし、マウスピース矯正は日々進化しており、現在のマウスピース矯正はワイヤー矯正と比べても歯を動かす量はほとんど変わりません。

 

マウスピース矯正の注意点

歯科医院やマウスピース矯正のメーカーによって、渡されるマウスピースの枚数が異なります。1クールのみの歯科医院もあれば、まとめて4クールを渡すケースもあります。その際の注意点は以下のとおりです。

装着時間は守りましょう

ほとんどのマウスピース矯正は1日20時間以上と装着時間が決められています。装着時間を守らないと、治療計画が遅れる原因となります。また、何かしらの理由で長期間にわたってマウスピースが装着できない場合は、歯科医院に相談をして指示を受けることが望ましいです。

 

痛みがあるからといって外さない

マウスピース矯正は痛みが少ないといわれていますが、歯を動かすときの痛みや、マウスピースを入れたときに締め付けられる感覚があります。とくに初めてマウスピースを入れたときや、ソフトからミディアムまたはハードに移行したときは痛みを伴いやすいです。

ソフトからハードに移行したときに、痛みがあるからといって外してしまうと、計画通りに治療が進みません。痛みは装置を装着してから3~7日でおさまることが多いです。我慢できない位の痛みがあったら移行する前のマウスピースを装着して、歯科医師の指示を受けましょう。

 

いきなりハードから装着しない

歯を早く動かしたいからといって、ハードタイプから装着しないようにしましょう。きつくて入らなかったり、痛みが生じたりトラブルの原因となります。

 

歯科医師の指示通りにマウスピースを装着する

マウスピース矯正は新しいマウスピースに交換して歯を動かします。交換の際は、歯科医師の指示通りに決められたマウスピースを装着します。ご自身の判断で次のマウスピースを装着すると、治療計画のずれや、歯を支えている骨に影響を与えてしまう可能性があります。

 

治療終了後は必ずリテーナーを装着する

マウスピース矯正の治療終了後は、後戻りを防ぐためにリテーナーと呼ばれる装置で保定します。保定装置は、マウスピース型や歯を挟む装置など、種類があります。最初の半年間は24時間装着する必要があり、半年以降は就寝時に装着する場合が多いです。

 

まとめ

マウスピース矯正で使用するマウスピースの種類はソフト、ミディアム、ハードがあります。計画通りに治療を進めるためには、必ず決められた時間と期間を守る必要があります。早く歯を動かしたいからといって、いきなりハードを装着すると歯を支えている骨に影響を与えてしまう可能性が高いです。

矯正治療を考えている方は、矯正相談をおすすめしています。矯正治療を行っている歯科医院では、無料~5,000円で矯正相談を設けていることが多く、治療の流れや、おおまかな期間や費用、矯正治療に関する疑問など相談ができます。

また、矯正治療にはワイヤー矯正、マウスピース矯正、部分矯正などさまざまな治療方法があり、それぞれのメリットとデメリットをよく理解してから適切な治療の選択をしましょう。

投稿者: 西本歯科医院