2023.08.25更新

歯の矯正治療においては、必要に応じて「抜歯」を行う場合があります。
自分の歯を抜くというのは抵抗を感じる方も多いでしょうが、そもそも矯正治療において抜歯を行う必要性の判断はどこにあるのでしょうか。
そこで今回は、矯正治療の抜歯と非抜歯についての考え方と、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。

 

抜歯・非抜歯の判断基準

歯科矯正においては、抜歯を行うケースと、抜歯を行わないケースがあります。
その判断は歯科医師がするわけですが、歯を抜くかどうかの判断基準の基本的な考え方は「必要性の有無」にあるのです。
歯科矯正では、現存している歯を少しずつ動かして、歯並びの見た目やかみ合わせを改善します。
この「歯を動かす」という治療方針において、歯が動くためのスペースが不十分な症例も少なくありません。
では、足りないスペースをどのように確保するのかというと、その代表的な手段が抜歯になるのです。
抜歯することで歯1本分のスペースを作り出すことができるので、そのスペースを利用することで残りの歯を動かし、きれいな歯並びやかみ合わせを実現することができます。
ただし、もともと空きっ歯である場合のように、抜歯しなくても矯正治療の方針に差し支えない場合であれば、わざわざ健康的な歯を抜いてしまう必要はありません。
このように、治療開始時点での歯並びの状態は患者さんごとに大きく異なりますので、歯科矯正を始めるにあたって抜歯を必要とするかどうかは患者さんごとに異なります。

 

抜歯を伴う歯科矯正のメリット・デメリット

次に、抜歯をせずに歯科矯正を行う場合のメリットとデメリットについて解説します。

 

抜歯のメリット

抜歯を行う歯科矯正の最大のメリットは「治療の自由度が高まる」ということです。
抜歯を行うことで歯を動かすためのスペースを十分に確保することができますので、さまざまな症例において歯並びの問題を解消することができるようになります。
たとえば、出っ歯の患者さんの場合だと、突き出ている部分を奥側に引っ込めさせるためには、その分だけのスペースが必要です。
奥歯を奥に押し込んでスペースを確保するという治療方針もなくはありませんが、矯正完了までに時間がかかる可能性がありますし、動かした歯が元に戻る「後戻り」のリスクも付きまといます。
抜歯をすることで簡単にスペースを確保できますし、後戻りのリスクも抑えられるのです。
また、かみ合わせの問題で抜歯を行う場合もあります。
抜歯を行うことでかみ合わせの問題を改善しやすくなる症例も多いので、見た目だけでなく機能面でも歯並びの問題を解消することができます。

 

抜歯のデメリット

抜歯を行う歯科矯正の最大のデメリットは「抜歯後に痛みと腫れを伴う」ことです。
歯を抜くにあたっては当然ですが麻酔をすることで、施術中に痛みを感じる心配はありません。
しかし、麻酔が切れた後は個人差もありますが、2~3日ほど患部に痛みと腫れの症状を伴う可能性が高いのです。
傷みの感じ方は人それぞれですが、少なからず不快感を感じることになるでしょう。
なお、抜歯にあたっては歯科医院において痛み止めを処方してもらえるはずなので、痛みが激しいときには痛み止めで対応してください。
また、頬を冷やすことも効果的です。

 

抜歯をしない歯科矯正のメリット・デメリット

次に、抜歯をせずに歯科矯正を行う場合のメリットとデメリットについて解説します。

 

非抜歯のメリット

非抜歯による歯科矯正の最大のメリットは「健康な歯を残せる」ことです。
治療方針により抜歯を必要とすることを頭では理解できていても、健康な歯を抜いてしまうということには精神的な影響を受けてしまうケースも少なくありません。
虫歯などの問題があれば別でしょうが、健康上問題のない歯を抜いてしまうことには、やはり抵抗を感じる患者さんも多いのです。
非抜歯で矯正できるのであれば、やはり歯を抜かずに矯正治療を始めたいと考えるのが普通でしょう。
また、抜歯に伴う治療期間や治療費がかからないことや、痛みなどの症状に悩まされないという点も大きなメリットです。

 

非抜歯のデメリット

非抜歯による歯科矯正の最大のデメリットは「出っ歯になるリスクがある」ことです。
非抜歯ということは十分なスペースを確保しないまま歯を動かしていくという治療方針になります。
そうなると、動いた歯が前歯を押し出してしまって口元が前突し、出っ歯になってしまう可能性があるのです。
また、歯を抜かない代わりにスペース確保のために歯を削る場合もあります。
さらに、スペースを確保していないため後戻りのリスクが高まり、治療期間が長引いてしまう可能性もあるのです。
他にも、無理に歯を動かすことによって歯肉にダメージを与える可能性もあるなど、非抜歯にはデメリットも多く存在します。

 

まとめ:メリット・デメリットを理解して抜歯の是非を判断しよう

基本的な判断は歯科医師が伝えるものですが、最終的な判断は患者さんであるあなた自身が行います。
最近では非抜歯で歯科矯正を始められる歯科医院も増えてきましたが、非抜歯にもデメリットがあることを理解して治療を開始しなければなりません。
歯を抜くことが良いことなのかどうかは判断が分かれるところではありますが、双方のメリット・デメリットをきちんと理解して、抜歯するかどうかの判断基準としてください。

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投稿者: 西本歯科医院

2023.05.12更新

マウスピース矯正のブランドの選び方や注意点を解説

軽度の歯列矯正であれば「マウスピース」を使うことが多いのですが、この矯正治療で用いられるマウスピースには、実はさまざまなブランドがあります。
歯科医院ごとに利用できるマウスピースの種類に違いがありますが、ブランドの違いがマウスピース矯正にどのような影響を与えることになるのでしょうか。
そこで今回は、マウスピース矯正のブランドの選び方や、選定に際して注意するべきポイントについて解説します。

 

マウスピースのブランドとは?

ファッションなどの分野においてもさまざまなブランドが存在するように、歯科矯正で用いられるマウスピースにもさまざまなブランドがあります。

・インビザライン
・スマイルトゥルー
・アソアライナー
・キレイライン
・hanaravi(ハナラビ)
・Zenyum(ゼニュム)

上記はほんの一例であり、国内外さまざまなマウスピースのブランドが存在しているのです。
ブランドの違いはさまざまなポイントで比較することができ、患者さんの症例や予算など、ご自身の条件に最適なブランドを選択することが、納得できるマウスピース矯正を実現するために必要になります。
各マウスピースブランドごとの具体的な内容については、各社のホームページでご確認いただくとして、本記事ではどんなポイントでブランドを比較して選定するべきかについて解説します。
マウスピースのブランド選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にして最適なブランドを選定してください。

 

マウスピースのブランドの選び方のポイント

マウスピースのブランドを選ぶにあたっては、以下の8つのポイントで比較すると良いでしょう。

 

費用

マウスピース矯正は相応の期間で歯を動かしていくことになりますので、その間に発生する「費用」については重視したい方が多いでしょう。
最近では低価格路線を売りにしているマウスピースブランドも数多く存在しますので、費用面での比較はわかりやすい比較基準の1つとなります。

 

プラン内容

ブランドによっては、複数のプランが用意されているところもありますが、1つしかプランが用意されていないところもあります。
プランを選べる場合は、各プランごとの治療期間や料金についても念入りに確認し、最適なプランで治療をスタートしてください。

 

治療範囲

歯並びは人それぞれですが、マウスピース矯正はブランドごとに治せる範囲が大きく異なります。
部分矯正に特化しているブランドもあれば、全体矯正にも対応しているところもあるのです。ご自身の症状を治せる治療範囲を持ったブランドを選んでください。

 

治療期間

ブランドごとに、治療期間の目安も大きく異なります。
最近では早く安く治療できることを売りにしているブランドも少なくありませんので、短い治療期間で安く済ませたい場合は重視したいポイントです。

 

通院頻度

マウスピースは、ブランドごとに「通院する頻度」についても大きく異なります。
また、最近では定期通院を必要とせずにマウスピース矯正を進められるブランドも登場しているため、定期的に通院する時間を確保できないという方はこのポイントについても重視したいところです。

 

支払方法

マウスピース矯正には相応の治療費がかかりますので、分割やカード払いなどさまざまな支払方法に対応しているブランドは便利です。
ブランドによっては「デンタルローン」を利用できるところもありますので、ご自身に最適な支払方法のブランドを選定することをおすすめします。

 

返金と解約

マウスピース矯正は相応の治療期間が必要になりますが、治療の途中で矯正治療を辞めたくなる方も少なくありません。
その際に残存期間分に相当する金額を返金してもらうことはできるのか、そもそも解約制度自体が用意されているのかを、契約前に確認しておくことが重要です。
もし、解約や返金の制度が不十分なブランドにする場合は、最後まで治療を続けることを念頭に置いて契約することをおすすめします。

 

サポート体制

マウスピース矯正は長い時間をかけて治療を進めていくため、その期間中に何らかのトラブルが発生することは決して珍しくありません。
たとえば「マウスピースを紛失した」「マウスピースが破損した」といったトラブルは個人では解決することが難しく、ブランドにサポートを要請する必要があります。
ブランドごとに用意されているサポート内容は異なりますので、いざというときにきちんと助けてくれるサポート体制を確立しているブランドを選定すると良いでしょう。

 

まとめ:ポイントを押さえて最適なブランドを選ぼう

マウスピース矯正は比較的手軽に歯並びを改善できる治療法ですが、利用するマウスピースのブランド選びは治療の満足度に大きく影響します。
さまざまなポイントで比較することができますが、重要なことは単一の安易な理由でブランドを選ぶのではなく、さまざまなポイントを総合的に比較して最適なブランドを選定することです。
ブランドの特徴は各ブランドのホームページからでも確認できますし、歯科医院でのカウンセリングで質問するのも良いでしょう。

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投稿者: 西本歯科医院

2022.07.08更新

マウスピース矯正の費用の違いは何で決まる?

悪い歯並びは、見た目の悪さからコンプレックスになるだけでなく、かみ合わせが悪いことで健康面でもデメリットがあります。それを治す方法として、マウスピース矯正などの歯列矯正が利用可能です。

治療費は、治療内容によって変動しますが、一口にマウスピース矯正といっても具体的な治療内容次第で費用は変動します。そこで今回は、マウスピース矯正の治療費用がどのような要因によって変動するのかについて解説します。

 

マウスピース矯正の治療費用の相場

マウスピース矯正の治療費用は、相場として10万~100万円かかるケースが多いです。
治療費用の内訳としては、以下のような内容でまとまっています。

・治療前の費用(相談料、検査料、診断料)
・矯正装置の費用
・矯正装置の装着費用
・矯正装置の調整費用
・保定装置の費用
・保定装置のメンテナンス費用

相場が10倍ほどの開きがあることからわかるように、一口にマウスピース矯正治療を受けるといっても、費用に大きな違いがあることがわかります。

 

マウスピース矯正の治療費用が変動する要因

安ければ10万円ほどで済み、高ければ100万円を超える可能性も考えられるマウスピース矯正の治療費用ですが、治療費用をここまで変動させる要因は大きく分けて3つ考えられます。

 

使用するマウスピースの違い

1つ目の要因は「使用するマウスピースの種類の違い」です。
一口にマウスピースといっても、実はさまざまな種類があります。マウスピースごとに歯を動かす原理は変わりませんが、装着感や適応できる症例などの条件が異なります。

 

部分矯正と全体矯正の違い

2つ目の要因は「部分矯正・全体矯正の違い」です。
マウスピース矯正に限った話ではありませんが、歯列矯正は歯並びの一部分だけを治す「部分矯正」と、歯並び全体を改善する「全体矯正」があります。一般的に、部分矯正の方が治療期間が短く、治療費用も安く済むケースが多いです。
部分矯正の場合であれば、10万円~60万円の費用、治療期間の目安は半年~1年で済むケースが多く見られます。一方で全体矯正の場合の治療費用の相場は60万円~100万円、治療期間も長くて1年~3年ほどかかるケースが多いです。

 

矯正する歯並びの状態の違い

3つ目の要因は「矯正する歯並びの状態の違い」です。
どのような治療行為であっても、難しい症例であるほどに治療医用は高額になります。マウスピース矯正でも同じことが言えて、大きく歯を動かす必要があるケースでは治療期間も長引きやすく、治療費用の相場も高くなりやすいのです。
一般的に、歯並びの状態によって適用できる矯正治療の種類(ブラケット矯正、裏側矯正など)がある程度決まりますが、同じ矯正治療の方法のなかでも具体的な症例は異なります。難しい症例で全体矯正を行う場合だと、治療期間が長く、治療費用も高額になりやすい点に注意が必要です。

 

マウスピース矯正の治療費用の支払方法はクリニックに相談して決めよう

マウスピース矯正を受けるためには治療費用を支払う必要がありますが、治療費用の支払い方法には選択肢があります。どのような支払い方法が利用できるかはクリニックごとに異なりますので、最初のカウンセリングの時点できちんと確認しておきましょう。

 

総額制(定額制・トータルフィー制)

「総額制」は、治療開始から治療完了までの全ての期間で発生する費用を、治療開始前に全額支払う方法です。
総額制の場合、治療完了までの費用を事前に全額支払う形式であるため、当初の予想よりも治療が長引いてしまった場合でも、原則として追加の装置費用や通院費はかかりません。ただし、一度に数十万円の金額を支払うことになるため、金銭的に余裕がないと難しい支払い方法となります。

 

処置別支払い制

「処置別支払い制」は、治療期間中の通院や治療ごとに料金を支払う方法です。
総額制と異なり、一度に支払う金額がそこまで大きくならないため、治療費を稼ぎながら治療を受けられるというメリットがあります。ただし、治療期間が想定していたよりも長引いてしまう場合、その分の通院費などが増えてしまう可能性があるので注意が必要です。

 

デンタルローン

「デンタルローン」は、歯科治療にかかる治療費をローン会社に立て替えてもらい、その後に分割して返済していくシステムです。 クリニックによっては、処置別支払い制を採用していないところもあります。その場合、総額制になるため最初の支払い負担が大きくなってしまいますが、デンタルローンを利用できれば月々の返済に切り替えることができるため、一度に大きな金額を負担できない方でもマウスピース矯正を受けられるのです。

 

まとめ:マウスピース矯正の治療費用は条件次第で変動、ローンも視野に支払い方法を決めよう

マウスピース矯正は、どのような治療内容になるかによって費用が変動し、場合によっては想定外の出費を避けられないケースもあるでしょう。治療費用の支払いについてはクリニックで事前に相談し、必要に応じてデンタルローンなどを利用しつつ無理のない支払い方法を模索してください。

投稿者: 西本歯科医院

2022.01.11更新

マウスピース矯正は歯茎下がる?原因と対策をご紹介!

マウスピース矯正は手軽にでき、日常生活にもあまり支障の出ない歯列矯正方法ですが、期間が長くなることから気にする方もいます。しかし期間の問題だけでなく、マウスピース矯正では歯茎下がるという噂もあります。

では、マウスピース矯正では歯茎下がるのか解説していきます。原因や対策もあわせて見ていきましょう。

 

マウスピース矯正とは?

マウスピース矯正はほぼ透明のマウスピース型矯正装置を装着して歯並びをきれいにしていくものです。個人に合わせてマウスピースは製作され治療の段階に応じで徐々に作り変えていき、歯列矯正を完成させるという目的のものです。

目立ちにくく取り外しも可能であるという点からも注目を集めている歯列矯正方法です。

 

マウスピース矯正のメリットとデメリット

マウスピース矯正にはメリットだけでなくデメリットも存在します。では、マウスピース矯正のメリットとデメリットを詳しく解説します。

 

マウスピース矯正のメリット

・治療中も目立ちにくい
・マウスピースをはずせる
・段階に合わせて新しいものを着けられる
・痛みが少ない

マウスピースをはずせるのがなぜメリットなのかと言われる方もいます。マウスピースを取り外せるということは食事の時にとても良いのです。矯正装置に食べ物が詰まる心配もないので、衛生的なだけでなく食事を楽しめるのは大きなメリットでしょう。

また、マウスピース矯正は従来型の矯正装置よりも痛みが少ないのが特徴です。口の中を傷つけてしまうことも少なく、治療中に装置が外れてしまったなどのトラブルも起こりにくいと言えます。

 

マウスピース矯正のデメリット

・奥歯は圧下しやすく治療後のかみ合わせに影響が出る場合もある
・適応症例が少ない
・歯槽骨から歯根が出ることがある

マウスピース矯正では常にマウスピースを付けている状態になるので、治療後に奥歯のかみ合わせが悪くなってしまうケースもあります。その場合には奥歯をゴムを使って引き出すような治療がさらに必要になります。

また、マウスピース矯正は適応症例が少ないのもデメリットです。抜歯をしたために大きくスペースが開いてしまった場合や重度のでこぼこ歯並びなどは適応できません。

最後の項目は怖い雰囲気ですね。ワイヤー矯正の場合では歯を傾斜移動していくことに対し、マウスピース矯正では歯体を移動していきます。そのときに歯槽骨から歯根が出る現象が起きる場合があるのです。しかし、事前にCTなどでしっかりと把握しておけば治療中に避けることも可能です。

 

マウスピース矯正で歯茎が下がる原因と対策

マウスピース矯正をすると歯茎下がると言われます。これは残念ながらしばしばマウスピース矯正にみられる事だと言われています。では、歯茎下がる原因や対策はどのようにしたら良いのでしょうか?あわせて解説します。

 

マウスピース矯正で歯茎が下がる原因

これは歯肉退縮と言って歯冠より下の歯根が露出している状態を指します。歯茎下がるほかにも歯が長くなった、口元が痩せたと訴える方もいますが、すべて歯肉退縮が原因です。
これらは加齢や間違ったブラッシング方法で起こりやすくなりますが、マウスピース矯正でもしばしばみられます。

元々歯槽骨が薄い場合もありますし、歯列矯正をしたために口内衛生環境が悪化し、歯周病が重症化してしまうケースもあります。そのほかにもマウスピースも衛生管理ができていなかったり、マウスピースが歯列に合っていないなどの不具合の場合もあります。

 

マウスピース矯正で歯茎が下がるときの対策

マウスピースで歯茎下がるときの対策は3つあります。

・医師にすぐ相談する
・口腔衛生に気を付ける
・違和感のある状態や破損したマウスピースを使わない

歯茎下がってきた!と感じたらすぐに歯科医師に相談しましょう。歯列矯正中なら写真を撮影しながら歯肉の位置も細かく医師が確認してくれています。本人が違和感を感じた時点で相談するのがベストです。「気のせいかも」と放置してしまう人もいますが、そのままにしていても改善することはありません。医師に相談し、状態の悪化を予防する方法を教えてもらいましょう。


また、口腔衛生についても気を付けましょう。ブラッシングのやり過ぎは歯をきれいにするのではなく、歯茎をさらに下がらせてしまう行為です。正しいブラッシング方法などを歯科衛生士に教えてもらいましょう。歯ブラシだけでなく歯間ブラシ、タフトブラシを活用するのもおすすめです。

マウスピースが破損した場合はすぐに報告することも大事です。破損したマウスピースを付けていると口腔内の怪我につながるだけでなく、歯茎下がる原因にもなります。破損していなくても、違和感を感じるようなら医師に相談しましょう。ちょっとフチを削るだけでも症状が改善して歯茎下がる現象を予防できます。

さらに、マウスピースの衛生にも気を付けましょう。

 

まとめ

マウスピース矯正では歯茎下がるというケースがあり、その原因や対策を解説しました。一度下がってしまった歯茎は元に戻ることはありませんが、マウスピース矯正で歯科に通っている方ならすぐに予防を始められます。ぜひ、対策をしっかりとしてきれいな歯列を手に入れましょう。

投稿者: 西本歯科医院

2021.12.12更新

マウスピース矯正は抜歯が必要?抜歯のタイミングについて

歯科矯正を利用するにあたって「矯正のための歯を抜く必要があるケースがある」という話を聞いたことがあるかもしれません。矯正のためとはいえ、健康な歯を抜きたくないと考える方は多いでしょう。そこで、マウスピース矯正において抜歯は必要なのか、抜歯するとすればどのタイミングで行うのかについて解説します。

 

マウスピース矯正で抜歯は絶対に必要?

マウスピース矯正において、抜歯を推奨されるケースもありますが、あえて非抜歯でマウスピース矯正を進めるケースもあります。

 

なぜ抜歯が必要になるの?

そもそも歯科矯正において健康な歯を抜いてしまわなければならない最大の理由は「歯を動かすためのスペースを確保するため」です。歯科矯正とは、要するに良くない歯並びの状態を、歯を少しずつ動かすことによって綺麗で健康的な歯並びに変える治療のことをいいます。歯を動かすということは、動かす先に空きスペースがなければなりません。矯正治療のための歯を動かす際に必要な空きスペースを確保するために、抜歯を行って1本分のスペースを確保するのです。

 

抜歯は矯正で必ず必要になるの?

歯科矯正において、抜歯は選択肢の1つであり、必ずしも抜歯しなければ歯科矯正を進められないというわけではありません。そもそも抜歯が必要になる理由は「歯を動かすためのスペースの確保」ですから、別の方法で必要なスペースを確保すれば良いのです。例えば数本の歯を薄くスライスすることで、必要なスペースを確保するという方法があります。

ただし、必ずしも抜歯以外の選択肢をどの患者さんも選択できるというわけではありません。歯科治療全般に言えることですが、患者さんの歯の状態は一人一人で大きく異なりますので、最善の治療法として考えられる選択肢も患者さんごとに異なります。抜歯することが最善の選択肢であり、他の選択肢だとデメリットが大きくなるというケースも考えられるでしょう。

抜歯するかしないかについては、担当医としっかりと話し合い、納得できる最善の選択肢を見つけ出すことをおすすめします。

 

マウスピース矯正でいつ抜歯を行う?

患者さんの歯の状態によって治療計画は大きく異なります。多くの場合は「マウスピースを装着する前の時点」または「マウスピース矯正治療が少し進んだ段階」で抜歯をすることになるでしょう。

 

どの歯を抜くことになるの?

これも患者さんの歯の状態によって個別に異なるのですが、多くの場合は「問題のある歯」や「歯並びの状態に応じた歯」を選択して抜歯することになります。

寿命の短い歯

歯科矯正の治療開始時点で「虫歯」や「先天的に問題のある歯」がある場合は、優先的に抜歯対象に選定される可能性が高いです。歯の寿命が短く、矯正治療後に長く残すことが難しい歯の場合、抜歯してしまうことで他の健康的な歯を残すことができます。ただし、歯の病気次第ではそもそも歯科矯正を利用することが難しいケースもありますので注意しましょう。

 

親知らず

誰にでも生えているわけではありませんが「親知らず」が生えている場合は、優先的に抜歯対象になる可能性が高いです。親知らずを残したままマウスピース矯正を始めても、うまく歯を動かすことができない可能性が高くなります。そのため、矯正治療前に抜歯してしまうのです。

 

4番または5番の歯(小臼歯)

歯並びがデコボコしていたり、出っ歯の場合には、歯の中心から数えて4番目または5番目の歯(小臼歯)を抜歯します。抜歯するタイミングは、歯並びの状態を考慮して決めることになります。

 

マウスピース矯正で抜歯した後に気を付けること

マウスピース矯正のために抜歯をした場合、抜歯直後は特に生活するうえでいくつか注意しなければならないポイントがあります。

 

抜歯後に避けるべきこと

詳しくは担当医から説明があるはずですが、抜歯直後は「激しい運動」「長時間の入浴」「飲酒」「喫煙」は避けてください。また、抜歯のために麻酔をしていますから、食事の際に口の中を噛んでしまうリスクが高まるため、食事は麻酔が切れたのを確認してからとるようにしてください。

 

抜歯後の腫れについて

患者さんによって異なりますが、抜歯後は腫れてしまう可能性があります。軽く冷やすと症状が軽くなる可能性がありますが、氷などの極端に冷たいもので冷やしてしまうと血行が悪くなり、抜歯の傷が治るまでに時間がかかってしまいます。濡れたタオルなどを使用して、軽く冷やすだけにとどめてください。

まとめ:抜歯の有無やタイミングは担当医としっかり相談しよう

マウスピース矯正の抜歯に限った話ではありませんが、歯の治療については担当医としっかりと話し合ったうえで、不安をすべて解消して納得してから治療を開始するようにしましょう。抜歯不要の治療をメインとしている歯科医院もありますが、必ずしも非抜歯が優れているというわけではありません。抜歯のメリット・デメリットをしっかりと話し合い、最善の選択肢を見つけ出してください。

投稿者: 西本歯科医院

2021.10.12更新

マウスピース矯正で出っ歯はきれいに治る?矯正方法について

「出っ歯」など、歯並びの悪さはコンプレックスとなり、日常生活にも精神的な支障をきたす可能性があります。
歯並びの悪さは矯正治療により改善できますが、「マウスピース矯正」では出っ歯を治すことはできるのでしょうか?
そこで、マウスピース矯正で出っ歯を治すことはできるのか、その場合に実施する矯正方法について解説します。

 

出っ歯はマウスピース矯正で治すことができるのか?

出っ歯に限った話ではありませんが、マウスピース矯正の治療効果は患者さんごとに大きく異なります。
出っ歯も患者さんによって症状の程度が異なりますので、マウスピース矯正で十分な治療効果を実感できる方もいれば、マウスピース矯正よりも矯正効果の高い矯正方法を推奨されることもあるのです。
つまり、出っ歯も症状次第ではマウスピース矯正で治療することは可能だといえます。

 

マウスピース矯正の仕組み

次に、マウスピース矯正の仕組み(どのような原理で歯並びを矯正できるのか)について解説します。

 

マウスピースを装着するだけの治療法

「歯並びを治す治療」と聞くと、大掛かりな治療法を想像する方も多いのですが、マウスピース矯正はマウスピースを患者さんの歯にはめて歯並びを治します。
患者さんは担当医の指示に従って、決められた時間にマウスピースを装着したまま日常生活を送ることになるのです。
マウスピースの装着と取り外しは歯科医療に詳しくない患者さんでも簡単に実行できるため、日常生活においてマウスピースの着脱にそこまでの負担を強いられることはありません。

 

なぜマウスピースを装着するだけで歯並びが治るの?

マウスピースを装着するだけで歯並びが治る原理については、マウスピースがどのようにして作られているかが深く関わっています。
実は、マウスピースは患者さんの「現在の歯並びそのままの状態」ではなく「微妙に歯並びが治っている状態」に合わせて作られています。
つまり、患者さんは自身の現状の歯並びの状態とは微妙に異なっている構造のマウスピースを装着することになるのです。
これにより、歯並びとマウスピースの異なっている部分についてわずかな力がかかり続けることで、歯並びを少しずつ治していくのがマウスピース矯正の仕組みとなります。

 

マウスピースは定期的に交換する

マウスピースを装着することで患者さんの歯並びは少しずつ改善されていきますが、1つのマウスピースだけで最終的な治療結果になるわけではありません。
前述の通り、マウスピースは「患者さんの現状の歯並びと少し違っている状態」に設計されています。
最初から歯並びが大きく異なっている状態のマウスピースを装着してしまうと、患者さんの歯に大きな負担がかかり、口腔内トラブルの原因となるでしょう。
そこで、定期的にマウスピースを交換するのです。
歯科医師は患者さんの歯並びをチェックして分析し、改善された状態の歯並びに治すまでのシミュレートを行います。
その治療計画に合わせて少しずつ形の異なるマウスピースを装着していくことにより、患者さんの歯への負担を抑えつつしっかりと歯並びを改善していくのです。
そのため、治療の途中で何らかのトラブルがあると治療計画を修正し、マウスピースを作り直さなければならなくなります。

 

出っ歯をマウスピース矯正で治すメリット・デメリット

出っ歯に限った話ではありませんが、マウスピース矯正で歯並びを治すにあたっては以下のようなメリット・デメリットが発生する可能性がある点について把握しておく必要があります。

 

メリット① 透明で目立たない

装着するマウスピースは透明なので、外見では目立たないというメリットがあります。
金属製の器具を使用する「ワイヤー矯正」は、白い歯に銀色のパーツを取り付けるので結構目立ってしまうのです。
透明な素材でできているマウスピース矯正であれば、よほど近くから見ない限りマウスピースの存在に気付くことは難しいので、見た目を気にせずに治療を継続できます。

 

メリット② デンタルケアがしやすい

着脱しやすいマウスピース矯正は、デンタルケアがしやすいというメリットがあります。
簡単には取り外せないワイヤー矯正の場合、器具の間に食べかすなどが挟まりやすく、虫歯などのトラブルの原因になりやすいのです。
マウスピースは患者さん自身で着脱できるため、必要に応じて取り外してデンタルケアを行い、口腔内を健康的な状態に維持しやすくなります。

 

メリット③ 金属アレルギーでも問題ない

金属製の素材で作られていないマウスピース矯正は、「金属アレルギー」の患者さんでも使用できます。
ワイヤー矯正は金属製の部品を使用するので、金属アレルギーの影響を受けてしまいます。
マウスピースの場合は非金属の素材であるため、アレルギーを気にせずに治療できるのです。

 

デメリット① 「取り外ししやすい」ことがデメリットになり得る

マウスピース矯正は「取り外ししやすい」ことが、治療計画を阻害する可能性があります。
マウスピースは担当医の指示した時間きちんと装着していないと、計画通りの治療効果は望めないでしょう。
取り外し自由であることから必要な装着時間を守れなくなってしまう患者さんも少なくありません。

 

デメリット② 症例次第では適用できない

マウスピース矯正は、患者さんの歯並びの状態次第では適用できない可能性があります。
重度の出っ歯などの場合、マウスピース矯正では十分な治療効果が望めない可能性があるのです。
その場合、別の治療方法を選択する必要があります。

 

まとめ:出っ歯も症状次第ではマウスピース治療できる

出っ歯を治す方法として、マウスピース矯正を選択できる可能性があります。
しかし、マウスピース矯正も万能ではありませんので、症例次第では適用できませんし、患者さんが十分な時間きちんと装着していないと治療効果が薄くなってしまいます。
出っ歯にお悩みの方は矯正歯科を手掛ける歯科医院に相談し、マウスピース矯正を含めて治療計画を組み上げてもらいましょう。

投稿者: 西本歯科医院

2021.09.25更新

マウスピース矯正の効果はいつから実感できる?早く終わらせるポイントとは?

「マウスピース矯正」を利用することで、問題のある歯並びを改善できます。しかし、マウスピース矯正は治療期間が長いイメージをお持ちの方が多いでしょう。少なからず不便を感じることになるのですから、「どのくらいで効果が出るんだろう」「どうすれば早めに治療を終えられるんだろう」と気になりませんか? マウスピース矯正の効果が出始めるタイミングや、マウスピース矯正治療を早めに終わらせるためのポイントについて解説します。

 

マウスピース矯正の効果と治療期間

結論を述べると、「マウスピース矯正の効果はいつから実感できるか?」という質問には、明確に回答することができません。マウスピース矯正に限らず、治療行為は患者さんの状態や治療方法によって治療効果や完治までの期間は異なるのです。

 

「効果の実感」が曖昧な基準である

そもそも「効果を実感する」ということが、結局のところ患者さんの感覚次第なので、同じ治療効果でも患者さんによって「効果が出た!」と感じることもあれば「まだまだ効果が不十分だ…」と感じることもあるでしょう。具体的な基準がないので、どの程度の期間で矯正治療の効果が実感できるかを説明する方法がないのです。

 

マウスピース矯正の治療期間

ただし、一般的な「マウスピース矯正の治療にかかる期間」については、おおまかですが5か月~2年という相場があります。期間の幅が広いのは、前述の通り患者さんによって歯の状態や治療効果に差があるからです。

 

マウスピース矯正の治療効果を実感したい人におすすめの方法

できるだけ早く、マウスピース矯正の効果を実感したいという方は多いでしょう。患者さん本人の気の持ちようではあるのですが、早く治療効果を実感できればその分だけ治療へのモチベーションも高く維持できるはずです。

おすすめの方法として、1つは「家族や親しい知人に見てもらう」ことです。多くの患者さんはご自身で鏡を見て歯の状態をチェックすると思いますが、自分自身ではわからないというケースが多く見られます。しかし、他人に見てもらい「ちゃんと効果が出ている」と言われれば、安心できるのではないでしょうか。

2つ目の方法はリスクもありますが「SNSやブログで情報発信する」ことです。矯正治療の状態を写真や動画などの媒体でネット上にアップロードし、不特定多数の人に見てもらってコメントしてもらいます。効果が出ているとコメントされれば安心できるでしょう。ただし、一般的なネットリテラシーの話ではありますが、SNS等でプライベートを特定されたり、誹謗中傷されるリスクがある点は理解しておきましょう。

 

マウスピース矯正を少しでも早く完了させるためのポイント

マウスピース矯正は、長い場合だと2年かそれ以上の期間を必要とするケースがあります。少しでも早く治療を終わらせたいと考えるのであれば、以下のポイントをしっかりと押さえておきましょう。

 

マウスピースやリテーナーの装着期間をしっかりと守る

「矯正用のマウスピース」や「後戻りを回避するためのリテーナー」の装着について、医師から指示された装着期間をしっかりと守りましょう。面倒くさがったり忘れたりして装着期間が守られないと、当初の予定よりも治療期間が長くなってしまいます。装着期間を守るために、アラームなどを活用することをおすすめします。

 

歯の状態を健康に保つ

虫歯や歯周病といった、歯の健康を損なうトラブルの発生リスクを抑えることも、矯正治療の期間を長引かせないために重要です。症状次第ではありますが、矯正治療中に虫歯などを発症すると、矯正治療を中断して虫歯等の治療を先に行う可能性があります。その分だけ治療期間が延びてしまいますので、矯正治療中のデンタルケアはしっかりと行いましょう。

 

余計なことをしない

矯正治療中は、歯の状態を変化させるような余計なことは一切しないでおきましょう。例えば「歯を指で押してみる」など、危険極まりないです。マウスピースは治療計画で予測した歯の動きに合わせて作られていますので、指で押すなど治療計画に誤差が生じるようなリスクは避けなければなりません。慌てることなく、マウスピースの力を信用して気長に治療を続けましょう。

 

モチベーションを維持する

マウスピース矯正を受けている間は、治療に対するモチベーションを高く維持することをおすすめします。歯の状態をチェックして「効果が出ている」など、前向きな気持ちで治療に向き合ってください。マウスピース矯正は治療期間が長引くこともありますので、途中で投げ出さないためにはモチベーションを維持し、前向きに治療に専念する姿勢を保つことが重要なのです。

 

医師の指示に従う

マウスピース矯正において、「医師の指示に従う」ことは基本にして絶対です。医師の指示に反するようなことをすれば、治療計画に問題が生じたり、歯の健康を損なう結果になる可能性もあります。マウスピースの装着期間や、治療中の注意点など、医師から指示されるはずなのでその内容を遵守してください。

 

まとめ

マウスピース矯正は効果が出る期間について個人差や考え方の違いがありますので一概には言えませんが、医師の指示通りに治療を進めればきちんと効果が出るはずです。人によっては長い戦いになるかもしれませんが、モチベ―ションをしっかりと維持し、美しい歯並びを手に入れてください。

投稿者: 西本歯科医院

2021.08.10更新

マウスピース矯正をつけ忘れてしまったときの影響とその対策をご紹介

「マウスピース矯正」は、基本的に毎日決まった時間にマウスピースを装着して、少しずつ歯並びを直していきます。この「毎日つける」という点がネックであり、人によっては1日つけ忘れてしまうケースもあるでしょう。矯正用マウスピースをつけ忘れてしまったときの影響と、その対策について解説します。

 

マウスピースをつけ忘れてしまった際の影響

もし、矯正用マウスピースをつけ忘れてしまった場合には、少なからず悪影響が及ぶ可能性があります。ただし、どの程度の悪影響が発生するかについては「何日程度マウスピースをつけ忘れていたのか?」によって異なります。

 

マウスピースを1日つけ忘れてしまった場合

マウスピースをつけ忘れてしまったのが「1日」だった場合には、ほとんど悪影響はないといっても過言ではありません。

マウスピースは、継続的に装着することによって少しずつ歯並びを改善していきます。もし、途中でつけ忘れてしまうと、いわゆる「後戻り」が発生し、歯並びが元の状態(良くない状態)に戻ってしまうのです。

とはいえ、装着し忘れていたのがたった1日だけであれば、それほど劇的な悪影響はないといえます。そもそも、マウスピース矯正によって1日当たりで歯並びが動く距離というものはごくわずかであり、仮に後戻りが発生しても1日程度であれば致命的な悪影響が発生することは考えにくいのです。

 

マウスピースを1週間つけ忘れてしまった場合

マウスピースをつけ忘れてしまったのが「1週間」だった場合には、残念ながら大きな悪影響が及ぶといっても過言ではありません。

マウスピース矯正は、長い時間をかけて少しずつ歯並びを直していきます。そのため、治療開始時には綿密な治療スケジュールを組んでおり、それに従って矯正治療を継続していくのです。

もし、1週間もの長い期間マウスピースをつけ忘れていたとなれば、この治療計画に支障をきたす可能性が高いのです。場合によっては、矯正治療そのものをやり直さなければならなくなるでしょう。

 

マウスピースをつけ忘れていた場合の対処法

マウスピースをつけ忘れていた場合、適切に対処することで悪影響を最小限に抑えることができます。

 

つけ忘れが1日程度ならば速やかに装着しなおす

1日程度のつけ忘れであれば、速やかにマウスピースを装着すれば悪影響はほとんどないといえます。紛失や破損等、マウスピースを装着できない事情がない限りは、1日のつけ忘れであればすぐにリカバリーできるでしょう。

 

つけ忘れが長期間ならマウスピースの装着を避ける

マウスピースのつけ忘れが長期間に及んでいた場合には、装着予定だったマウスピースの装着を見送った方が良いかもしれません。

マウスピースのつけ忘れは、歯並びが元の状態に戻ろうとする「後戻り」を発生させてしまいます。そのため、予定していた歯並びの状態とは大きく異なる歯並びになっているため、予定していたマウスピースが想定と異なる歯並びの状態に合わない可能性が高いのです。

また、長期間マウスピースをつけていなかった後にマウスピースを装着すると、痛みを感じる可能性があります。これは、歯並びが後戻りを起こしたことでマウスピースが合わないことが理由であると考えられます。痛みの有無に関わらず、マウスピースを長期間つけ忘れていた場合には、マウスピースを装着する前に担当医に相談してください。

 

担当医に相談する

特に、長い期間のつけ忘れが発生してしまった場合には、矯正治療の担当医に正直に話して、今後の治療計画について相談しておきましょう。つけ忘れが1日程度であった場合も、念のため治療計画への影響を考慮するために、つけ忘れたことを報告しておくことをおすすめします。

 

マウスピースのつけ忘れを回避する方法

たった1日とはいえ、少なからず治療計画に悪影響を及ぼす可能性がある「マウスピースのつけ忘れ」は、可能な限り避けてゼロにしたいところです。そこで、マウスピースのつけ忘れを回避するためのテクニックについて解説します。

 

スマートフォンのアラーム等を利用する

スマートフォンには「アラーム機能」がありますが、マウスピースを装着する予定の時間にアラームをセットしておき、マウスピースを装着する時間であることを気づかせることが有効なテクニックとなります。

すでにマウスピースをつけ忘れた経験がある方は、特にどんなタイミングでつけ忘れていたのかがわかっていれば、そのタイミングでアラームが起動するようにしておくと良いでしょう。

 

予備のマウスピースを準備しておく

もし「装着予定の前後のマウスピース」をお持ちであれば、それを荷物に忍ばせて「予備のマウスピース」として活用することをおすすめします。

マウスピース矯正は、少しずつ動く歯並びに合わせて少しずつ異なる状態のマウスピースを複数個用意しておきます。もし、外出時に装着や持ち出しを忘れたり、紛失や破損等して装着できないような事情が発生したら、装着予定のマウスピースに最も近いマウスピースを予備として持っておき、これを代わりに装着することでつけ忘れの悪影響を最小限に抑えられます。

 

まとめ

マウスピースをつけ忘れることは可能な限り避けるべきですが、1日程度なら致命的な悪影響を意識する必要はないでしょう。ですが、1週間やそれ以上の期間、マウスピースをつけ忘れてしまった場合には、治療計画そのものを見直す必要があるかもしれません。

いずれにしても、担当医に相談して歯並びへの影響を把握し、治療計画の修正が必要かどうかを判断してもらいましょう。マウスピースをつけ忘れてしまわないように意識を持つことと、つけ忘れが発生しないような工夫をすることをおすすめします。

投稿者: 西本歯科医院

2021.06.15更新

マウスピース矯正のソフトとハードの違いとは?

マウスピース矯正は装置が透明で周囲に気づかれずに歯並びが整えられることから、選択される方が多い矯正治療方法です。メーカーによって交換期間が異なりますが、10日に1回新しいマウスピースに交換して歯を動かします。

硬さが違うマウスピースを渡されること多く、基本的にはソフト、ミディアム、ハードといった2~3種類のマウスピースを順番に使用します。今回はマウスピース矯正のソフトとハードの違いについて解説します。

 

マウスピース矯正におけるソフトとハードの違い

マウスピース矯正は、装置を装着して歯並びを整えます。歯型を取ったときの歯並びではなく、少し歯を動かした状態のマウスピースを装着する必要があります。そのため、いきなりハードタイプのマウスピースを装着すると、入らなかったり痛みが強かったりします。

 

ソフトとハードで矯正力をコントロール

硬さの違うマウスピースを使用することによって、矯正力をコントロールして痛みを軽減します。

ソフトタイプは歯を動かすための準備期間、ハードタイプで歯を動かすといった役割があります。ソフトからミディアム、ハードを1クールとしていることが多いです。使用するメーカーによって異なりますが、柔らかい装置から入れて、10日後にミディアム、さらに10日後にハードといったように少しずつ歯を動かします。

 

ハードタイプは通院が難しくなっても保定装置の代わりになる

矯正治療は通院回数や期間が長いです。何かしらの理由で通院の期間が空いてしまうときは、最後に使用したハードのマウスピースで後戻りを防ぐ保定装置(リテーナー)の代わりになります。

 

マウスピース矯正は1枚で0.25mm歯が動く

ワイヤー矯正は1ヶ月に0.3~1mmほど歯を動かして歯並びを整えます。症例にもよりますが、1枚のマウスピースで歯が約0.25mm動きます。以前はワイヤー矯正よりも歯を動かせる量が少なく、治療期間が長くかかりました。しかし、マウスピース矯正は日々進化しており、現在のマウスピース矯正はワイヤー矯正と比べても歯を動かす量はほとんど変わりません。

 

マウスピース矯正の注意点

歯科医院やマウスピース矯正のメーカーによって、渡されるマウスピースの枚数が異なります。1クールのみの歯科医院もあれば、まとめて4クールを渡すケースもあります。その際の注意点は以下のとおりです。

装着時間は守りましょう

ほとんどのマウスピース矯正は1日20時間以上と装着時間が決められています。装着時間を守らないと、治療計画が遅れる原因となります。また、何かしらの理由で長期間にわたってマウスピースが装着できない場合は、歯科医院に相談をして指示を受けることが望ましいです。

 

痛みがあるからといって外さない

マウスピース矯正は痛みが少ないといわれていますが、歯を動かすときの痛みや、マウスピースを入れたときに締め付けられる感覚があります。とくに初めてマウスピースを入れたときや、ソフトからミディアムまたはハードに移行したときは痛みを伴いやすいです。

ソフトからハードに移行したときに、痛みがあるからといって外してしまうと、計画通りに治療が進みません。痛みは装置を装着してから3~7日でおさまることが多いです。我慢できない位の痛みがあったら移行する前のマウスピースを装着して、歯科医師の指示を受けましょう。

 

いきなりハードから装着しない

歯を早く動かしたいからといって、ハードタイプから装着しないようにしましょう。きつくて入らなかったり、痛みが生じたりトラブルの原因となります。

 

歯科医師の指示通りにマウスピースを装着する

マウスピース矯正は新しいマウスピースに交換して歯を動かします。交換の際は、歯科医師の指示通りに決められたマウスピースを装着します。ご自身の判断で次のマウスピースを装着すると、治療計画のずれや、歯を支えている骨に影響を与えてしまう可能性があります。

 

治療終了後は必ずリテーナーを装着する

マウスピース矯正の治療終了後は、後戻りを防ぐためにリテーナーと呼ばれる装置で保定します。保定装置は、マウスピース型や歯を挟む装置など、種類があります。最初の半年間は24時間装着する必要があり、半年以降は就寝時に装着する場合が多いです。

 

まとめ

マウスピース矯正で使用するマウスピースの種類はソフト、ミディアム、ハードがあります。計画通りに治療を進めるためには、必ず決められた時間と期間を守る必要があります。早く歯を動かしたいからといって、いきなりハードを装着すると歯を支えている骨に影響を与えてしまう可能性が高いです。

矯正治療を考えている方は、矯正相談をおすすめしています。矯正治療を行っている歯科医院では、無料~5,000円で矯正相談を設けていることが多く、治療の流れや、おおまかな期間や費用、矯正治療に関する疑問など相談ができます。

また、矯正治療にはワイヤー矯正、マウスピース矯正、部分矯正などさまざまな治療方法があり、それぞれのメリットとデメリットをよく理解してから適切な治療の選択をしましょう。

投稿者: 西本歯科医院

2021.04.10更新

近年マウスピース矯正は「目立たない矯正治療」として確立しています。インビザラインやアソアライナーというシステムの名称を聞いたことがある方も多いのでは。このようにマウスピース矯正には様々な種類があります。ここではマウスピース矯正の種類や特徴について解説します。

 

マウスピースの治療方法は全額矯正と部分矯正の2種類

マウスピース矯正には前歯を中心に動かしていく部分矯正と、全ての歯を動かす全額矯正の2種類に分かれます。

 

部分矯正は軽い症例から中等度の症例に適している

マウスピース矯正が最も得意とするのは、前歯を動かす部分矯正です。
例えば、前歯のすきっ歯を治したいなど、一部のでこぼこした歯並びを治したいなど、軽〜中等度の症例に適しています。
全額矯正と比べ、短期間で治療ができます。

 

全額矯正は軽い症例〜難症例に適している

歯にアタッチメントと呼ばれる装置を装着することによって、マウスピース矯正でも難症例に対応することが可能になりました。奥歯も動かすことによって噛み合わせの改善もできます。

しかし、抜歯が必要な場合や、重度のでこぼこした歯並びは治療が難しく、ワイヤー矯正が適している場合があります。

 

世界のトップシェアを誇るインビザライン

米国のアラインテクノロジー社から提供されている、世界のトップシェアを誇るマウスピース矯正です。インビザラインは各症例ごとに対応できるシステムを採用しています。

 

インビザライン・コンプリヘンシブパッケージ

全額矯正を目的としているシステムです。マウスピースの作製枚数に制限がないため、難症例にも対応ができます。他のマウスピース矯正と比べると価格は高価ですが、治療期間に制限がないため、途中で計画を変更できるなど柔軟に対応ができます。

 

インビザライン・ライトパッケージ

前歯に特化したシステムです。約7ヶ月間の短い期間で矯正が終了できるような症例が対象です。すきっ歯など軽度な症例が適しており、低価格で歯並びを改善することができます。

 

インビザライン・エクスプレスパッケージ

ライトパッケージよりもさらに軽度な症例に適しているシステムです。約3〜4ヶ月で矯正が終了できる症例が対象です。
1〜2本の歯を動かす、少しの隙間などに適しています。

 

インビザラインティーン

11〜16歳までが対象のシステムです。人の目が気になる多感な時期でも目立たずに矯正ができます。奥歯の目立たない場所に装着時間によって色が変化するコンプライアンス・インジケーターが搭載されており、おおよその装着時間を確認することができます。

 

インビザラインiGOシステム

第二小臼歯までの前歯に特化した矯正システムです。デジタル技術を駆使し、治療の予測が可能で正確な治療期間を知ることができます。

 

部分矯正が可能なアソアライナー

前歯に特化した部分矯正です。軽度の症例や矯正後の後戻りなどに適しています。月に1度歯型を取り、国内の専用ラボでマウスピースを作製します。
歯の移動量を測定し解析してからマウスピースが作製されるので、誤差が生じにくく、計画通りに矯正を進めることが可能です。

 

クリアコレクトは米国のシェア第2位のマウスピース矯正

インプラントメーカーの最大手であるストローマン社が提供しているマウスピース矯正です。米国ではインビザラインに次いでシェア第2位です。インビザラインとほぼ同様の矯正システムで、全額矯正が可能。

3Dスキャンで歯型を取り、1度のスキャンで全てのマウスピースが作製されます。インビザラインよりもマウスピースが薄く、違和感が少なくなっています。歯肉を覆う形状をしており、歯を動かす力が強くなってるのが特徴です。

 

キレイラインは前歯の軽症例に特化

2017年から登場した格安マウスピース矯正です。SNSや広告で目にする機会が増えたキレイライン。前歯の軽度な症例のみに対応している部分矯正です。例えば、前歯のすきっ歯や軽度のでこぼこした歯、矯正後の後戻りが適用となります。

一般的なマウスピース矯正と比べると価格が安く設定されており、目安の費用は10〜30万円程度です。

 

まとめ

マウスピース矯正は前歯だけ動かす部分矯正と、歯全体を動かす全額矯正に分けられます。歯の表面にアタッチメントを装着することによって、難症例にも適応するようになりました。

しかし、マウスピースでは歯の移動量が大きくなる症例は不向きとされています。例えば出っ歯、ねじれた歯、骨格的に問題がある場合はマウスピース矯正よりもワイヤー矯正や外科的処置が必要です。

2017年より、格安マウスピースが誕生してから矯正の敷居は低くなりましたが、部分矯正向きで全額矯正はできません。適応症例を知らずに、安いだけで矯正を初めてしまうと思わぬトラブルが発生してしまいます。

矯正を始める際は、歯科医院で診査、診断を受け症例にあった矯正方法を選択するようにしましょう。

投稿者: 西本歯科医院

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