2022.03.11更新

「ホワイトニング」をすることで、歯の色を白くすることができます。しかし、ホワイトニング後から一定の期間をおくと、ホワイトニング前の色に戻ってしまうことがあります。

これをホワイトニングの「後戻り」といい、ホワイトニングにはこの後戻りがつきものです。せっかく白い歯にしたのですから、「どうすれば効果を維持できるのだろう」「なにが原因で後戻りしてしまうのだろう」と気になりませんか?ホワイトニングの原理や、後戻りの原因を解説し、後戻りを軽減するための方法を紹介します。

 

ホワイトニングの原理

ホワイトニングとは「歯そのものの色を白くする」施術のことです。ホワイトニングに使われる薬剤の効果は2つあります。1つ目の効果は歯に付着した着色の原因物質を破壊し、無色・透明にしてくれます。2つ目の効果は、歯の表面のエナメル質の構造を光が透過しにくい構造に変化してくれます。

 

着色の原因物質を破壊する

歯は本来白いものですが、食事などにより歯に着色成分が付着することで歯の黄ばみにつながります。ホワイトニングをすることで、この着色成分を破壊し無色・透明にし、歯本来の白さに戻してくれます。

 

エナメル質の構造を変化させる

歯の表面にはエナメル質があり、その内側には黄色や茶色をした象牙質というものがあります。エナメル質は基本的に透明で、光を通す性質を持っているため、内側の象牙質の色が見えてしまいます。ホワイトニングにより、エナメル質の構造が光を通しにくい構造に変化し、象牙質の色が見えにくくなります。

 

ホワイトニングの後戻りの原因

前述の通り、ホワイトニングをしても歯の質が大きく変わるわけではありません。そのため、これまでと同じような食生活を送っていると、歯に着色の原因物質が付着していきます。また、エナメル質の構造も一時的な変化に過ぎないため、元の構造に戻っていきます。

 

着色しやすい食生活

歯の表面には「ペリクル」という薄い膜があり、食べ物のカスを分解するときに発生する酸から歯を守る効果があります。しかし、このペリクルには色素をくっつけてしまうという効果もあります。そのため、カレーやワイン、コーヒーなどの着色性が高い飲食物をとることで、歯に着色成分が付着してしまいます。

 

歯の再石灰化

私たちの口の中では食事をするたびに、エナメル質の損傷と修復が行われます。このエナメル質を修復することを「歯の再石灰化」といいます。再石灰化により修復されるエナメル質の構造は、光を通しやすい本来の構造をしています。期間が経つにつれて、光を通しやすい構造のエナメル質の割合が多くなり、歯が黄色くなったように見えてしまいます。

 

ホワイトニングの後戻りを軽減するためのポイント

ホワイトニングには約1年効果が持続する施術方法もあります。少しでも長く効果を持続させたいと考えるのであれば、以下のポイントをしっかりと押さえておきましょう。

 

食生活の改善

歯の着色は歯磨き粉のみですべてを落とすことはできません。そのため、着色性の高い飲食物を避けることはとても重要になります。舌に色がついてしまうような色の濃い食品は、歯にも着色するので摂取しないか、頻度を控えめにしましょう。
また、たばこのヤニも着色の原因となるので、たばこを吸う習慣がある人は、たばこも控えることをおすすめします。

 

歯のクリーニングをしてもらう

歯磨き粉でも落とせない着色には、クリーニングが効果的です。専用の機器を用いて着色だけでなく、歯垢や歯石も除去してくれます。歯ブラシの毛先が届かない歯茎の溝の細菌も除去できたり、ブラッシングの指導をしたりしてくれるので口腔内の健康維持にもつながります。

 

歯磨きを見直す

歯磨き粉は研磨剤があまり含まれていないものを選びましょう。研磨剤があることで歯の表面をしっかりと磨くことができるのですが、同時に歯の表面を傷つける危険性もあります。歯の表面が傷つくことで、着色成分や汚れがより付着しやすくなってしまいます。
歯磨きをする際も、歯磨きのやりすぎや、力を入れ過ぎた歯磨きは同様に歯の表面を傷つけてしまうので注意しましょう。

また、食事後の口内は、食べ物に含まれている細菌を分解する影響で酸性の状態になっています。口の中が酸性の状態になっていると歯の表面が傷つきやすいです。酸性になった口の中は唾液の力で中性に戻っていきます。中性に戻る食後30~60分ほど経ってから歯磨きをするようにしましょう。

 

トリートメント剤を使う

歯のトリートメントとはクリニックで行う施術のことで、歯の傷を埋めて表面を滑らかにしてくれます。傷が滑らかになることで着色しづらい状態を作り出すことができます。また、虫歯や口臭、歯石の沈着も防ぐ効果もあるため、ホワイトニング後のケアとしておすすめです。

 

まとめ

ホワイトニングをすることで白い歯になりますが、歯の質が変化しているわけではありません。ホワイトニングの効果を維持して後戻りを防ぐには食生活の改善や、日常のケアが大事になってきます。ホワイトニング後は、後戻りの原因に注意し、美しい白い歯を維持していきましょう。

投稿者: 西本歯科医院