2022.05.25更新

「ガミースマイル」は、笑ったときに歯茎が見えてしまうため、コンプレックスに感じてしまう方も少なくありません。コンプレックスを感じるのであれば、治療を受けることをおすすめします。

そこで、ガミースマイルになってしまう原因と、ガミースマイルを解消するための治療方法について解説します。

 

そもそも「ガミースマイル」って何?

まずは、そもそも「ガミースマイルとは何か?」という点について詳しく解説しておきましょう。

ガミースマイルとは、笑った時に上の歯の歯茎が見えてしまう状態のことです。これ自体は人から見たら愛嬌があるなどの好印象を持たれるケースもあるのですが、本人からすれば「異常に歯茎が見られてしまう」ということでコンプレックスに感じてしまうケースも少なくありません。

一般的な定義として「3ミリ以上、歯茎が見えてしまう」ことをガミースマイルとしているケースが多いです。ガミースマイルは見た目だけでなく虫歯や歯周病、口臭の悪化の原因になる可能性があるなどのデメリットももたらすため、ガミースマイルを自覚したら早めに治療を受けることをおすすめします。

 

ガミースマイルになってしまう原因

ガミースマイルになってしまう原因は、大きく分けると以下の4種類の原因が考えられます。

 

上顎骨の異常発達

1つ目に考えられる原因は「上顎骨の異常な発達」です。
名前のとおり上顎の骨であり、これが異常に発達しており、前方に突き出している骨格の状態であると、歯茎が露出しやすくなってガミースマイルになってしまいます。

 

上唇周辺の筋肉の異常な強さ

2つ目の原因は「上唇の周辺の筋肉が異常に強くなっている」ことです。
上唇を上げているのは筋肉の力によるものですが、その筋肉の力が通常よりも強くなっていると上唇を必要以上に持ちあげてしまい、ガミースマイルの原因になってしまいます。

 

上の歯の長さが短い

3つ目の原因は「上の歯の長さが通常よりも短い状態である」ことです。
上の歯の長さが短い人の場合、相対的に上の歯の歯茎の面積が大きくなるため、笑った時に目立ちやすくなるためガミースマイルとなってしまいます。

 

上の歯の生えている位置が低い

4つ目の原因は「上の歯の生えている位置が通常よりも低くなっている」ことです。
3つ目の原因と同じように、上の歯が生えている位置が低くなっていることにより、相対的に歯茎の面積が広く見えてしまうため、ガミースマイルの原因になってしまいます。

 

ガミースマイルは「遺伝」する?

病気や症状の中には「親からの遺伝」が原因になっていることもありますが、ガミースマイルも実は遺伝によって発症する可能性があります。
ガミースマイルは、その人の歯や歯茎、骨格や筋肉の状態が発症要素として関係してるため、親や祖父母もガミースマイルの場合だと子どもがガミースマイルになる要素をもっていると考えられます。
ただし、ガミースマイルに遺伝的要素があるからといって、親がガミースマイルであれば必ずしも子供も同様にガミースマイルになると決まっているわけではありません。
あくまでも「遺伝する可能性がある」程度に考えておくと良いでしょう。

 

ガミースマイルの治療法

ガミースマイルは、その発症原因によって適切な治療法が異なります。

 

粘膜切除術

「粘膜切除術」は、上唇の内側と歯茎を切除して、これを縫い縮める手術のことです。
上唇の筋肉が強いことによるガミースマイルの治療に適しています。
この治療を受ける場合、上唇を強く持ち上げてしまうと縫合した部分が傷口を開いてしまうリスクがあるため、とくに治療直後は笑い方などに注意が必要です。

 

ボトックス注射

「ボトックス注射」とは、ある毒素を利用した医薬品を注射することで、神経から筋肉へと伝わる信号を遮断して筋肉の動きを抑える治療法です。
前述の「粘膜切除術」と併用して利用することが一般的であり、上唇の筋肉の動きを抑えることで縫合部が開いてしまうのを防ぐことができます。
ボトックス注射の効果は数か月、長くても半年程度であるため、この治療法単体でガミースマイルを治療する場合は定期的に注射しなければなりません。
そのため、一時的にガミースマイルを改善したい場合におすすめの治療法です。

 

歯列矯正

「歯列矯正」は、器具によって歯並びを改善する治療法です。
ガミースマイルに対しても適用できる症例があり、ガミースマイルの改善と同時に歯並びも改善できるため、2つのコンプレックスを同時に解消できる治療法として機能します。

 

歯冠長延長術

「歯冠長延長術」とは、歯茎が見える面積を減らすための治療法です。
歯および歯茎を削り取った後に、セラミックの歯を入れ込みます。
歯並びが悪い人や、出っ歯に悩んでいる人に対して用いられることが多いです。

 

上顎骨切り手術

「上顎骨切り手術」とは、上顎の骨を引っ込めることで歯の出っ張りを抑える治療法です。
一般的に上の歯の4番目を抜歯してスペース作り、そのスペース分だけ前歯を引っ込めることで歯茎を目立たなくさせます。

 

まとめ

ガミースマイルは、コンプレックスに感じてしまう方も少なくありません。
ガミースマイルは改善できますので、お近くの歯科医院に相談して、適切な治療を受けてガミースマイルを改善しましょう。

投稿者: 西本歯科医院

2022.05.13更新

人によっては「歯列矯正=子供の頃にやること」というイメージをお持ちの方もおられます。
たしかに子供の頃の方が歯列矯正のメリットを受けやすいという特性はありますが、だからといって大人になってから歯列矯正が受けられないというわけではありません。
そこで今回は、大人になってから歯列矯正を受けることに関して知っておくべき情報について解説します。

 

歯列矯正の種類

一口に「歯列矯正を受ける」といっても、いくつかの治療法から、本人の希望や歯並びの状態などの条件から治療法を選択する余地がある可能性があります。

 

ワイヤー矯正

「ワイヤー矯正」は、最も一般的と言える歯列矯正の治療法であり、ブラケットとワイヤーを装着することで歯並びを矯正する治療法です。
一般的には金属製の器具を装着するため、見た目の悪い治療法というイメージがありますが、セラミック製やプラスチック製など歯の白さに対して保護色になるような器具も選択できる余地があります。
ただし、金属製の器具に対して耐久面で劣るため、場合によっては器具を交換しなければならない事態に陥る可能性がある点に注意が必要です。

 

裏側矯正

「裏側矯正」は、前述のワイヤー矯正が歯の表側に危惧を装着するのに対して、歯の裏側に器具を装着して矯正を行う治療法です。
歯の表側には器具を装着しないため、よほど間近で見ない限り矯正器具を装着していることが他人にわからない歯列矯正の方法となります。
表側矯正と比較すると適用できる症例が限られてしまいますが、社会人ともなれば見た目の良し悪しがビジネスに影響するシーンも少なくありませんので、「可能であれば裏側矯正で」と選択する方が多いのが特徴です。
ただし、歯の裏側に器具を装着するため、必然的に「舌に当たる」という特徴がある点は否めませんが、人によってはすぐに慣れるケースも多いようです。

 

部分矯正

「部分矯正」とは、歯並びの悪い一部分だけを矯正する治療法です。
全体矯正と比較すると矯正完了までにかかる期間が短く、治療費も抑えられるので利便性が高いケースも少なくありません。
ただし、歯並びの状態によっては部分矯正だけでは十分な治療効果を見込めないケースもあるため、部分矯正を選択するにあたっては主治医としっかり相談して治療法を選択する必要があります。

 

マウスピース矯正

「マウスピース矯正」とは、歯型のプラスチック製の器具を装着することで歯列矯正を行う治療法です。
マウスピースは一般的に透明であるため、装着していてもあまり目立ちません。
また、患者さんが任意のタイミングで取り外すことが簡単であるため、治療中もしっかりとデンタルケア(歯磨きなど)できるメリットがあります。
ただし、ワイヤー矯正と比較すると歯を動かす力が弱いため、適用できる症例がある程度限られてしまう点はデメリットです。
また、前述のとおり「好きなタイミングで取り外せる」というメリットがありますが、取り外している時間が長いと十分な治療効果が得られない可能性が高い点にも注意が必要となります。

 

大人の歯列矯正の選び方

大人になってから歯列矯正を受けるのであれば、上記のいずれかの治療法を選択することになるでしょう。
では、どの治療法が良いのかといえば、前述のとおりどの治療法にも良いところも悪いところもありますので、一概に「この治療法が最高である」とはいえません。

 

治療法ごとに異なる特徴をしっかりと把握することが重要

治療法ごとに治療効果(どの程度、歯を動かす力があるのか)や審美面(見た目の良し悪し)が大きく異なりますので、選択する治療法によっては十分な治療効果が得られなかったり、見た目の悪さが気になって治療どころではないというケースもあるでしょう。
この点については、治療前に主治医としっかり相談して、ご自身にとって最も満足度の高い治療法を選択することをおすすめします。
治療に入る前のカウンセリングでは、患者さんの歯の状態を確認した歯科医師によって最適な治療法が提案されるはずです。
その際、その治療法および他の選択肢となる治療法それぞれの特徴やメリット、デメリットを説明してくれるはずなので、その内容をしっかりと吟味してから、ご自身が受ける治療法を選定してください。

 

大人になってから歯列矯正を受けるメリット

大人になってから歯列矯正を受けることの基本的なメリットは「見た目のコンプレックスを解消できる」ことにあります。
また「虫歯や歯周病などのトラブルを予防しやすくなる」といった点もメリットです。
「もう大人になったし、今さら・・・」と考えることなく、歯並びの悪さが気になる方は早めに歯列矯正を開始することをおすすめします。

 

まとめ

大人位なってからも歯列矯正は受けられますし、治療が完了することによるメリットは大人になってからも変わらず大きなものです。
まずはお近くの歯科医院に相談して、ご自身の歯並びの状態を確認してもらい、最適な治療法を選択してください。

投稿者: 西本歯科医院