マウスピース矯正は装置が透明で周囲に気づかれずに歯並びが整えられることから、選択される方が多い矯正治療方法です。メーカーによって交換期間が異なりますが、10日に1回新しいマウスピースに交換して歯を動かします。
硬さが違うマウスピースを渡されること多く、基本的にはソフト、ミディアム、ハードといった2~3種類のマウスピースを順番に使用します。今回はマウスピース矯正のソフトとハードの違いについて解説します。
マウスピース矯正におけるソフトとハードの違い
マウスピース矯正は、装置を装着して歯並びを整えます。歯型を取ったときの歯並びではなく、少し歯を動かした状態のマウスピースを装着する必要があります。そのため、いきなりハードタイプのマウスピースを装着すると、入らなかったり痛みが強かったりします。
ソフトとハードで矯正力をコントロール
硬さの違うマウスピースを使用することによって、矯正力をコントロールして痛みを軽減します。
ソフトタイプは歯を動かすための準備期間、ハードタイプで歯を動かすといった役割があります。ソフトからミディアム、ハードを1クールとしていることが多いです。使用するメーカーによって異なりますが、柔らかい装置から入れて、10日後にミディアム、さらに10日後にハードといったように少しずつ歯を動かします。
ハードタイプは通院が難しくなっても保定装置の代わりになる
矯正治療は通院回数や期間が長いです。何かしらの理由で通院の期間が空いてしまうときは、最後に使用したハードのマウスピースで後戻りを防ぐ保定装置(リテーナー)の代わりになります。
マウスピース矯正は1枚で0.25mm歯が動く
ワイヤー矯正は1ヶ月に0.3~1mmほど歯を動かして歯並びを整えます。症例にもよりますが、1枚のマウスピースで歯が約0.25mm動きます。以前はワイヤー矯正よりも歯を動かせる量が少なく、治療期間が長くかかりました。しかし、マウスピース矯正は日々進化しており、現在のマウスピース矯正はワイヤー矯正と比べても歯を動かす量はほとんど変わりません。
マウスピース矯正の注意点
歯科医院やマウスピース矯正のメーカーによって、渡されるマウスピースの枚数が異なります。1クールのみの歯科医院もあれば、まとめて4クールを渡すケースもあります。その際の注意点は以下のとおりです。
装着時間は守りましょう
ほとんどのマウスピース矯正は1日20時間以上と装着時間が決められています。装着時間を守らないと、治療計画が遅れる原因となります。また、何かしらの理由で長期間にわたってマウスピースが装着できない場合は、歯科医院に相談をして指示を受けることが望ましいです。
痛みがあるからといって外さない
マウスピース矯正は痛みが少ないといわれていますが、歯を動かすときの痛みや、マウスピースを入れたときに締め付けられる感覚があります。とくに初めてマウスピースを入れたときや、ソフトからミディアムまたはハードに移行したときは痛みを伴いやすいです。
ソフトからハードに移行したときに、痛みがあるからといって外してしまうと、計画通りに治療が進みません。痛みは装置を装着してから3~7日でおさまることが多いです。我慢できない位の痛みがあったら移行する前のマウスピースを装着して、歯科医師の指示を受けましょう。
いきなりハードから装着しない
歯を早く動かしたいからといって、ハードタイプから装着しないようにしましょう。きつくて入らなかったり、痛みが生じたりトラブルの原因となります。
歯科医師の指示通りにマウスピースを装着する
マウスピース矯正は新しいマウスピースに交換して歯を動かします。交換の際は、歯科医師の指示通りに決められたマウスピースを装着します。ご自身の判断で次のマウスピースを装着すると、治療計画のずれや、歯を支えている骨に影響を与えてしまう可能性があります。
治療終了後は必ずリテーナーを装着する
マウスピース矯正の治療終了後は、後戻りを防ぐためにリテーナーと呼ばれる装置で保定します。保定装置は、マウスピース型や歯を挟む装置など、種類があります。最初の半年間は24時間装着する必要があり、半年以降は就寝時に装着する場合が多いです。
まとめ
マウスピース矯正で使用するマウスピースの種類はソフト、ミディアム、ハードがあります。計画通りに治療を進めるためには、必ず決められた時間と期間を守る必要があります。早く歯を動かしたいからといって、いきなりハードを装着すると歯を支えている骨に影響を与えてしまう可能性が高いです。
矯正治療を考えている方は、矯正相談をおすすめしています。矯正治療を行っている歯科医院では、無料~5,000円で矯正相談を設けていることが多く、治療の流れや、おおまかな期間や費用、矯正治療に関する疑問など相談ができます。
また、矯正治療にはワイヤー矯正、マウスピース矯正、部分矯正などさまざまな治療方法があり、それぞれのメリットとデメリットをよく理解してから適切な治療の選択をしましょう。