2022.11.25更新

虫歯がある場合のホワイトニングについて解説

歯を白くするための「ホワイトニング」ですが、口腔内に何らかのトラブルがあるとスムーズにホワイトニングをスタートすることができません。
「虫歯」は口腔内トラブルの代表的な症状ですが、虫歯がある方の場合だとホワイトニングはできるのでしょうか?
そこで今回は、虫歯がある場合のホワイトニングについて解説します。

 

虫歯があるとホワイトニングできない?

結論から述べると、虫歯が発見された場合はホワイトニングの開始を中断し、先に虫歯の治療を優先することが多いです。
理由はいくつかありますが、最大の理由は以下の3つです。

 

ホワイトニング中に虫歯が進行してしまう

1つ目の理由は「虫歯の進行」です。
ホワイトニングを優先すると、ホワイトニングの間に虫歯が進行してしまう可能性が高いのです。
虫歯は進行すればするほど治療が難しく、健康な歯を維持することが難しくなってしまいますので、ホワイトニングよりも虫歯治療を優先するケースが多くなります。

 

ホワイトニングの薬剤がしみる可能性が高い

2つ目の理由は「薬剤がしみる」からです。
ホワイトニングに使用する薬剤は、通常の状態でもしみてしまう可能性があります。
加えて、虫歯がある状態だと余計にしみる可能性が高くなるのです。
しみる状態だと健常にホワイトニングを継続することが難しくなってしまいますので、虫歯がある状態でのホワイトニングはおすすめできません。

 

虫歯治療中の被せ物が剥がれてしまう可能性がある

3つ目の理由は「被せ物が剥がれてしまうから」です。
虫歯治療では、削った歯を補うために被せ物をします。
この被せ物ですが、ホワイトニングで使用する薬剤の影響で剥がれてしまう可能性が高いのです。
そのため、ホワイトニングと虫歯治療を並行で行うことはおすすめできません。

 

虫歯治療後のホワイトニング

虫歯治療後にホワイトニングをすると考えると、1つ注意するべきポイントがあります。
それは「虫歯治療の被せ物にはホワイトニングの効果がない」ということです。
虫歯治療では歯を削りますので、削った部分を補うために被せ物をします。
このとき、ホワイトニングの効果はこの被せ物に対して及ばないことを念頭に置く必要があるのです。
審美性を考慮してセラミックなどの白い素材を使用して虫歯治療を行うケースも多いでしょう。
しかし、人工物であるセラミック等にはホワイトニングの効果は及びません。
そのため、ホワイトニング前の状態で被せ物の色を決めてしまうと、ホワイトニング後には被せ物の部分だけ色が目立ってしまうため、ホワイトニングするにあたっては被せ物の色を考慮してホワイトニング治療を進める必要があるのです。

 

虫歯治療後におすすめのホワイトニング方法

最後に、虫歯を治療した後におすすめのホワイトニング方法について解説します。

 

ウォーキングブリーチ

「ウォーキングブリーチ」とは、ホワイトニングの薬剤を歯の内側に入れて、その歯を白くするという方法です。
虫歯の根管治療では、歯の神経の管を掃除した後に専用の薬剤を充填しますが、ウォーキングブリーチではその薬剤を抜いてその代わりにホワイトニング薬剤を入れます。
これにより、中に入れたホワイトニング剤が少しずつ歯の着色成分を分解し、変色した歯を少しずつに白くします。
歯の中に入れた薬剤は1~2週間ごとに交換して、数回の治療で歯が白くなったら元の薬剤に戻します。
メリットとしては、セラミッククラウンよりも安価で施術ができることと、通常のホワイトニングよりも強力な薬剤を使用するので変色の強い歯であっても白くできる可能性があることです。
デメリットとしては、歯に対してダメージが大きいため、虫歯治療で残った歯を大きく傷めてしまう可能性が高い点が挙げられます。

 

インターナルブリーチ

「インターナルブリーチ」とは、やること自体はウォーキングブリーチと同じですが、大きな違いとして医院内にいるときのみ漂白剤を入れるという特徴がある治療法です。
1回の施術だけで理想の白さになることはほぼありませんが、ウォーキングブリーチと同様に複数回通院することで理想の白さに近づけていくのが一般的な治療方針となります。
ウォーキングブリーチと比較して歯への負担が軽減できますが、ホワイトニング効果が比較的小さいのがデメリットです。

 

日ごろから虫歯予防をすることが重要

このように、虫歯があるとホワイトニングにも影響することがわかります。
虫歯治療後にホワイトニングすることも可能ではありますが、少なからず影響が残るため、できれば虫歯の影響なしでホワイトニングを利用したいところです。
虫歯予防で重要なことは「日ごろのデンタルケアを欠かさないこと」と「予防歯科を利用する」ことです。
特に日本では予防歯科の概念が重要視されていませんが、海外(特に北欧)では予防歯科の重要性が理解されています。
虫歯などのトラブルがなくても、歯の健康状態を確認するためには予防歯科を利用し、虫歯にならないようにすることが重要です。

 

まとめ:虫歯があるとホワイトニングに影響する

虫歯があると、ホワイトニングにも悪影響を及ぼします。
日ごろのデンタルケアと予防歯科を活用し、虫歯にならないようにすることが、ホワイトニングの利用において重要であることを理解しましょう。

ホワイトニング治療なら西本歯科医院

投稿者: 西本歯科医院

2022.11.09更新

子供の矯正はいつから始めたらいいの?小児矯正について解説

お子さんの歯列矯正を考えるにあたって「いつから始めるのが良いのだろうか?」と悩む親御さんは少なくありません。
しかし、お子さんの歯列矯正はできるだけ速やかに決断しないと、適切なタイミングを失ってしまう可能性もあるのです。
そこで今回は、子どもの歯列矯正はいつから始めるべきなのかについて解説します。

 

「一期治療」と「二期治療」の違い

子どもの歯列矯正には「一期治療」と「二期治療」の2種類があります。

 

一期治療

「一期治療」は、あごの骨のバランスや大きさを整える治療が中心となります。
一期治療では上下の顎のバランスを改善する装置(ムーシールド、バイオネーター、フェイスマスクなど)を使用することで、上下の顎のバランスを正しい状態にする治療を行うのです。
顎が小さいことで歯の生えるスペースが不足しているケースでは、そのまま放っておくと叢生(八重歯などの乱ぐい歯)になってしまいますので、顎を拡大する装置(取り外し式のプレート装置)を使うことで永久歯がきれいに並ぶスペースを確保する治療方針を選択します。

 

二期治療

「二期治療」は、歯の位置を整える治療が中心となります。
一般的に歯列矯正や歯科矯正と呼ばれる治療がこれに該当し、器具を装着することで歯を動かし、歯並びを正常な状態に整えます。
一期治療で永久歯の誘導がうまく進んだ場合は、二期治療が不要になるケースもあります。

 

一期治療について

次に、一期治療の「適齢期」と「治療の目的」について解説します。

 

一期治療の適齢期

小児矯正の一期治療は、6~7歳までに開始するのが一般的となっています。
この年齢では、子どもの歯から大人の歯へ交換する時期であるため、歯並びの異常を治す上での適齢期となっているのです。
それ以降だと前歯の永久歯が良くない状態のまま動きが止まってしまうことや奥歯がぐらつき始める年齢になってくるので、矯正装置が安定しにくい場合もあります。
この年齢の頃で歯並びの凸凹やズレがある場合、まだ生えてきていない歯も顎の中で方向を変えてきて、悪化していくケースも多いです。
そのため、手早く治療を開始することをおすすめしますので、お子さんの歯並びが気になるという親御さんはぜひ小児歯科でお子さんの歯並びをチェックしてもらうことをおすすめします。

 

一期治療の目的

小児矯正における一期治療の主な目的は「顎骨の発育を正常に促す」ことです。
たとえば、上の顎の幅が狭くて将来的に乱ぐい歯となりそうなケースだと、拡大床などを用いた矯正治療を実施します。
この治療法により顎の骨が正常な幅まで拡大されるため、永久歯をきれいに並べるためのスペースを十分に確保できます。
つまり、小児矯正の一期治療では歯並びの乱れを細かく整えるような処置は実施せず、あくまでもしっかりとした土台を作るための治療が中心になるのです。

 

二期治療について

次に、小児歯科の歯列矯正の二期治療について解説します。

 

二期治療の適齢期

二期治療は、お子さんが12歳くらいから開始するのが一般的です。
この頃になるとお子さんは永久歯が生えそろい、顎の骨の発育もピークを超えています。そのため、歯並びの乱れを細かく整えるのに適した時期であるといえます。

 

二期治療の目的

二期治療では、お子さんの歯並びを細かく整えるのに適しています。
一期治療では顎の骨の成長に関する治療が中心でしたが、二期治療になると大人の歯列矯正と同様に歯を動かして歯並びを整える治療が中心です。

 

歯科医院で診てもらうのが一番

「ウチの子、歯並びが気になる」と思ったら、歯科医院で診てもらうのが最も適切な方法であるといえます。
歯科医院で診てもらうことによって「いつから歯列矯正を行うべきか」「そもそも歯列矯正が必要なのかどうか」を正確に把握することができます。
仮にお子さんの歯並びに異常を感じるとしても、本当に熾烈矯正が必要なレベルの歯並びであるかどうかを素人が判別することは難しいでしょう。
しかし、歯科医院であれば歯並びのプロの目線でお子さんの歯並びをチェックしてもらうことができます。
必要であればそのまま歯列矯正治療を開始することができますし、不要であれば歯科医師のお墨付きで歯並びの状態に安心することができるでしょう。

 

まとめ:お子さんの歯並びが気になるのであれば早めに歯科医院を受診しよう

お子さんの歯列矯正の適齢期は、素人では判別が難しいでしょう。
お子さんの歯列矯正の適切なタイミングを知るためには、歯科医院で歯並びのプロである歯科医師の診断を受けることが最善の方法となります。
もし、お子さんの歯並びが気になるというのであれば、早めに歯科医院を受診して、お子さんの歯並びについて診断を受けることをおすすめします。
そのうえで、必要であれば歯列矯正を開始して、お子さんの歯並びを正常な状態に整えてもらってください。

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投稿者: 西本歯科医院