2021.07.12更新

セラミックなどの人工歯もホワイトニングできるのか?

結婚式やイベント、身だしなみとして歯のホワイトニングを希望される方は年々増加しています。しかし、セラミックやインプラント、差し歯といった人工歯はホワイトニングをしても白くなりません。ホワイトニングができない理由と人工歯を白くする方法について解説します。

 

セラミックなどの人工歯はホワイトニングできない

結論から言うと、ホワイトニングができる歯は「天然の歯」のみ。人工歯はホワイトニングができません。また、部分的な詰め物もホワイトニングで白くすることができません。

 

人工歯が黄ばんでしまう理由

セラミックなどの人工歯が黄ばんでしまう理由は、人工歯の素材や飲食物による着色、経年劣化による変色です。

 

人工歯の素材

着色しやすい飲食物の摂取や、素材の経年劣化によって変色します。セラミックの種類には以下のような素材が挙げられます。

・オールセラミック
・ハイブリッドセラミック
・ジルコニア
・メタルボンド

セラミック素材のなかでも、プラスチックが含まれている「ハイブリッドセラミック」は着色しやすく経年劣化で変色する素材です。そのほかのセラミック素材は、経年劣化で変色することがほとんどありませんが、飲食物によって着色がつく可能性があります。

また、保険で使用する素材はプラスチックが含まれているので、ハイブリッドセラミックと同様に着色や変色を引き起こします。

 

着色しやすい飲食物

着色しやすい飲食物を摂取すると天然の歯も人工歯も着色します。着色しやすい飲食物は以下のようなものがあります。

・ソース
・ケチャップ
・コーヒー
・ワイン
・お茶

基本的に着色の濃い飲み物や、着色料が含まれている調味料、カレーやミートソースパスタなど着色の濃い食べ物は、歯が黄ばんでしまう原因となります。

 

人工歯の着色汚れは落とせる

歯科医院でのホワイトニングでは人工歯を白くできませんが、歯科医院でのクリーニングや、エステサロンで行われているセルフホワイトニングで「表面の着色を落とす」ことができます。

 

歯科医院でのクリーニング

特殊な機械を使用して行うクリーニング(PMTC)は、歯全体の歯垢・歯石を除去しながら、歯の着色汚れを落とすことができます。なかでもエアフローと呼ばれている粒子の非常に細かいパウダーを吹き付けて汚れを落とす施術は、人工歯の表面の着色をキレイに落セます。

PMTCは基本的に自由診療となり、相場は45分5,000円ほど。まずは歯科医院のクリーニングで着色を落としてから、人工歯を白くやり替えるか検討するのもよいでしょう。

 

セルフホワイトニング

セルフホワイトニングは歯の表面の着色を落とせるので、人工歯を元の白さにすることができます。歯科医院ではなく、エステサロンやセルフホワイトニングサロンで行う施術や、自宅で行うホワイトニングのことを指しています。

セルフホワイトニングで使用される薬剤の成分は、重曹、ポリリン酸、炭酸カルシウムが用いられており、これらの成分はLEDなどの光を当てて、「着色を分解して落とす」作用があります。

反対に、天然の歯を白くしたい方は、セルフホワイトニングはおすすめしません。歯科医院のホワイトニングは「歯を漂白して白く」するのに対して、セルフホワイトニングは「歯の表面の着色を落とす」ので、歯を白くすることができないからです。

 

セラミックなどの人工歯を白くするには?

セラミックなどの人工歯を白くするには、2つ方法があります。

 

天然の歯をホワイトニングしてから、人工歯の被せなおしや詰めなおしをする

一度詰めたり、被せたりした人工歯は元の色以上に白くできないので、天然の歯をホワイトニングしてから、歯の色に合わせて新しく被せ物や詰め物の再治療をします。

その際に使用する詰め物や被せものは、変色しにくいオールセラミックやジルコニアの素材を選択するのが望ましいです。しかし、保険が適用しない自由診療となるので費用が高額になります。

 

人工歯に合わせてホワイトニングをする

人工歯が天然の歯よりも白い場合は、人工歯に合わせてホワイトニングすることもありますが、天然の歯と人工歯の調和をとることが困難になります。

通常は、天然の歯をホワイトニングしてから人工歯の色を合わせることが多く、後戻りしても、再度天然の歯をホワイトニングすることで、調和のとれた仕上がりになります。

被せ物の治療中でホワイトニングを希望する方は、事前に歯科医師に相談することをおすすめしています。

 

まとめ

セラミックなどの人工歯は、ホワイトニングで白できません。人工歯の詰め物や被せ物をしている方は、歯科医院で天然の歯をホワイトニングしてから、人工歯の詰め替えや被せなおしが必要になります。

再度治療をしたくない場合は、歯科医院でのクリーニングやセルフホワイトニングで歯の表面の着色を除去して、元の白さに戻せます。その際も歯科医院に受診していただき、お口の状態を確認したうえでクリーニングを受けることをおすすめします。

投稿者: 西本歯科医院