2021.04.10更新

近年マウスピース矯正は「目立たない矯正治療」として確立しています。インビザラインやアソアライナーというシステムの名称を聞いたことがある方も多いのでは。このようにマウスピース矯正には様々な種類があります。ここではマウスピース矯正の種類や特徴について解説します。

 

マウスピースの治療方法は全額矯正と部分矯正の2種類

マウスピース矯正には前歯を中心に動かしていく部分矯正と、全ての歯を動かす全額矯正の2種類に分かれます。

 

部分矯正は軽い症例から中等度の症例に適している

マウスピース矯正が最も得意とするのは、前歯を動かす部分矯正です。
例えば、前歯のすきっ歯を治したいなど、一部のでこぼこした歯並びを治したいなど、軽〜中等度の症例に適しています。
全額矯正と比べ、短期間で治療ができます。

 

全額矯正は軽い症例〜難症例に適している

歯にアタッチメントと呼ばれる装置を装着することによって、マウスピース矯正でも難症例に対応することが可能になりました。奥歯も動かすことによって噛み合わせの改善もできます。

しかし、抜歯が必要な場合や、重度のでこぼこした歯並びは治療が難しく、ワイヤー矯正が適している場合があります。

 

世界のトップシェアを誇るインビザライン

米国のアラインテクノロジー社から提供されている、世界のトップシェアを誇るマウスピース矯正です。インビザラインは各症例ごとに対応できるシステムを採用しています。

 

インビザライン・コンプリヘンシブパッケージ

全額矯正を目的としているシステムです。マウスピースの作製枚数に制限がないため、難症例にも対応ができます。他のマウスピース矯正と比べると価格は高価ですが、治療期間に制限がないため、途中で計画を変更できるなど柔軟に対応ができます。

 

インビザライン・ライトパッケージ

前歯に特化したシステムです。約7ヶ月間の短い期間で矯正が終了できるような症例が対象です。すきっ歯など軽度な症例が適しており、低価格で歯並びを改善することができます。

 

インビザライン・エクスプレスパッケージ

ライトパッケージよりもさらに軽度な症例に適しているシステムです。約3〜4ヶ月で矯正が終了できる症例が対象です。
1〜2本の歯を動かす、少しの隙間などに適しています。

 

インビザラインティーン

11〜16歳までが対象のシステムです。人の目が気になる多感な時期でも目立たずに矯正ができます。奥歯の目立たない場所に装着時間によって色が変化するコンプライアンス・インジケーターが搭載されており、おおよその装着時間を確認することができます。

 

インビザラインiGOシステム

第二小臼歯までの前歯に特化した矯正システムです。デジタル技術を駆使し、治療の予測が可能で正確な治療期間を知ることができます。

 

部分矯正が可能なアソアライナー

前歯に特化した部分矯正です。軽度の症例や矯正後の後戻りなどに適しています。月に1度歯型を取り、国内の専用ラボでマウスピースを作製します。
歯の移動量を測定し解析してからマウスピースが作製されるので、誤差が生じにくく、計画通りに矯正を進めることが可能です。

 

クリアコレクトは米国のシェア第2位のマウスピース矯正

インプラントメーカーの最大手であるストローマン社が提供しているマウスピース矯正です。米国ではインビザラインに次いでシェア第2位です。インビザラインとほぼ同様の矯正システムで、全額矯正が可能。

3Dスキャンで歯型を取り、1度のスキャンで全てのマウスピースが作製されます。インビザラインよりもマウスピースが薄く、違和感が少なくなっています。歯肉を覆う形状をしており、歯を動かす力が強くなってるのが特徴です。

 

キレイラインは前歯の軽症例に特化

2017年から登場した格安マウスピース矯正です。SNSや広告で目にする機会が増えたキレイライン。前歯の軽度な症例のみに対応している部分矯正です。例えば、前歯のすきっ歯や軽度のでこぼこした歯、矯正後の後戻りが適用となります。

一般的なマウスピース矯正と比べると価格が安く設定されており、目安の費用は10〜30万円程度です。

 

まとめ

マウスピース矯正は前歯だけ動かす部分矯正と、歯全体を動かす全額矯正に分けられます。歯の表面にアタッチメントを装着することによって、難症例にも適応するようになりました。

しかし、マウスピースでは歯の移動量が大きくなる症例は不向きとされています。例えば出っ歯、ねじれた歯、骨格的に問題がある場合はマウスピース矯正よりもワイヤー矯正や外科的処置が必要です。

2017年より、格安マウスピースが誕生してから矯正の敷居は低くなりましたが、部分矯正向きで全額矯正はできません。適応症例を知らずに、安いだけで矯正を初めてしまうと思わぬトラブルが発生してしまいます。

矯正を始める際は、歯科医院で診査、診断を受け症例にあった矯正方法を選択するようにしましょう。

投稿者: 西本歯科医院