2023.10.25更新

一般的なイメージとして、「銀歯は安い」「セラミックは見た目が良い」という印象があると思いますので、他人から見えやすい前歯などの治療ではセラミックのメリットが生かされます。
一方で、他人から見られることの少ない奥歯の場合だと、治療費が安く済む銀歯のほうが適していると考える方が少なくありません。
しかし、それだけを見て奥歯の虫歯治療などで銀歯を選択することは危険なのです。
そこで今回は、奥歯の治療で銀歯を選択するべきか、それともセラミックを選択するべきなのかについて解説します。

 

奥歯だと銀歯のほうがメリットが多い?

まずは、奥歯の治療で銀歯を使用することの意味について解説します。

 

銀歯は保険診療が適用できる

銀歯の最大のメリットは「保険診療である」ということ、つまり治療費が3割負担で済むので治療費を安く抑えることができる点にあります。
治療内容にもよりますが、おおむね3000円~4000円で済むことが多いです。
一方でセラミックの場合は保険が適用されないため自由診療となり、歯科医院によって治療費は異なりますが相場としてセラミックの詰め物であれば4万円~8万円ほどかかります。
銀歯とセラミックの違いとして大きいのは「見た目の自然さ」であり、銀歯は名前の通り銀色をしており(純銀製ではなく合金ですが)、セラミックは自然な歯の白さに近い色をしていますので審美性が高いのです。
この審美性はとくに他人から見られやすい前歯の被せ物などに適していますが、奥歯の場合だと他人から見られることはほとんどありません。
そうなると、「安くて見た目の問題が気にならない銀歯」と「治療費が高額で見た目のメリットが生かされないセラミック」という構図になってしまうため、銀歯のほうがメリットが大きく見えてしまうでしょう。

 

銀歯のデメリット

とはいえ、銀歯が持つデメリットは見た目が良くないことだけではありません。
まず、銀歯は金属素材なので「金属アレルギー」のリスクがあるというデメリットがあります。
次に、銀歯の金属成分が溶け出して歯茎が黒ずんでしまうこともあるのです。
また、銀歯は熱や強い力などの影響で変形を起こす可能性があるため、銀歯と歯の間に隙間ができてしまって虫歯の再発リスクが高いという点もデメリットになります。
それに、他人からは見えにくいといっても自分自身は鏡を見ると見えることもありますので、歯の中に銀色の部分があることを強く気にしてしまうこともあるかもしれません。
このように、銀歯を歯科治療に用いることにはさまざまなデメリットがありますので、治療費の問題はありますが必ずしも奥歯の治療に銀歯が最適であるというわけではないということを理解しておきましょう。

 

奥歯の治療とセラミック

上記のように、奥歯の治療に銀歯を利用することにはメリットだけでなく多くのデメリットも存在することがわかります。
では、セラミックとの相性はどうなのでしょうか。

 

虫歯再発のリスクが少ない

セラミックの利点としては、1つ目に「虫歯再発のリスクが少ない」ことが挙げられます。
銀歯の場合、経年による変形によって銀歯と歯との間に隙間ができてしまい、そこから歯垢が入り込むことで虫歯が再発してしまうリスクがあるのです。
一方でセラミックの場合は銀歯ほど変形するリスクが高くなく、歯との間に隙間が生じないことによって虫歯の再発リスクを抑えることができるのです。
再治療となれば再び歯を削る必要も出てきますので、削る歯の量を最小限に抑えることができるという点は大きなメリットになるでしょう。

 

金属アレルギーのリスクがない

2つ目の利点としては「金属アレルギーのリスクがない」ことが挙げられます。
銀歯は合金で金属素材なので、金属アレルギーの症状に苦しめられる可能性があるのです。
一方でセラミックは要するに「陶器」の素材ですから、金属素材ではありません。
金属素材ではないセラミックであれば金属アレルギーの症状の原因になることはありませんし、金属素材の溶け出しによって歯茎が黒ずむなどの症状が出ることもないのです。

 

セラミックのデメリット

こうした利点があるセラミックですが、前述のとおり治療費は銀歯の10倍以上になることも少なくありません。
自由診療なので治療の選択肢が多いのは特徴なのですが、治療費の設定が歯科医院ごとに異なりますので、歯科医院によって治療費が大きく変動する点は理解しておきましょう。
また、変形のリスクこそ少ないセラミックですが、強い力が加わるなどの要因によって割れてしまう可能性があります。
セラミックの詰め物や被せ物が割れてしまったら再治療が必要になりますので、さらに高額な治療費になってしまうリスクがあるのです。
セラミックを選択するうえでは、こうしたリスクも考慮したうえで最終的な決定をしてください。

 

まとめ:銀歯・セラミックそれぞれの利点とリスクを考慮して治療方法を選択しよう

奥歯の治療に銀歯を利用するか、それともセラミックを利用するかは、人によって事情やメリットの感じ方が異なりますので、一概にどちらが正解であるとは言えません。
重要なことはそれぞれの方法のメリット・デメリットをきちんと理解したうえで、どちらのほうがメリットが大きくなるかを判断したうえで治療方法を決めることです。

西本歯科医院の審美歯科(セラミック治療)についてはこちら

 

 

投稿者: 西本歯科医院


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