2022.12.07更新

睡眠時の歯ぎしりの原因とは?治療法を解説します

「歯ぎしり」は、音の被害もさることながら、健康な歯を傷つけてしまう原因になります。
睡眠時の無意識な歯ぎしりをなんとかしないと、健康な歯の寿命を削ってしまう結果になるでしょう。
そこで今回は、睡眠時の歯ぎしりの原因や治療法について解説します。

 

睡眠時の歯ぎしりの原因

睡眠時の歯ぎしりの原因は「浅い眠り」にあります。
通常、深い眠りを実現できている場合、筋肉の緊張がほぐれて、歯ぎしりをしてしまうリスクは小さいのです。
しかし、何らかの原因で眠りが浅い状態が続いていると、筋肉のゆるみが起こらず、歯ぎしりをしてしまいます。
眠りが浅くなる原因はさまざまなことが挙げられますが、たとえば飲酒や喫煙、コーヒーなどによるカフェインの過剰摂取やストレスの蓄積などが挙げられます。
また、歯ぎしりの原因になるような浅い眠りの原因としては、病気である睡眠時無呼吸症候群や逆流性食道炎などの存在も疑われるため、これらが原因になってる場合は専門的な治療を必要となります。

 

睡眠時の歯ぎしりにより発生するデメリット

睡眠時に歯ぎしりを続けてしまうと、以下のようなデメリットを発生させてしまいます。

 

健康な歯がすり減ってしまう

通常、歯の硬さは相当なものですから、簡単にすり減ってしまったり欠けてしまうようなことは起こりません。
しかし、接触しているのが同じ硬さを持つ歯同士の場合だと、お互いの硬さによって睡眠中に歯がすり減ってしまうリスクを高めるのです。
就寝中に起こる歯ぎしりは、通常の食事などでの咀嚼とは異なり、本人の体重またはそれ以上の力が加わるとされています。
つまり、歯と歯が必要以上の力ですり合うことになるため、噛み合わせの凹凸が徐々に失われてしまい、咀嚼の機能が低下するだけでなく正しい噛み合せの位置も分からなくなってしまうリスクを高めてしまいます。

 

歯周病の発症リスクを高めてしまう

歯ぎしりによって強い力がかかるのは歯だけではなく、歯を支えている歯茎や顎の骨にも影響を及ぼします。
これらの部位に強い力がかかることで歯が揺さぶられてしまい、歯茎が徐々に痩せ始めてしまいます。
これにより歯と歯茎の間の隙間が広がると、そこに細菌が入り込みやすくなり、歯周病が進行してしまいます。
また、犬歯への摩耗が加わると前歯と奥歯のバランスが崩れてしまうため、結果として奥歯が歯周病になりやすくなるとも考えられています。

 

知覚過敏になってしまう

歯ぎしりによって歯が削れるということは、要するに「歯の表面のエナメル質の量が減る」ことを意味しています。
歯のエナメル質は他の組織に比べて硬く、歯を守る役目をもっていますが、これが薄くなると歯の内部へと刺激が伝わりやすくなるのです。
それによって起こるトラブルが知覚過敏で、軽度であれば温度差のあるものを避けることで症状を回避できますが、重度の知覚過敏になると歯ブラシの毛先を当てることすらできなくなってしまいます。

 

顎関節症になってしまう

歯ぎしりは、強い力で歯と歯が噛み合いながら下顎が前後左右に動きます。
下顎は顎の関節と繋がっており、ここに過度な負担をかけてしまう「顎関節症」を引き起こしてしまうのです。
起床時に顎の痛みを感じる方は、睡眠時に歯ぎしりをしている可能性があり、これを放置すると顎関節症を発症するリスクが高まります。
この症状が悪化すると普段の会話や食事などの行動にも支障をきたすようになりますので、十分な注意が必要です。

 

頭痛や肩こりの原因になる

咀嚼時には下顎と繋がる顔面の筋肉が働いているのですが、その筋肉は首や肩、背中などにも繋がっています。
睡眠中の歯ぎしりによる負担は、顎の関節以外の部位にも関与している筋肉が緊張を起こしやすくなるので、これに繋がっている首・肩・背中にも悪影響を及ぼすのです。
その結果、肩こりや頭痛、背中の痛みなど症状の原因になり、歯ぎしりの状況によってはこれらの痛みが慢性化するリスクもあります。

 

歯並びが悪くなる

歯と歯が強い力でぶつかり合うことになる歯ぎしりは、歯が揺れ動く原因となって歯並びに悪影響を及ぼすリスクがあります。
歯並びが不適切な状態になることで咀嚼機能の低下や歯周病の悪化、虫歯が発生しやすくなるなど、さまざまなトラブルの原因になります。
悪化した歯並びの矯正には相応の時間が必要になりますので、その原因となる歯ぎしりを放置することは危険なのです。

 

消化不良の原因になる

歯ぎしりによって噛み合わせの不具合や顎関節の痛みなどが起きると、咀嚼機能を低下させることになるため、その結果として消化不良を引き起こすリスクがあります。
必然的に食事に対して消極的になってしまうため、場合によっては大きな健康被害をもたらすきっかけになる可能性も捨てきれません。

 

睡眠中の歯ぎしりの治療法

歯ぎしりを悪化させるような原因になる喫煙や飲酒、カフェインの摂取などの要因が明確であれば、生活習慣を改善するような指導がされるケースも多いです。
生活習慣を見直しても歯ぎしりが改善しない場合は、抗てんかん薬の「クロナゼパム」を処方されることもありますが、一般的な治療法としては睡眠中に歯や下顎を保護するマウスピースを作成し、これを装着することによって治療を行うケースもあります。

 

まとめ:適切な治療で睡眠時の歯ぎしりを解消しよう

睡眠中の歯ぎしりは、さまざまな健康被害をもたらす可能性があります。
原因は人によって異なりますが、睡眠中に歯ぎしりをしていることがわかったら早めに歯科医院を受診して、適切な治療を開始するようにしましょう。

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投稿者: 西本歯科医院