2022.02.10更新

「以前、費用をかけてセラミック治療を行ったのに、セラミックを入れた歯の根元が黒ずんでしまい気になる」と相談に来る患者様がいらっしゃいます。自然で美しい白い歯にするためにセラミック治療を選択したのにもかかわらず、歯の根元が黒ずんでしまっては本末転倒です。なぜこのようなことが起こってしまうのでしょうか。
セラミックを入れた歯の根元が黒ずんでしまう原因や治し方について解説します。

 

セラミック治療とは

セラミック治療とは、審美性の高い歯を手に入れるために行う治療です。審美性に優れたセラミックを被せ物(クラウン)や詰め物(インレー)に使用することにより、天然歯と同じ色合いのきれいな歯並びにすることが可能となります。

 

セラミックを入れた歯の根元が黒ずむ原因

セラミックなどの被せ物をした場合に、歯の根元(歯と歯ぐきの間)が黒ずんで黒いラインができてしまうことがあります。この黒いラインを「ブラックマージン」と呼びます。

ブラックマージンには、いくつかの原因が考えられます。大きく分けると、セラミックを被せた歯自体が変色してしまう場合と、金属の使用が原因である場合があります。

ここでは、セラミックを入れた歯の根元が黒ずむ原因について考察していきましょう。

 

原因その1「セラミックを被せた歯自体が変色してしまう場合」

セラミック治療する際に、セラミックを被せる歯の神経(歯髄)を取り除くケースがあります。歯の神経(歯髄)を取り除くことは、セラミックを被せる上で絶対に必要だというわけではありません。

しかし、著しい虫歯などやむを得ない事情で歯髄を除去したケースでは、セラミックを被せた後に、被せ物をした歯自体が、時間の経過によって茶褐色に変色してしまうことがあります。

さらに歯肉が痩せてしまいセラミックを被せた歯の変色が見えてしまうことが原因の1つとして考えられます。

 

原因その2「金属の使用が原因である場合」

セラミックを被せる際に、神経のない歯の補強として金属(メタルコア)を使用することがあります。被せ物の内側に金属を使用している場合に、この金属が露出、腐食、さびが生じるなどしてブラックマージンの原因になることがあります。

その他にも、金属フレームにセラミックを焼き付けたメタルボンドの光の透過性が失われ、歯の根元が暗く見えるケースや、土台部分に使用された金属成分が経年変化でイオン化して歯ぐきに溶け出し、歯肉を黒くしてしまうケースなどもあるでしょう。

 

セラミックを入れた歯の根元の黒ずみの治し方

ブラックマージンの治療の方法は、ブラックマージンの原因によって異なります。ここでは、原因別のブラックマージンの治療方法について解説します。

 

セラミックを被せた歯自体が変色してしまう場合の治療法

セラミックを被せた歯自体が変色してしまっている場合には、その上から金属をまったく使用していないオールセラミッククラウンを被せたとしても、歯肉から歯根の変色が透過してしまうため、根本の解決にはなりません。
この場合には、変色した歯根を漂白した後、同色のファイバーコアを接着してからオールセラミッククラウンなどを装着する治療をすることで、審美性の高い自然な美しい歯にすることができます。

 

金属の使用が原因である場合の治療法

金属の使用が原因である場合には、金属を使用しない方法で治療する必要があります。このように健康保険で使用する金属(卑金属)の素材を使用しない治療を「メタルフリー治療」と呼びます。

メタルフリー治療の事例としては、以下のようなものがあります。

素材特徴
オールセラミッククラウン 審美性に優れ、変色せず汚れがつきづらい
e-maxクラウン 最先端セラミックで、透明感があり、強い強度と耐久性を持つ
ジルコニアクラウン 審美性に優れ、強度が強く、奥歯にも使用可能
セラミックインレー 審美性に優れ、変色せず汚れがつきづらい

 

セラミックを入れた歯の根元の黒ずみの治し方のポイント

最後に、ブラックマージンの治療のポイントを解説します。

 

しっかりとした原因究明と適切な治療

治療法も原因によって変わってくるので、しっかりとした原因を究明すること、原因に合わせた適切な治療をすることが大切です。

セラミックなどの人工歯をホワイトニングすることはできませんので、ブラックマージンの治療には、被せ物や詰め物の(場合によってはメタルフリーの)再治療が必要となります。

 

自然な仕上がり

ブラックマージンの治療で重要なことは、周囲の歯と同じ色にする自然な仕上がりにすることが重要です。

そのためには、再治療の際に、透明感や色合い、歯並びなどを担当歯科医とよく相談することも大切でしょう。

 

まとめ

セラミックを入れた歯の根元が黒ずんでしまった場合には、しっかりとした原因究明とそれに適合した治療が必要になります。審美歯科治療は、担当歯科医の技術によって審美性に差が出てしまいます。きちんと対応できる審美歯科を受診することをおすすめします。

投稿者: 西本歯科医院

2022.01.24更新

以前審美歯科で治療した差し歯の変色が気になる…差し歯の選び方について

以前、審美歯科で治療した差し歯の変色が気になるという方は、治療が終わって年月が経つうちに増えていきます。ではなぜ差し歯は変色してしまうのでしょうか?その原因と対策を解説します。あわせて差し歯の選び方もチェックしましょう。

 

審美歯科とは

審美歯科は歯の美しさを重要視する歯科治療の事です。綺麗な歯並びを目指す歯列矯正だけでなく、差し歯やホワイトニングも審美歯科の対象です。審美歯科は保険適用がないものが多く、治療費が高額となってしまいますが、コンプレックスをなくしたいなどの理由で治療を求める方も多くいます。

 

差し歯の変色はなぜ起こる?原因と対策

では、せっかく審美歯科できれいに直した差し歯でも、年月が経つと変色しまうのでしょうか?その原因と対策を解説します。

 

歯の変色が起こる原因

最初に普通の歯の変色原因を見ていきます。歯の色にはもともと生まれつきの個人差があります。葉の色というのはエナメル質の厚さや象牙質の色の違いに由来します。

ただ、それだけではなく、歯は加齢や薬などの影響で変色していくことも考えられます。歯科治療で歯髄を取った場合は、歯が死んでしまった状態になるのでこれも変色の原因になるでしょう。しかし一番多い変色理由は歯の表面汚れです。飲料やたばこなどが原因となっているケースがとても多いのです。

 

差し歯の変色が起こる原因

では、差し歯の場合は堂でしょうか?差し歯は、加齢や薬の影響、また歯科治療のせいで変色するということはありません。ほとんどのケースでは歯の表面の着色汚れが変色の原因です。

しかし場合によっては差し歯の素材が原因となっているものもあります。差し歯が黄ばんでしまうのは素材がレジンの場合なのです。レジンは吸水性があり、着色した飲み物を吸収してしまうのです。わざわざ、審美歯科できれいな差し歯にしたとしても、素材がレジンの場合は黄ばんでしまい、しかもこの黄ばみは一度ついてしまうと、落とせないものなのです。

また、加齢とともに歯茎が下がったことにより、差し歯の根元金属が黒く目立ってしまうこともありますね。

 

差し歯の変色が起こったときの対策

差し歯の変色原因が着色汚れだった場合は簡単です。普通の歯の汚れを落とすときのように、歯科で歯のクリーニングをしてもらえば良いのです。

しかし問題は素材のせいで変色が起こっていた場合ですね。これ以上着色させたくないというのであれば、食事にまず気を付けましょう。カレー、チョコレート、コーヒー、赤ワイン、コーラ、ウーロン茶、しょうゆ、ソースを摂取する機会を減らします。またたばこも辞めましょう。食後はすぐに口をゆすぐかハミガキをする習慣を付けます。

それでも差し歯の変色が気になる!という場合は、もう一度審美歯科で差し歯を作り直すのがおすすめです。

 

差し歯の選び方をチェック

では、差し歯はどのように選ぶのが良いのでしょうか?差し歯の種類は硬質レジン、硬質レジンジャケット、メタルセラミック、オールセラミック、ジルコニアの5つです。ここからはそれぞれの特徴を紹介します。

 

硬質レジン

硬質レジンは前歯や奥歯に使われます。内側が金属で表面に白のレジン(プラスチック)を張り付けています。強度が高く保険適応なのですが、先ほどお話した通り吸水性があるので変色しやすい素材です。変色が気になって新たに差し歯を作るのであればあまりおすすめできません。

 

硬質レジンジャケット

硬質レジンジャケットは前から4番目や5番目の歯に使われます。すべてがレジン(プラスチック)なので強度もそれほど高くなく、保険適用で3千円~5千円程の価格になります。こちらも審美歯科の観点から見るとおすすめできません。

 

メタルセラミック

メタルセラミックは前歯や奥歯に使われます。内側が金属で表面はセラミック(陶器)を張り付けているものです。強度がかなり高く、きれいで自然な色合いを出せます。しかし保険適用外なので、10万円前後の出費を考えておく必要があります。

 

オールセラミック

オールセラミックもメタルセラミックと同様ですが、差し歯全体が透明感のあるセラミックでできているためかなりきれいな歯になります。自分の歯と同じようにしたいという方にはおすすめですが、こちらも保険適用外で10万円前後かかります。

 

ジルコニア

ジルコニアは人工ダイヤモンドとしても用いられる材質で、前歯や奥歯に使われます。強度も申し分なく、かなりきれいな見た目です。こちらも保険適用外なので10万円前後を覚悟しておきましょう。

 

まとめ

以前、審美歯科で治療した差し歯の変色が気になるという場合は差し歯を新たに作るというのがおすすめです。特に、セラミックは審美性や耐久性が高く、自分の歯と調和も取りやすくなっています。ジルコニアも強度や美しさともにセラミックと同等かそれ以上だと言われるので、ジルコニアも検討してみましょう。

新しい差し歯にすることでQOL(生活の質)も上がり、笑顔にも自信が出るようになりますよ。

投稿者: 西本歯科医院

2021.10.26更新

治療前に知っておきたい!審美歯科のメリット・デメリットとは?

「審美歯科(審美歯科治療)」を利用することで、歯の見た目を良くしてコンプレックスを解消することができます。
しかしながら、そのメリットだけでなく、審美歯科にはある程度のデメリットも併存していることを理解しなければなりません。
そこで、審美歯科を利用することのメリット・デメリットについて解説します。

 

審美歯科とは?

「審美歯科」とは、歯の見た目の良さを改善することを主眼に置いた歯科治療を手掛けるところです。
一般的に「歯を歯科医院で治療してもらう」と聞くと「虫歯や歯周病などの病気・トラブルを解消してもらう」というイメージがあると思います。
しかし、世の中には虫歯のように健康を害するようなトラブルではないにしても、歯の見た目の悪さに悩んでいる方も少なくありません。
そんな患者さんの悩みを解消するために、例えば「歯並びを良くする」「歯を白く見せる」といった、見た目の良さを改善することに主眼を置いた治療を提供するのが審美歯科なのです。

 

審美歯科を利用するメリット

審美歯科を利用することで、以下のメリットを享受することができます。

 

歯やその周辺の見た目の悪さを改善できる

審美歯科を利用することの最大のメリットは「歯および口腔内の見た目を改善できる」ことにあります。
一般的に「歯がきれい」「口周りが整っている」ことは、良いイメージに働くことが多いです。
逆に「歯が汚い」など、見た目の悪さは不潔感や不健康感をイメージさせてしまいます。
もちろん、マイナスイメージだけで健康面に問題のないケースも多いのですが、「不潔・不健康だと見られてしまう」ことは、本人にとって大きなプレッシャー・コンプレックスになりかねません。
場合によっては精神疾患の原因になるケースも珍しくなく、そうでなくても日常生活において何らかのマイナスの影響を受けてしまうことは十分に考えられます。
審美歯科は、歯や口腔内の見た目の良さを改善することを目的とする治療を行うため、こうしたトラブルを解消し、コンプレックスを解消することにつながるのです。

 

歯の状態をチェックしてもらうことで歯のトラブルを早期解決できる

審美歯科を利用することにより、歯の健康面でのメリットも存在します。
審美歯科は定期的に通院するケースも多く、その際に歯の状態をチェックします。
これにより、虫歯や歯周病などの口腔内トラブルの存在を早期に発見できる可能性が高いのです。
口腔内トラブルに限った話ではありませんが、病気の治療というものは「早期発見・早期治療」が極めて重要であり、例えば虫歯治療であれば早期治療できれば軽度の治療内容で済みます。
病気が進行する前にその存在を確認し、治療を開始することができるため、健康的な歯を残すことに直結するのです。
ただし、虫歯などの病気が見つかった場合、審美治療と並行することは難しいため、病気の治療を優先することが多い点には注意しましょう。

 

審美歯科を利用するデメリット

審美歯科を利用することには、上記のようなメリットだけでなく、以下のようなデメリットも存在する点に注意が必要です。

 

治療費に健康保険が適用されない

審美歯科の治療内容の多くは「自費診療」つまり「健康保険が適用されない」可能性が高い点が大きなデメリットだといえます。
健康保険により医療費の自己負担率が軽減されるのは、簡単に言えば「病気の治療が目的で、最先端の医療ではない」ことが条件となります。
審美歯科の場合「病気の治療」には該当しないため、その治療内容の多くは保険が適用されず、100%自己負担で治療を受けなければならないのです。

 

通院が長引くケースも多い

審美歯科の中には「通院が長引く可能性がある」という治療内容が含まれています。
一度の施術では十分な審美効果を得られない、あるいは施術効果が時間の経過とともに低下してしまうような場合、何度か審美歯科を利用しなければなりません。
前述の通り審美歯科は自己診療になりますし、治療を受ける歯科医院の場所によっては通院の負担も決して小さなものではないでしょう。

 

機能面や健康面を考慮しないケースもある

審美歯科の治療内容は、場合によっては「機能面・健康面を考慮しない」という可能性があります。
例えば「セラミックの被せ物で歯をきれいに見せる」という治療内容がありますが、これは健康な歯を削ってその部分に被せ物をしますので、歯の寿命を縮めることになるのです。
もちろん、機能面や健康面を考慮して治療方針を決定する審美歯科も少なくありませんので、最初のカウンセリング時にその点を確認しておきましょう。

 

まとめ:メリットとデメリット両方を理解して審美歯科を使用しよう

審美歯科にはメリットもありますが、人によっては無視できないレベルのデメリットもあるかもしれない点に注意が必要です。
わからないことがあれば、本格的に治療を開始する前の段階でスタッフに確認しておき、不安を払しょくした状態で審美歯科を利用してください。

投稿者: 西本歯科医院

2021.09.15更新

妊娠中でもセラミック治療は受けられるのか?

「妊娠中」という状態は、さまざまな医療行為等に制限がかかります。歯の治療も無関係ではなく、例えば「妊娠中は歯のセラミック治療を受けられるのだろうか?」という疑問をお持ちの方もおられるでしょう。妊娠中でもセラミック治療を受けられるのかどうかについて解説します。

 

妊娠中に「歯の治療」は可能なのか?

基本的な部分として「妊娠中に歯の治療を受けることは可能なのか?」という点について解説します。

 

妊娠中でも受けられる歯科治療は多い

妊娠中に歯科治療を受けられるかどうかについては、治療内容次第ではありますが、妊娠中に施術できる歯科治療は多いです。不安な場合は担当医としっかり話し合って、安全性を確認したうえで治療を受けると精神的な負担を軽減して治療に臨めるでしょう。

 

妊娠中に歯の治療を受けるメリット

「わざわざ妊娠中というタイミングに歯の治療を受けなくても…」と思われるかもしれませんが、実は「妊娠中だからこそ歯の治療は重要である」と考えることができます。

第一に、妊娠中の口腔内の状態を歯科医師がチェックできるという点が挙げられます。妊娠中は体中にさまざまな変化が及びますが、実は妊娠中は口腔内の状態が悪化しやすいのです。そのため、妊娠中に歯科治療を受けることによって口腔内の状態を良好に保つことができます。妊婦さんの歯周病は早産などの出産に悪影響が及ぶ可能性があるという報告もあるため、むしろ安全な出産のための妊娠中の歯科治療はおすすめなのです。

第二に、産後は歯科治療の余裕がない可能性があるという点が挙げられます。出産後は母体の健康状態が不安定ですし、子育てに時間を割かれてしまうでしょう。妊娠中と比較して妊婦さんの行動の自由度が制限されがちなので、まだ比較的自由に行動できる余地がある妊娠中に歯科治療を受けておくことにメリットがあります。

 

妊娠中の「どのタイミング」であれば歯科治療を受けられる?

妊娠中の中でも、いわゆる「妊娠中期」と呼ばれるタイミングが、歯科治療を受けるのに適したタイミングであるといえます。

妊娠中は、

・妊娠初期
・妊娠中期
・妊娠後期

に分けられますが、「妊娠初期」と「妊娠後期」は、あまり歯科治療を受けるタイミングとしてはおすすめできません。

妊娠初期の場合、治療内容によっては赤ちゃんに悪影響が及ぶ可能性があります。そのため、歯科治療も比較的胎児への影響が少ない応急処置に留めておき、必要な治療は母子ともに安定する妊娠中期に先延ばしすることが多いです。

一方で妊娠後期の場合は、出産のタイミングが迫っている点がネックです。歯科治療の多くは継続的な通院が必要であり、出産を迎えるとなかなか通院できなくなるため、このタイミングでは本格的な歯科治療をすることはありません。また、妊婦さんのお腹が大きくなっていることなどから、長時間おなじ姿勢で治療を受けることに耐えられない可能性がある点もネックになります。

以上の観点から、歯科治療は「妊娠中期」に受けることをおすすめします。

 

妊娠中にセラミック治療を受けるメリット

妊娠中にセラミック治療を受けることにより、妊婦さんは歯の見た目に対してコンプレックスを抱くリスクが抑えられます。妊娠中というデリケートな時期に、精神的な負担を増やすコンプレックスを1つ無くすことができる点は決して無視できないメリットでしょう。

セラミック治療は、虫歯や歯科治療で欠損した歯の部分を補う治療法です。詰め物や被せ物を利用する治療法の中で、その素材としてセラミックを利用することには、審美面での大きなメリットがあります。

セラミックは、詰め物などに使われる素材の中でも比較的「天然の歯に近い見た目をしている」という特徴があります。天然歯に近い見た目にすることで、歯の欠損が目立たなくなり、他人に見られるかもしれないという不安やコンプレックスを抱くリスクを抑えられるのです。

 

妊娠中の歯科治療の注意点

セラミック治療のように、歯科治療の中には妊娠中期であれば問題なく施術できるものがあります。一方で、以下のような治療法は問題があったり、妊婦さんにとって不安材料になりかねないため、治療法ごとの安全性等について解説します。

 

薬の影響

妊娠中は、できるだけ「薬」を服用することは避けるべきだとされています。もちろん、母体の健康状態等を考慮して、胎児への影響が小さい薬を使用することもありますが、その点は担当医としっかり話し合っておきましょう。

 

レントゲンの影響

歯科治療での「レントゲン」の使用ですが、基本的に問題はありません。歯科治療でのレントゲンは顔のあたりだけ撮影するため、お腹には影響しませんし、万が一に備えて防護用エプロン等でガードします。

 

麻酔治療の影響

歯科治療での「麻酔の使用」も、基本的に問題はありません。治療時の痛み等でストレスを感じるリスクを抑えられます。ただし、逆に「赤ちゃんに影響するかも」と考えてストレスに感じる方もおられますし、過去に麻酔でトラブルが発生したことがある場合は特に担当医との相談が重要です。

 

神経治療の影響

歯科治療での「神経治療」を伴う治療については、少し問題があります。神経治療を伴う場合は、治療全体が長期にわたる可能性があり、治療スケジュールが妊娠後期に差し掛かってしまう可能性があるのです。

 

まとめ

妊娠中でもセラミック治療を受けることは可能です。ただし、安全性について理解しても「ひょっとしたら…」と不安になってしまい、ストレスを感じてしまうリスクはゼロではありません。妊娠中の歯科治療については担当医としっかり話し合い、納得したうえで治療を受けることをおすすめします。

投稿者: 西本歯科医院

2021.08.25更新

審美歯科の内容とは?主な治療法と効果をご紹介!

多くの方は「歯科医院」と聞くと「虫歯などの歯の病気を治す場所」というイメージがあります。しかし、世の中にはそれに限らない歯科治療を提供する「審美歯科」と呼ばれる診療科目があるのです。審美歯科とはどのような診療科目なのか、主な治療法やその効果について解説します。

 

審美歯科とは?

「審美歯科」とは、歯や口内、口元の「機能的な治療」にプラスして「見た目の良さを改善するための治療」も行う歯科治療を提供するものです。

一般的な「歯科治療」とは、虫歯や歯周病のような、歯の機能的な状態を悪化させる病気・症状の治療を行い、歯や口の機能を正常な状態に戻す治療のことをイメージする方が多いでしょう。この治療には、美しい歯並びや歯の白さなど、見た目の良さについては触れないことが多いです。

歯の見た目は、時にコンプレックスなどの原因にもなりかねず、それを解消するためには歯や口元の美しさを取り戻す治療が必要になります。審美歯科は、そんな歯の見た目の美しさを取り戻すための治療を提供するものなのです。

 

審美歯科の治療内容

審美歯科では、以下のような治療内容を提供することが多いです。

 

ホワイトニング

「ホワイトニング」とは、専用の薬剤を使用して歯を白く見せる治療のことです。

専用の薬剤をマウスピースに塗布し、それを装着することで薬剤が歯に浸透し、歯が白くなります。「白い歯」は清潔や健康の象徴であり、歯が黄ばんでしまうと見た目が悪くなってしまいます。

歯科医院での施術が中心となる「オフィスホワイトニング」と、歯科医院では最小限の施術だけ行いメインの作業は自宅などプライベートで行う「ホームホワイトニング」があります。それぞれにメリット・デメリットが異なりますので、ニーズに応じて治療法を選択あるいは併用してください。

 

クラウン

「クラウン」とは、歯の治療のために削った歯の上にかぶせるものです。審美歯科では、自然な白い歯の見た目に近い「セラミッククラウン」と呼ばれるかぶせ物を使用することが多く見られます。

一般的な虫歯治療等で使用されるかぶせ物や詰め物は「銀製」や「レジン製」であり、見た目の点においてデメリットを感じる方が多いです。一方でセラミック製のかぶせ物は自然歯に近い見た目であり、高い審美性を発揮することができます。また、金属製のかぶせ物に対して「金属アレルギーが起こらない」という点など、機能的なメリットもあります。

 

ラミネートベニア

「ラミネートベニア」は、歯の表面を削って「つけ爪」の要領でセラミック製のかぶせ物を表面に貼り付けるものです。セラミッククラウン同様に、高い審美性を持ちます。

クラウンやラミネートベニアを利用することのメリットの1つとして「迅速に歯をきれいに見せることができる」という点が挙げられます。同じく歯の美しさを取り戻す審美治療に「ホワイトニング」がありますが、方法の違いで差はありますが少なからず時間がかかります。

ラミネートベニアはつけ爪のように速やかに見た目を変化させることができる審美治療です。そのため「明日のイベントに間に合わせたい」「すぐにでも見た目のコンプレックスを解消したい」といったニーズに対して高い利便性を発揮できます。また、軽度の歯並びを調整する際にも、ラミネートベニアを使用することがあります。

 

歯のクリーニング

「歯のクリーニング」とは、歯の表面に付着している汚れや歯垢、歯石などの異物を取り除くことです。

基本的に、歯の汚れは日常的な「歯磨き」によって解消できます。しかし、歯に付着した歯垢は次第に硬質化し、歯石になると一般的な歯磨きでは取り除くことができなくなってしまいます。見た目が悪くなるだけでなく、虫歯菌の住処となるため、虫歯などの歯の病気の原因にもなるのです。

クリーニングでは、専用の器具を使用することで、一般的な歯磨きでは落とせなくなってしまった異物を取り除きます。定期的に歯のクリーニングを利用することにより、歯の美しさを維持できるだけでなく、歯の病気を予防するための「予防歯科」としての側面も発揮できるのです。

 

一般治療との費用面での違い

審美歯科は、一般的な歯科治療と「費用」の点においても大きな違いがあります。その理由は「審美歯科=その多くが自由診療」であるという点です。

病気の治療である多くの一般歯科治療は、健康保険を適用して治療費の一部だけを負担すれば良い形式です。一方で病気の治療とは言えない審美歯科の場合、その多くが保険が適用されない自由診療であるため、発生した費用は全額自己負担になります。

さらに、自由診療である審美歯科は、治療を提供する歯科医院によって料金設定が大きく異なる点も注意が必要です。審美歯科を利用するにあたっては事前のカウンセリング等で治療内容や治療費について確認しておき、納得できる歯科医院で治療を受けてください。

 

まとめ

審美歯科は、コンプレックスにもなり得る「歯の見た目・美しさ」を改善するための治療です。自由診療になることが多いですが、歯の見た目に悩んでいる方はその利用を検討してみてはいかがでしょうか。

投稿者: 西本歯科医院

2021.07.12更新

セラミックなどの人工歯もホワイトニングできるのか?

結婚式やイベント、身だしなみとして歯のホワイトニングを希望される方は年々増加しています。しかし、セラミックやインプラント、差し歯といった人工歯はホワイトニングをしても白くなりません。ホワイトニングができない理由と人工歯を白くする方法について解説します。

 

セラミックなどの人工歯はホワイトニングできない

結論から言うと、ホワイトニングができる歯は「天然の歯」のみ。人工歯はホワイトニングができません。また、部分的な詰め物もホワイトニングで白くすることができません。

 

人工歯が黄ばんでしまう理由

セラミックなどの人工歯が黄ばんでしまう理由は、人工歯の素材や飲食物による着色、経年劣化による変色です。

 

人工歯の素材

着色しやすい飲食物の摂取や、素材の経年劣化によって変色します。セラミックの種類には以下のような素材が挙げられます。

・オールセラミック
・ハイブリッドセラミック
・ジルコニア
・メタルボンド

セラミック素材のなかでも、プラスチックが含まれている「ハイブリッドセラミック」は着色しやすく経年劣化で変色する素材です。そのほかのセラミック素材は、経年劣化で変色することがほとんどありませんが、飲食物によって着色がつく可能性があります。

また、保険で使用する素材はプラスチックが含まれているので、ハイブリッドセラミックと同様に着色や変色を引き起こします。

 

着色しやすい飲食物

着色しやすい飲食物を摂取すると天然の歯も人工歯も着色します。着色しやすい飲食物は以下のようなものがあります。

・ソース
・ケチャップ
・コーヒー
・ワイン
・お茶

基本的に着色の濃い飲み物や、着色料が含まれている調味料、カレーやミートソースパスタなど着色の濃い食べ物は、歯が黄ばんでしまう原因となります。

 

人工歯の着色汚れは落とせる

歯科医院でのホワイトニングでは人工歯を白くできませんが、歯科医院でのクリーニングや、エステサロンで行われているセルフホワイトニングで「表面の着色を落とす」ことができます。

 

歯科医院でのクリーニング

特殊な機械を使用して行うクリーニング(PMTC)は、歯全体の歯垢・歯石を除去しながら、歯の着色汚れを落とすことができます。なかでもエアフローと呼ばれている粒子の非常に細かいパウダーを吹き付けて汚れを落とす施術は、人工歯の表面の着色をキレイに落セます。

PMTCは基本的に自由診療となり、相場は45分5,000円ほど。まずは歯科医院のクリーニングで着色を落としてから、人工歯を白くやり替えるか検討するのもよいでしょう。

 

セルフホワイトニング

セルフホワイトニングは歯の表面の着色を落とせるので、人工歯を元の白さにすることができます。歯科医院ではなく、エステサロンやセルフホワイトニングサロンで行う施術や、自宅で行うホワイトニングのことを指しています。

セルフホワイトニングで使用される薬剤の成分は、重曹、ポリリン酸、炭酸カルシウムが用いられており、これらの成分はLEDなどの光を当てて、「着色を分解して落とす」作用があります。

反対に、天然の歯を白くしたい方は、セルフホワイトニングはおすすめしません。歯科医院のホワイトニングは「歯を漂白して白く」するのに対して、セルフホワイトニングは「歯の表面の着色を落とす」ので、歯を白くすることができないからです。

 

セラミックなどの人工歯を白くするには?

セラミックなどの人工歯を白くするには、2つ方法があります。

 

天然の歯をホワイトニングしてから、人工歯の被せなおしや詰めなおしをする

一度詰めたり、被せたりした人工歯は元の色以上に白くできないので、天然の歯をホワイトニングしてから、歯の色に合わせて新しく被せ物や詰め物の再治療をします。

その際に使用する詰め物や被せものは、変色しにくいオールセラミックやジルコニアの素材を選択するのが望ましいです。しかし、保険が適用しない自由診療となるので費用が高額になります。

 

人工歯に合わせてホワイトニングをする

人工歯が天然の歯よりも白い場合は、人工歯に合わせてホワイトニングすることもありますが、天然の歯と人工歯の調和をとることが困難になります。

通常は、天然の歯をホワイトニングしてから人工歯の色を合わせることが多く、後戻りしても、再度天然の歯をホワイトニングすることで、調和のとれた仕上がりになります。

被せ物の治療中でホワイトニングを希望する方は、事前に歯科医師に相談することをおすすめしています。

 

まとめ

セラミックなどの人工歯は、ホワイトニングで白できません。人工歯の詰め物や被せ物をしている方は、歯科医院で天然の歯をホワイトニングしてから、人工歯の詰め替えや被せなおしが必要になります。

再度治療をしたくない場合は、歯科医院でのクリーニングやセルフホワイトニングで歯の表面の着色を除去して、元の白さに戻せます。その際も歯科医院に受診していただき、お口の状態を確認したうえでクリーニングを受けることをおすすめします。

投稿者: 西本歯科医院

2021.06.28更新

審美歯科でキレイにした歯には寿命がある?長持ちさせるポイント3つ

審美歯科では詰め物や被せ物で白い歯にする場合や、セラミック矯正やラミネートベニアといった歯を美しくする治療方法があります。どの治療にもセラミックが使用されることが多く、セラミックの寿命が気になる方も多いのではないでしょうか?

セラミック自体は寿命が長く、10~20年もつといわれています。しかし、メンテナンスを怠ってしまうと、寿命が縮む可能性があります。そこで、審美歯科でキレイにした歯を長持ちさせるポイントを3つ紹介します。

 

審美歯科で使用する素材と寿命

審美歯科で使用する素材は丈夫で審美性の高い、セラミックを用いることが多いです。ひとことでセラミックといっても種類があります。セラミックの種類は以下のとおりです。

 

オールセラミック

全てセラミックで作られており、詰め物や被せ物といった歯を補う治療で使用します。セラミックは陶器と同じ素材を使用しており、強度が高く色調の再現が自由で、自然の歯と同じような透明感を出せるのが特徴です。

変色や変形しないことからセラミック自体の寿命は長く、オールセラミックの寿命は10~20年もちます。

 

ジルコニア

人工ダイヤモンドで知られるジルコニアですが、歯科治療の被せ物でも使用します。ジルコニアは非常に強度が強い素材で、噛み合わせが強い奥歯などに入れることが多いです。

ジルコニアのフレームにセラミックを重ねたものや、全てジルコニアで作られたものがあります。審美性はオールセラミックよりも劣りますが、審美歯科では一般的に使用される素材です。

ジルコニアは非常に強い強度があることから、寿命も長く、10~20年と長持ちします。また、セラミックを使用しているため、変色することがありません。

 

ハイブリッドセラミック

プラスチックにセラミックを混ぜた素材です。ハイブリッドセラミックの寿命は7~8年が目安です。

オールセラミックやジルコニアと比較すると強度が弱いですが、安価で白い詰め物や被せ物を入れることができます。プラスチックを使用しているため、傷がつきやすく長期間使用すると変色しやすい傾向があります。

保険診療で使用される白い被せ物(CAD/CAM冠)にもハイブリッドセラミックが使用されています。

 

メタルボンド

金属のフレームにセラミックを焼き付けた物がメタルボンドです。メタルボンドの寿命は、8年が目安です。

主に被せ物に用いられます。昔ながらの審美治療で、現在でも噛み合わせの強い奥歯に使用されることがあります。

しかし、金属を使用していることから金属アレルギーを引き起こす可能性があり、金属と同等の強度があるジルコニアの被せ物を選択する方が増えています。

 

審美歯科でキレイにした歯を長持ちさせる3つのポイント

オールセラミックやジルコニアは保険が適用しないため、高額な治療になります。素材自体は長くもちますが、メンテナンスを怠ってしまうと寿命を減らしてしまう可能性があります。

 

セルフケアとプロのメンテナンスを受ける

セラミックは表面がツルツルしており、汚れが付きにくく、むし歯や歯周病のリスクが少ないといわれています。しかし、詰め物や被せ物をした歯は、むし歯が原因で治療を受けているので、セラミックにしたから安心という訳ではありません。

ご自身での歯磨きはもちろん、歯間ブラシやフロスを併用してしっかり汚れを落とす必要があります。また、年に数回歯科医院でプロによるメンテナンスを受けることで、磨きにくい歯とセラミックの間の汚れの除去ができます。セルフケアと定期的なメンテナンスを受けることで寿命を延ばすことができます。

 

ナイトガードを使う

オールセラミックやハイブリッドセラミックを入れた際は、就寝時に装着するナイトガードを使うのも長持ちさせるポイントの一つ。

セラミックは陶器と同じ素材を使用しているので、衝撃によって割れたりすることがあります。そのため、歯ぎしりや食いしばりをしている方は就寝時に衝撃を和らげるナイトガードの装着をすることが望ましいです。

セラミックは割れてしまったら、基本的に再治療となります。ほとんどの方は歯ぎしりや食いしばりの自覚症状がありません。セラミックを長くもたせるためにもナイトガードはおすすめです。

 

腕のいい歯科医師のもとで治療を受ける

治療を受ける前になりますが、審美治療は歯科医師の技術が寿命に影響を与えます。正しい噛み合わせの調整や、歯と詰め物や被せ物の境目の仕上げなど歯科医師の腕に左右します。

被せ物の場合は、歯の根っこの治療を行うことが多く、しっかり治療を行っていなければ歯の根っこが再感染してしまうことがあります。その場合は、被せたセラミックを壊して再治療をしなければなりません。

審美歯科でも噛み合わせに力をいれている歯科医院や、根っこの治療のときに唾液が入らないようにゴムを被せる歯科医院で治療を受けるようにしましょう。

 

まとめ

審美歯科で使用される素材は審美性と強度に優れたセラミックを使用することが多いです。セラミックはむし歯や歯周病になりにくい素材ですが、メンテナンスを怠ってしまうと寿命を短くしてしまいます。

長持ちさせるには、歯磨きのときに歯間ブラシやフロスを併用したり、定期的なメンテナンスを必ず受けるようにしましょう。また、セラミックに力の負担がかからないように就寝時にナイトガードを使うのもおすすめです。

セラミックは、歯科医師の技術に左右される治療です。歯科医医院選びは慎重に行って最適な治療を受けましょう。

投稿者: 西本歯科医院

2021.05.28更新

セラミックと銀歯の違いは?前歯や奥歯など部位ごとのおすすめをご紹介

むし歯が進行して歯を大きく削って修復する必要がある場合、詰め物では強度が足りないため部分的な被せ物や、歯全体を被せる必要があります。

治療の際に「銀歯」か「セラミック」の選択肢を迫られて、すぐに決めることは困難ではないでしょうか?そこで、セラミックと銀歯の違いを解説します。

 

セラミックとは

セラミックは陶器のことを言います。むし歯が進行して大きく削った際に、人工的に補う素材の一つです。歯科用で使用されるセラミックは、強度が強く審美性に優れています。

 

セラミックの種類

セラミックは歯科医院によって種類が異なりますが、ここでは代表的な種類を紹介します。

 

オールセラミック

全てセラミックのみを使用した素材です。白く透明感があり、審美性に優れています。天然の歯と同じ色を出すことができます。

 

ハイブリッドセラミック

セラミックとプラスチックが混合している素材です。オールセラミックやジルコニアと比べると強度が落ちますが、費用が抑えられます。

 

ジルコニア

人工ダイヤモンドと呼ばれており、強度が非常に強い素材です。審美性はオールセラミックよりもやや劣りますが、奥歯にも使える素材です。

 

e-max

ガラスセラミックと呼ばれる新しい素材です。強度が強いにもかかわらず、摩耗性がある素材です。そのため噛み合わせに対する歯を痛めることがありません。

 

セラミックと銀歯の違い

セラミックと銀歯は色の違いだけではありません。以下の5つの違いがあります。

 

見た目

セラミックは天然の歯と色が馴染みやすく、目立たないのが特徴です。セラミックの素材によって透明度が高いものも製作できるので、審美性に優れています。

一方銀歯は口の中に入ると、非常に目立つため審美性はありません。

 

生体親和性

銀歯に含まれているパラジウムは、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。口の中に金属が入ると、金属イオンが溶け出します。金属イオンは体内に蓄積する性質を持っており、今までアレルギーを起こしたことがなくても、急にアレルギーの症状が発生する可能性があります。

セラミックは生体親和性に非常に優れており、アレルギーの心配はありません。

 

むし歯のリスク

セラミックは表面がツルツルしているので、歯垢がつきにくい特徴を持っています。銀歯は表面に傷がつきやすく、歯垢が溜まりやすいため、むし歯や歯周病といったリスクが高くなります。

またセラミックは歯を削った型にぴったり合うように製作ができますが、銀歯は素材の性質上ぴったり合うように作れません。そのため接着剤で隙間を埋めます。接着剤は月日が経つと劣化し、歯と銀歯の間に隙間ができ、その隙間に汚れが入り込んでむし歯になる可能性があります。

 

費用

銀歯は保険が適用されるため費用を抑えることができます。一方セラミックは自費診療のため費用は高くなります。

またセラミックの種類によって金額が異なります。

 

軽さ

金属でできている銀歯は重く、歯に負担がかかります。セラミックは軽い素材なので、歯に負担をかけず修復が可能です。

 

部位ごとのおすすめ

セラミックを選択する際は、部位によって最適な素材が異なります。

前歯

見た目が重視される前歯はオールセラミックがおすすめです。オールセラミックは天然の歯と同じような色と透明感のある歯の再現ができます。また劣化もせず歯肉との境目が美しく仕上がります。

保険治療の場合は「硬質レジン前装冠」で白い歯になりますが、表面はプラスチックによって色を再現します。そのため透明感がなく、長期間使用すると劣化するといったデメリットがあります。

また前から4・5番目の歯は保険が適用されるCAD/CAM冠で修復ができます。セラミックよりも強度が劣りますが、保険が適用されるためほとんどの方がCAD/CAM冠を選択します。

 

奥歯

奥歯は強度が高いジルコニアか、e-maxがおすすめです。奥歯はほかの歯よりも噛む力が強くなります。そのため奥歯の素材の強度が重要になります。

ただしジルコニアのように硬さがある素材は、かみ合う歯がすり減ってしまう可能性があります。そのためジルコニアはかみ合わせの調整が重要になります。セラミックをご希望される方は、経験を積んだ歯科医師のもとで治療を受けることをおすすめします。

 

噛み合わせに合わせて選択する

セラミックは費用が高ければ良いものではなく、噛み合わせに合わせて種類の選択をすることが大切です。そのためセラミック治療は歯科医師の十分な知識と技術が必要とされます。

 

まとめ

セラミックと銀歯は審美性の違いだけではありません。セラミックはむし歯になりにくい特徴を持っていますが、噛み合わせの力が強いと割れてしまうリスクがあります。そのため、歯ぎしりや食いしばりなどしている方や、かみ合わせが強い方にはあえて銀歯をすすめることがあります。

セラミックと銀歯で迷われている方は、歯科医師とよく相談し、納得したうえで選択をしましょう。

投稿者: 西本歯科医院

2021.04.23更新

セラミックはプラークや着色が付きにくい素材です。保険の被せ物、詰め物よりもメリットが多いことからセラミックを選ぶ方も多いはず。

保険が適応されない治療のため、大切にしたいもの。ここではセラミックの歯を磨いてもいいのか?注意点やおすすめのメンテナンス方法を紹介します。

 

セラミックは日頃の歯ブラシが大切

汚れが付きにくい素材として知られているセラミックですが、美しく保つためには日頃の歯ブラシが非常に大切です。

歯ブラシを怠ってしまうとセラミックの詰め物や被せ物の間に汚れが溜まってしまい、虫歯の原因となります。セラミックを入れたから安心ではなく、虫歯にならないようにセルフケアとメンテナンスをしっかり行いましょう。

 

セラミックは優しく歯磨きを行う

セラミックは柔らかい歯ブラシを使用し、歯と被せ物の境目を優しく磨きます。硬い歯ブラシで力を入れて磨いてしまうと、歯や歯肉を痛める原因となります。

 

歯磨きのコツ

・ペンを持つときの持ち方にする
・力を入れずに、小刻みに動かす

力が入りすぎてしまうと、歯や歯肉を傷つけてしまいます。ペンを持つときの持ち方にすることで力の加減が可能で、コントロールしやすくなります。

歯ブラシを動かす幅は小刻みに動かします。幅を小さく動かすことによって歯と歯肉の境目に歯ブラシが当たり、汚れを落とすことができます。

 

歯ブラシの毛質はやわらかめ〜ふつうを選ぶ

硬めの歯ブラシを使用すると、歯肉を傷つけてしまう恐れがあります。やわらかすぎても汚れが落としにくくなるので、やわらかめ〜ふつうの毛質を選びましょう。

 

ヘッドはコンパクトなものを選ぶ

小さめのヘッドを選ぶことで、小回りが利き、全ての歯を丁寧に磨くことができます。奥まで歯ブラシが届きやすくなることで、磨きにくい奥歯もしっかり磨くことが可能です。

 

フロスやタフトブラシを使うとより効果的

歯ブラシが届きにくい、歯と歯の間と、歯と歯肉のすき間はフロスを使用して汚れを落とします。フロスは糸巻き型とホルダータイプがあり、初めて使用する方はホルダータイプがおすすめです。

タフトブラシは毛束が1つになっているのが特徴の歯ブラシです。奥歯の溝や歯の裏側を磨くのに適しています。ピンポイントで磨くことができるため、セラミックでは歯と歯肉の境目の汚れを落とすのに適しています。

 

フロス、歯ブラシ、ワンタフトブラシの順番がおすすめ

おすすめのセルフケアは

・フロス
・歯ブラシ
・タフトブラシ

の順番がおすすめです。

フロスで歯垢などの汚れを除去した後に、歯ブラシを使用することで効果的に汚れを落とすことができます。最後にワンタフトブラシで歯ブラシが届きにくい、歯肉と被せ物の間を磨きましょう。

 

セラミックは強い力がかからないように注意

セラミックの欠点として、強い力が加わると割れたり、欠けたりする恐れがあります。

・就寝中歯ぎしり、食いしばりをする
・日中に上下の歯が接触している


場合は注意が必要です。

歯ぎしりくいしばりはナイトガードがおすすめ

就寝中に歯ぎしりや食いしばりをする方はセラミックが割れたり、欠けたりする恐れがあり、注意が必要です。

対処方法はナイトガードというマウスピースを就寝中に使用し、歯にかかる負担を軽減します。ナイトガードは保険が適応されるので、セラミックを入れた方はマウスピースを使用することをおすすめします。

 

上下歯列接触癖(TCH)に注意

日中でも歯を無意識に歯を合わせてしまう「上下歯列接触癖(TCH)」もセラミックにとって大敵です。通常、上下の歯が接触している時間は1日に20分と言われています。

上と下の歯にはわずかなすき間を生じていますが、ストレスや緊張が原因で常に接触することを上下歯列接触癖といいます。

上下の歯の接触時間が長くなると以下の問題点が生じます。

・歯に負担がかかり、割れたり欠けたりする
・口が開きにくい、顎の痛みや違和感が出る顎関節症の原因となる
・頭痛や肩こりの原因になる

など問題が生じます。

上下歯列接触癖の対処方は自覚し、接触しないように意識することです。例えば、目につきやすいテレビやトイレで「歯を離す」といった付箋を貼っておくことで意識ができます。

 

セラミックは定期的なメンテナンスが必要

汚れがつきにくい素材でも、歯科医院での定期的なメンテナンスが非常に大切です。メンテナンスでは普段の歯磨きでは落としきれない汚れを、特殊な機械を使ってクリーニングし、セラミックや歯と被せ物の間に異常がないかチェックをします。

定期的なメンテナンスはセラミックを長持ちさせるために必要不可欠です。

 

まとめ

セラミックは歯磨きを怠ってしまうと詰め物、被せ物の間から虫歯になる可能性があります。汚れがつきくい素材ですが、日頃の歯磨きは非常に大切です。

歯ブラシはやわらかめ〜ふつうの歯ブラシを使用し、優しく小刻みに動かすのがポイント。フロスやワンタフトブラシで汚れの除去率を高めることができます。また、歯ぎしりや食いしばり、日中の歯の接触にも気をつけましょう。

セラミックは保険が適応しない高額な治療方法ですが、審美性に優れた素材です。長持ちさせるためには日頃のケアと定期的なメンテナンスを行うことで美しく保つことができます。

投稿者: 西本歯科医院

2021.02.12更新

虫歯がある程度進行した場合や、白くキレイにしたい場合に行われるセラミック治療。保険が適応しないため、失敗したくないと思う方も多いはず。

セラミック治療の成功のカギは「歯医者選び」です。セラミック治療を成功させるための歯医者の選び方をご紹介します。

 

良い歯医者の共通点

セラミック治療に関わらず、良い歯医者には必ず共通点があります。良い歯医者の見分け方として4つのポイントをご紹介します。

 

○丁寧なカウンセリング

良い歯医者には必ず丁寧なカウンセリングがあります。なかには初診時は治療をせず、カウンセリングのみで時間をとっている歯医者もあります。

より良いカウンセリングを行うためには事前に資料採得が必要です。問診・レントゲン写真・虫歯や歯周病のチェック・口腔内写真など治療開始のための資料を採得し、診断をします。

診断結果からカウンセリングを行い、患者さんの希望に合わせ治療計画をし、治療方針に納得したうえで治療を開始します。

 

○診療に時間をかけている

治療が早い=良い歯医者とは言い難いです。なぜなら歯科治療は「正確で精密な処置」が求められるからです。丁寧な治療を行うと時間がかかってしまうもの。良い歯医者は治療時間を30分〜60分以上に設定しています。

 

○院内が清潔で衛生管理がしっかりしている

医療機関として衛生管理の徹底は最低条件です。患者さんごとに歯を削る機械を滅菌しているか、高度な洗浄装置や滅菌器があるかがポイントです。 医療機関として基本的な項目を誠実に徹底している歯医者は、治療も誠実な傾向があります。

 

○スタッフが定着している

スタッフは内部の事情をよくわかっています。院長の人柄がよくなかったり、治療が雑な場合はスタッフが耐えられず離れていきます。 スタッフが定着している歯医者では、スタッフ自身やその家族が勤務先で治療を受けていることが多いです。

 

セラミック治療を成功させる歯医者選びのポイント

ではセラミック治療を成功するための歯医者の選び方のポイントをご紹介していきます。良い歯医者の共通点も踏まえ、セラミック治療を行なっている歯医者を選びましょう。

 

○保険と自費の違いとセラミックの種類について説明をしてくれる

セラミック治療はただ、「銀歯を白くする治療」だけではありません。セラミックを希望したとしても、重度の歯周病を患っている場合は保険の銀歯が第一選択肢になる場合もあります。

セラミックにもフルジルコニア、e-max、CAD/CAMなど豊富に種類があります。

ポイントは患者さんの症例や噛み合わせに合ったセラミックの提案や、保険と自費の違いについて十分な説明をしてくれる歯医者を選びます。

 

○症例数が多い

セラミック治療では高い技術力が必要です。

症例数が多いから良い治療をしていると一概にはいえませんが、1つに基準として症例数が多いほど技術が熟練され、知識も豊富になっていきます。

 

○設備が整っている

1つの指標として設備が整っている歯医者を選ぶのもポイントです。

セラミック治療ではマイクロスコープという歯科用顕微鏡で治療を行う歯医者もあります。マイクロスコープを使用することでより精密にセラミックを入れることが可能です。

 

○使う材料にこだわりがある

精度の高い印象材(型取り)や 型取りの際に、歯肉の周りに圧排糸を使うかによって被せ物の精度が変わります。

セラミックを装着する際は、接着システムや内面の処理剤の選択や扱う技術が必要です。

患者さんにとって見えない所ですが、セラミックを接着した後の予後に大きく関わります。

 

○プロビジョナルレストレーションを入れる

プロビジョナルレストレーションとは最終形態や噛み合わせに反映させる目的のある仮歯です。

仮歯との違いは一時的なものに対し、プロビジョナルレストレーションは最終的な被せ物の形の確認の他に、隣の歯が動かないようにする、歯肉の位置を変えないなどの非常に大切な役割があります。

 

○価格が安すぎない

インターネットや広告で安いセラミック治療を見かけますが、価格が安すぎるセラミック治療を行なっている歯医者には注意が必要です。

セラミック治療が安い理由には、材料費を削っている、歯科技工士が未熟なかわりに低価格で作成を依頼しているなどの安い理由が必ずあります。

セラミック治療には歯科医師、歯科技工士の技術が必要です。安いからといって安易に決めないようにしましょう。

 

○保証制度がある歯医者を選ぶ

保証制度がある歯医者は、セラミック治療に関して自信があるといえます。

不具合があっても定期的にメンテナンスを行なっていれば、数年間は無償で対応する歯医者もあります。

 

まとめ

セラミック治療をする際の歯医者の選び方を解説しました。

歯医者によって治療方針や治療方法が異なります。最善な治療を受けるためには患者さんがホームページなど歯医者の下調べをすることが必要です。

自分が歯医者に求めるポイントを明確にし、担当の歯医医師とよく相談のうえセラミック治療を開始しましょう。



投稿者: 西本歯科医院

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