2021.01.22更新

セラミック治療を行う際に、痛みはあるのでしょうか?
セラミック治療の流れと、歯科治療中に感じる痛みの原因や対処法について解説していきます。

 

セラミック治療の流れ

セラミック治療は、歯の欠損部分をセラミック(陶器)で補う治療法です。セラミッククラウン、セラミックインレーの治療の流れに分けてご紹介していきます。

 

○セラミッククラウン(被せ物)の治療の流れ

セラミックでできたクラウンを被せる治療方法です。虫歯治療・セラミック矯正などの際に行いますが、治療の流れはほとんど同じです。

 

・1,カウンセリング

まずはカウンセリングを行い、患者さまのご要望をお伺いいたします。そしてお口の状況や、かみ合わせなどを検査して治療計画を立て治療スケジュールなどをご案内します。
不明点や不安なことがあれば、カウンセリング時にご相談ください。

 

・2,麻酔をして歯を削る

麻酔をして歯を削っていきます。
当院では歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)や、拡大鏡(テレスコープ)などの最近の機器を導入し患者様の負担を最小限に抑えた治療を行っております。
最新機器で患部を拡大しながら削ることによって、できるだけ天然歯を残した削りすぎない治療が可能となります。

(虫歯が大きいなどの理由で神経を抜く必要がある場合は、神経を抜く治療、薬を充填する治療、土台の作成と合着などの処置が必要となります)

 

・3,仮歯の製作

セラミッククラウンができあがるまでの、仮の歯を作ります。仮歯を参考に歯の形などを検討していきます。

 

・4,型取り

歯型とかみ合わせを取り、歯の形の模型を作ります。正確な歯型を取り模型を作ることによって、最終的なセラミックの精度が高まります。

また、セラミックの色・形・歯並びなどの確認を行います。基本的には患者様の歯の色に合わせて作成いたします。ご自身の歯よりも白い歯を入れたいなどの希望がある場合は、お伝えください。

 

・5,セラミッククラウンの作成

模型を基にして、技工所でセラミッククラウンを製作します。

 

・6,セラミッククラウンの装着

最終確認を行い、セラミッククラウンを歯科用セメントで合着します。

 

○セラミックインレー(詰め物)の治療の流れ

主に、奥歯に部分的な虫歯ができた際に行う治療方法です。保険治療で使われる銀歯やレジンより精密で密着性が高く、二次虫歯になりにくいです。

 

・1,カウンセリング

 

・2,麻酔をして歯を削る

麻酔をして虫歯を取り除きます。必要に応じて神経を保護し形を整えます。

 

・3,型取り

歯型とかみ合わせを取り、それを基に模型を作製します。
歯の色や形などを確認し、インレーが出来上がるまでの仮の材料で蓋をします。

 

・4,セラミックインレーの作成

模型を基にして、技工所でセラミックインレーを作製します。

 

・5,セラミックインレーの装着

出来上がったセラミックインレーをお口の中で最終確認し、必要であれば微調整して歯科用セメントで合着します。

  

治療中の痛みの原因と対処法

歯科治療中に感じる痛みの原因や、その対処法について詳しく解説していきます。

 

○麻酔注射の痛み

歯を削る際には痛みがでないように、まずは麻酔をします。しかし、「麻酔の注射が痛かった!」という経験をしたことがある方は多いもの。しかし、痛くない麻酔もあります。

例えば、針が無い「無針麻酔器」があります。霧状の麻酔薬を噴射することによって麻酔を浸透させる器機です。針を刺すチクッとした痛みがなく、針が無いから怖くもありません。

また針の注射を使用する場合でも、針を刺す歯茎に表面麻酔を塗る、麻酔液を人肌に温める、細い針を使う、電動注射器を使用し痛みを感じにくい注入スピードにコントロールしながらゆっくりと麻酔液を入れる、などの工夫をすることによって痛みが少ない治療が可能となります。

 

○歯を削るときの痛み

麻酔がきちんと効いていれば、歯を削る痛みは感じません。
ただ、麻酔後すぐに治療を始めてしまうとまだ麻酔が効いておらず、痛みを感じることがあります。
麻酔の効き具合は個人差がありますので、痛みがある場合はすぐに歯科医に伝えましょう。

 

○虫歯が酷いと麻酔が効きにくいことも

虫歯が進行し痛みや炎症が激しい場合、麻酔が効きにくくなってしまうことがあります。

定期検診を受け虫歯の早期発見に努めていれば、歯科治療で痛い思いをすることは少ないといえるでしょう。

 

○型取りのときの不快感や吐き気

歯型を取るときに使うトレーが歯茎に当たると、軽い痛みを感じることがあります。患者さまのお口に合ったサイズのトレーを選択したり、調整したりすると痛みが少なくなります。

また、嘔吐反射が強い方は歯型を取るときに吐き気を催したり、不快感があったりすることがあります。嘔吐反射は個人差が大きく、歯型を取るのがまったく平気な方もいれば、歯ブラシやミラーを口に入れただけでオエッとなる方もいらっしゃいます。


歯型をとってもらうときは、なるべくリラックスして鼻でゆっくり息をするようにすると楽になるでしょう。

過去に歯型取りで気持ち悪くなった経験がある方は、事前に歯科医やスタッフにその旨伝えておくとよいです。

椅子を起こしてもらう、印象剤(歯型を取る材料)を硬めにして喉に流れにくくしてもらう、喉に軽く麻酔をしてもらうなどの対応をすることによって、嘔吐反射が起こりにくくなります。

 

○ストレスや不安による痛み

歯科治療に対して不安やストレスを感じていると、痛みを感じやすくなってしまいます。
まずはカウンセリングをしっかりと受け、歯科医院のスタッフとコミュニケーションを取ってリラックスしながら治療を受けることが大切です。

 

まとめ

セラミック治療の流れと、治療中の痛みについて解説いたしました。
当院は、最新機器を導入し痛みのない治療を目指しております。ご質問などあれば、どうぞお気軽にご相談ください。



投稿者: 西本歯科医院

2020.11.10更新

天然歯のように美しく人気のあるセラミック治療ですが、治療した後まれに歯茎などの痛みを感じることがあります。
今回は、セラミック治療による痛みの原因や、対処法などについてご紹介いたします。

 

セラミック治療って?

セラミック治療は、虫歯で失った歯を白い陶器の材料(セラミック)で補う治療方法です。
歯を全体的に被せる「クラウン」や、一部分だけ詰める「インレー」、失った歯の左右に橋を架ける「ブリッジ」など、様々なセラミックの補綴物があります。

また虫歯治療だけでなく、歯並びや歯の形、歯の色などを整えるためにセラミック矯正を行ったり、以前治療した銀歯や変色してしまった白い歯を審美的に回復したりするためにセラミック治療を行ったりすることもあります。

セラミック治療は健康保険が適用されないため、銀歯やレジンよりも高額となりますが、天然歯と同じような透明感や、複雑な色合いを再現できるおすすめの治療方法です。

 

セラミッククラウン治療後に歯茎が痛い原因

被せ物を入れた後に、歯茎や歯が痛くなる原因についてご紹介していきます。 


○新しい被せ物を入れたことによる違和感

新しい被せ物を取り付けると違和感が生じ、まれに痛みのような感覚を伴うことがあります。
一週間程度で慣れ、気にならなくなることが多いでしょう。

 

○歯を削ったことによる痛み

神経が残っている歯を削った場合は、治療の刺激によりしばらくは神経が過敏になりますので、収まるまでは痛みや違和感が生じることがあります。

特に、銀歯など金属を使った素材は熱の伝わりがよいため、冷たいものや熱いものの刺激を受けやすくなります。しばらくは冷たいものや熱いもの、硬いものの飲食を控えたり、鎮痛剤を服用したりして過ごしましょう。

セラミックは熱を通しにくい素材なので、治療が終われば痛みが落ち着いてくることが多いです。1~2週間たっても痛みが続くようでしたら、歯科医院で相談してみてください。

 

○かみ合わせが変化したことによる痛み

新しい被せ物を入れるとかみ合わせが変化するため、慣れるまでは食事の際に歯茎や歯の痛みを感じることがあります。

また、かみ合わせの歯(対合歯)とのあたりが強すぎたり、歯ぎしりをした時に一か所に強くあたり過ぎたりすると、強い痛みがでます。

噛むと「歯根膜」という歯の根とあごの骨を結びつける組織に力がかかるので、歯茎の痛み・歯が浮いたような感覚・かみ合わせがずれたような感覚・歯茎の違和感・歯肉の腫れなどの症状がでる可能性があります。神経を抜いた歯でも、歯の土台部分の歯茎の痛みや違和感はあります。

歯は、髪の毛を一本噛んだだけでも感じとることができるほど敏感な器官です。そのため、治療で数ミクロンかみ合わせが変わっただけでも影響がでてしまうのです。

 

○セラミックの被せ物があっていない

セラミックの被せ物と歯の適合が悪い場合、歯茎が炎症を起こしたり痛みがでたりすることがあります。ひどくなると、歯肉の腫れ・発赤・出血・膿が出るなどの症状がでます。

ただセラミック治療を行う場合は、歯と被せ物の境目に細かな段差がないように丁寧にマージン形成を行いますし、クラウンそのものの精度も保険の歯より高いですので、このような理由で痛みがでることは少ないです。

また、歯肉の下まで歯を削り込んで(歯肉縁下形成)セラミッククラウンを接着することがあります。二次虫歯になりにくい、美しく見えるなどのメリットがある治療方法ですが、あまりにも深すぎると歯茎に違和感が生じることがあります。

 

○歯茎の中に余剰セメントが残っている

セラミックと歯を接着するときに使用したセメントが、歯茎の中に入り込んだまま除去されずに残っていると、歯茎の痛みを感じることがあります。

 

○根尖病巣や根管治療の不具合

虫歯が進行していたなどの理由で神経を抜いた場合、その治療が不十分だと中に細菌が入ることがあり、歯茎の炎症や痛みがでます。
また、歯根破折や露髄などの理由によって痛みがでることもあります。

 

○虫歯が残っている

虫歯が取り切れていないため、歯の痛みが出ることがあります。

 

○歯ではなく咬筋の痛み

歯には問題が無いのに、痛みを感じることもあります。
ストレスなどで噛みしめや歯ぎしりをしていると噛む筋肉(咬筋)に痛みが出るのですが、それを歯の痛みだと勘違いしてしまうのです。

 

セラミック治療後の痛みや違和感への対処法

痛みがある場合は、まずは治療を行った歯科医院で相談をしましょう。

 

○かみ合わせを調整

咬合チェックを行い、かみ合っている歯とあまりかまないように、少しずつ削って調整をします。
セラミックを外さなくても咬合調整ができますので、「かみ合わせが高い気がするのですが」と気軽に歯科医に相談してみましょう。

 

○マウスピースで歯ぎしりや食いしばりから歯を守る

歯ぎしりや食いしばりから歯を守るマウスピースを使用すると、痛みが改善されることがあります。

 

○清掃や歯周病治療

余剰セメントを除去したり、歯周病治療などを行ったりすると、歯茎の腫れや痛みなどの症状が緩和されることがあります。

 

○セラミッククラウンのやりかえ

痛みが続く場合は、セラミックを外して再治療を行い新しいセラミックを再製作します。
セラミックを外さなくても、レントゲンやCT撮影によって痛みの原因が明らかになることもあります。

 

まとめ

今回は、セラミック治療による歯茎の痛みの原因についてご紹介していきました。

痛みの原因は様々ですが、セラミック治療後すぐの痛みは時間とともに落ち着いてくることが多いです。
痛みが続くようでしたら早めにかかりつけの歯科医院で相談し、場合によってはセカンドオピニオンを受けるようにしましょう。



投稿者: 西本歯科医院

2020.10.08更新

セラミック矯正を行う際に、歯の神経を抜かなければならないケースがあります。
歯並びを綺麗にするのに、どうして神経を抜かなければならないのでしょうか?
どんな場合に神経を抜き、どんな場合には神経を抜かなくてもいいのでしょうか?

今回は、セラミック矯正の神経治療について徹底解説していきます。

 

歯の神経とは?

歯は、一番外側に硬い「エナメル質」、その内側に柔らかい「象牙質」、さらに内側に神経や血管が集まった「歯髄」という組織でできています。歯髄を、俗に神経と呼びます。

神経を抜く処置を専門用語で「抜髄(ばつずい)」と言いますが、歯髄を抜く処置なので神経だけでなく血管もすべて一緒に取ってしまいます。

 

セラミック矯正とは?

歯の上にセラミックの人工歯を被せることによって、歯並びをきれいに見せる矯正方法です。治療期間が何年もかかる従来の矯正方法と違い、すぐに綺麗な歯並びになれるためクイック矯正とも呼ばれます。

元の歯にセラミックを被せる際に、歯を削って小さくする必要があります。

 

セラミック矯正は神経を抜かなければいけないの?

セラミック矯正をする場合、神経を抜く場合と抜かなくてもいい場合があります。

 

○セラミック矯正で神経を抜く場合

歯を大きく削らなければならないケースでは、神経に触れてしまうことがあり強い痛みが出ます。
そのため、神経を抜き痛みが出ないように処置をする必要があります。

歯を大きく削った方が、被せるセラミックを大きく制作しやすいため、思い通りの歯並びに矯正しやすくなります。
また、セラミックを厚くできるため強度が増し、割れたり欠けたりといったリスクが少なくなります。

 

○セラミック矯正で神経を抜かない場合

元々の歯並びのガタツキが小さい場合は、歯を削る量を最小限におさえることができます。
このように歯を削る量が少ないケースは、神経を抜かずにセラミック矯正ができます。

「元々の歯並びはどうなのか?」「歯をどのくらい動かす必要があるのか?」、「矯正後の仕上がりをどのようにしたいのか?」などによって、神経を抜く、神経を抜かないといった差が出てきます。

 

神経を抜く治療ってどんなことをするの?


1、麻酔をする

麻酔注射をし、治療中に痛みが出ないようにします。

2、歯を削る

バーという器具を使って歯を削り、歯髄を露出させます。

3、神経を抜く

歯髄を専用の器具で除去します。根管内の歯髄も先端まで綺麗に除去します。

4、神経があった部分を洗浄消毒し、薬剤を入れる

専用の薬剤を使い、根管内を洗浄します。菌が残っていると炎症を起こすことがありますので、何度か歯科医院に通い殺菌を行います。治療期間中は、仮歯を作成し被せておきます。

5、神経を抜いた場所に最終的な薬を充填する

根管内が綺麗になったら、感染しないよう最終的な薬で隙間がないようにしっかり充填します。

6、土台を立てその上にセラミック人工歯を被せる

歯髄があった部分に土台を入れ、その上にセラミックの人工歯を被せます。

 

神経の役割って?

セラミック矯正をする場合、神経を抜く場合と抜かなくてもいい場合があります。

 

○歯に栄養を送る

歯に栄養、水分、酸素などを運んでいます。

 

○歯の異常を教えてくれる

痛みを感じることで、虫歯などの歯の異常に気づきやすくなります。

 

○細菌に対する抵抗力

歯髄には、免疫などの防衛反応を伝達する役割もあります。

 

神経を抜いた歯に起こるリスク 

○歯が脆くなったり根っこが割れやすくなったりする

神経を抜いた歯は栄養が届かなくなり、枯れた木のようにもろくなります。欠けたり割れたりしやすくなり、歯の寿命が短くなります。

 

○二次虫歯

神経を抜いた歯は細菌への抵抗力が下がるため、虫歯が進行しやすくなります。

 

○根尖病巣

歯の根の先に炎症が起き、痛みが出ることがあります。

 

○歯茎が痩せた時に土台部分が見え目立つ事がある

 

神経を抜きたくない場合どうしたらいいの?

 ○他の歯科医院で相談

神経を抜く必要があると言われたけれど、他の歯科医院で相談したら神経を抜かずにセラミック矯正ができたというケースがあります。
セカンドオピニオンを受けてみましょう。

 

○他の矯正方法を検討する

ワイヤー矯正(表側・裏側)、マウスピース矯正など、他の矯正方法を選択肢に入れてみましょう。矯正を専門的に行っている歯科医に相談してみると良いです。

 

まとめ

以前はセラミック矯正をする際に、神経を抜くケースが多くありました。
しかし、セラミックの素材は年々進歩し薄い人工歯を制作できるようなり、神経を抜かない治療は増えてきています。

また、歯科用CTなどの最新機材の導入により神経の位置を正確に判断し、歯を削る量を見極めて神経を残したセラミック矯正を行っている歯科医院もあります。

神経は一度抜くと元には戻せません。治療前にメリットやデメリットを確認し、納得の上で治療を受けるようにしましょう。また、神経を抜かずにセラミック矯正をする場合はどのような仕上がりになるのか、痛みが出る可能性はあるのかなどを、治療開始前によく歯科医と相談することが大切です。



投稿者: 西本歯科医院

2020.08.06更新

セラミックの詰め物(インレー・アンレー)や、被せ物(クラウン)が取れてしまう原因とその対処法や、取れたまま放置するとどうなってしまうのか?などについてご紹介していきます。

 

セラミックが取れる原因

セラミックの詰め物や被せ物は、保険適応の材料である銀歯やレジン前装冠などよりも精度が高いため、取れるリスクは少ないと言われています。また、専用の接着剤を用いて隙間なく歯と詰め物を一体化させ接着しますので、簡単には外れません。

そんなセラミックですが、取れる可能性はあります。セラミックが取れる原因について、具体的にご紹介していきます。

 

○セラミックが取れやすい歯の形

歯科医が歯を削り、その形に合わせてセラミックのインレーやアンレー(詰め物)、クラウンやブリッジ(被せ物)などを製作しますが、削り方によっては取れやすいことがあります。単純に虫歯だけ削ればいいというわけはなく、接着力が大きくなるような形に削る必要があるためです。

ただ元々の虫歯が大きすぎる場合などは十分な接着面積を得ることが難しいので、どうしても取れやすくなってしまうというケースがあります。

 

○虫歯

詰め物や被せ物を入れて長い年月が経つと、劣化などによって隙間から細菌が入り、そこから虫歯になってしまうことがあります(二次虫歯)。虫歯になると、詰め物や被せ物は取れやすいです。

セラミックの場合は、銀歯よりも天然歯との適合性がよく、歯と分子レベルでしっかりと接着することができるので隙間から細菌が侵入するリスクは低いです。また素材そのものがツルツルしているのでプラークなどの汚れが付きにくく、二次虫歯になりにくいといわれています。

 

○接着剤の劣化

詰め物や被せ物は歯科用の接着剤で接着・合着しますが、長い年月が経つと接着剤が劣化し外れやすくなります。

○素材の経年劣化

素材の経年劣化により、取れやすくなります。
銀歯は長い時間をかけて口の中で腐食しますし、レジン(プラスチック)は摩耗しますので、それによって外れやすいです。
セラミックは経年劣化が少ない素材ですが、強い衝撃を受けると破損することがあります。

○歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりをする方は、何度もセラミックが外れるケースがあります。

 

○噛み合わせ

噛み合わせの調整が不十分だと、一点に力が加わるので取れやすくなります。
また、セラミックやジルコニアは天然歯より硬いため、何年も経つとそこだけ噛み合わせが高くなってしまい、外れたり割れたりしやすくなるケースがあります。
定期的に噛み合わせをチェックしてもらいましょう。

 

○事故

事故で強い衝撃が加わり、セラミックが取れたり割れたりすることがあります。

 

セラミックが取れた時の対処法

セラミックが取れてしまった場合は、どうしたらよいのでしょうか?

○取れたセラミックを持ってすぐに歯医者に行く

取れたセラミックは再度接着できるケースがあります。絶対に捨てないで、できるだけ早めに歯科医院へ持っていきましょう。

 

○刺激を与えない

詰め物や被せ物が取れた歯は、刺激を受けやすく痛みを感じやすい状態です。冷たいものや熱いものの飲食を控え、なるべく刺激を与えないように心がけましょう。

 

○硬いものを噛まない

詰め物が取れた場合、歯が薄く欠けやすい状態になっています。食事の際は、取れた歯と反対側でそっと噛むようしましょう。

 

○清潔に保つ

食べた物が挟まりやすい状態になっていますので、優しく歯ブラシを当てたり、フロスを使ったりして清潔に保ちましょう。

 

○自分で接着しない

ご自身で取れたものを接着剤で付けないようにしましょう。

市販の接着剤は、口の中に入れると有害なものがあります。また、雑菌が付いたまま歯に接着すると、残った歯が虫歯になってしまったり、歯の根に膿が溜まったりするため、結果的に歯の寿命が短くなります。

さらに、一度付けた接着剤は歯やセラミックにこびりついてしまい、綺麗に取り除くことが難しいです。歯を削らなければ取れないというケースもありますので、ご自身では絶対に付けないでください。

 

取れたまま放置すると起こる問題

詰め物や被せ物が取れたまま放置すると、様々な問題が起こります。

 

○虫歯になったり欠けたりする

被せ物や詰め物が取れた歯は、弱く柔らかい歯質(象牙質)がむき出しになっていることがあり、虫歯になったり欠けたりしやすいです。

 

○隣の歯が倒れてきたり噛み合わせの歯が伸びてきたりする

クラウンやブリッジなど大きな被せ物が取れたまま長期間放置すると、隙間に向かって歯が動いてきてしまいます。横の歯が無くなるとどんどん倒れてきてしまいますし、噛み合わせの歯が無くなると、どんどん歯ぐきの中から出てきてしまいます。

そのまま長年放置していると、歯並びが全体的にガタガタになってしまいます。そうなると治療は難しく、歯を大きく削ったり抜歯したりしなければなりません。

 

○顎関節症になったり顔がゆがんだりする

歯並びがガタガタになると、噛み合わせにも悪影響がでます。そのため顎に痛みが出ることがあります。また、歯並びが悪くなるとお顔がゆがむこともあります。

 

○口内炎や癌になる

詰め物が外れたまま食事を続けていると、とがった部分が口の粘膜に刺激を与え続け、口内炎が発生することがあります。
そのまま放置していると壊死を起こし褥瘡性潰瘍となり、舌がんや口腔がんに変化するケースがあります。

まとめ

セラミックが取れてしまう原因や対処法について、ご紹介しました。
もしも取れてしまっても慌てずに、なるべく早めに歯科医院へ持っていき接着してもらいましょう。



投稿者: 西本歯科医院

2020.07.27更新

白く綺麗な芸能人の歯に、興味や憧れを持っている方はいらっしゃいますか?

話をしたり笑ったりする時に見える歯は、その人の印象を大きく左右すると言われています。綺麗な芸能人って、歯も綺麗ですよね。

口周りが美しくなると、お顔全体の印象もガラッと変わるものです。

それでは、芸能人のような美しく綺麗な歯になるには、どうしたらいいのでしょうか?

綺麗な歯を手に入れる方法

芸能人のような綺麗な歯になる方法について、具体的にご紹介していきます。

 

○ホワイトニング

芸能人の歯といえば、白をイメージされる方が多いのではないでしょうか。歯を白くする方法の一つ、ホワイトニングについてご紹介します。

 

オフィスホワイトニング

歯科医院で、歯科医師や歯科衛生士が施術を行うホワイトニング方法です。比較的高い濃度の薬剤を使うので、短期間で白い歯を手に入れられるのが特徴です。

ホームホワイトニング

自宅で行うホワイトニング方法です。専用のマウスピースに薬剤を塗布し、毎日一定時間装着することによって少しづつ歯を白くしていきます。

 

○歯列矯正

歯並びや噛み合わせを治療したい場合は、歯列矯正を行う必要があります。矯正治療の種類をご紹介していきます。

 

ワイヤー矯正

歯にブラケットという器具を取り付け、そこにワイヤーを通して引っ張ることにより歯列を整える矯正方法です。
重度の歯列不正の方にも対応できる方法ですが、矯正中の見た目が気になってしまう方も多いです。目立ちにくい裏側矯正(舌側矯正)もありますが、表側矯正よりも技術的に難しく治療期間が長くなります。

マウスピース矯正

薄く透明なマウスピース装置(アライナー)を使った、矯正方法です。マウスピースを一定期間ごとに交換しながら装着することによって、少しずつ歯を動かしていきます。透明なので目立ちにくく、人気のある矯正方法です。

また、マウスピースは自分で取り外しができるので、歯磨きがしやすく口腔内を清潔に保ちやすいのがメリットです。

しかし、一日約20時間装着しなければならず、時間が短いと矯正効果が出にくいというデメリットがあります。

ラミネートべニア

歯の表面を薄く削り、ラミネートべニアという薄いセラミック製の板を張り付ける施術です。前歯の色や形を整えることができます。歯をあまり削らないで治療できるのがメリットですが、割れたり剥がれたりしやすいです。

セラミック矯正

歯を削ってセラミックの被せ物を被せることにより、歯並びを綺麗に見せる治療方法です。歯の白さや形も思い通りにできる、おすすめの矯正方法です。

 

セラミック矯正がおすすめな理由

セラミック矯正は、なぜ人気なのでしょうか?

○治療期間が短い

ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの歯列矯正では、治療期間が平均して1~3年ほどかかります。
これに対してセラミック矯正は、短期間で治療が終わるのでとても人気です。早ければ2回(通常は1~3か月)ほどの通院で、白く美しい歯を手に入れることができます。

○白く美しい歯になれる

セラミックの被せ物の色は、ご自分で選ぶことができます。そのため、矯正と同時に今よりも白く美しい歯を手に入れることができます。
ご自身の歯に合わせた自然な白さにすることも可能ですし、芸能人のような真っ白で美しい歯にすることも可能です。カウンセリング時に、歯科医院で相談してみましょう。

○後戻りの無い白い歯になれる

歯を白くする方法にホワイトニングがありますが、ホワイトニングは通常半年~1年ほどで後戻りしてしまいます。そのため、定期的にホワイトニング施術をする必要があります。
それに対してセラミックは、着色しにくく変色がほとんどない素材なので、天然歯のように後戻りしません。
そのためセラミック矯正なら、美しく白い歯を長く保つことができます。

 

○歯の形も綺麗にできる

歯並びが悪い方の中には、歯の大きさが顎の大きさに合っていない場合もあります。他の矯正方法では歯の大きさや形を変えることは難しいのですが、セラミック矯正ならイメージ通りの綺麗な歯を被せることができます。

セラミック矯正の注意点

人気のセラミック矯正ですが、デメリットもありますので確認しておきましょう。


○歯を削ったり神経を抜いたりする必要がある

セラミック矯正をする際には、歯を削ったり神経を抜いたりする必要があります。
患者さまの歯並びによって歯を削る量は違いますので、カウンセリング時にどのくらい歯を削る必要があるのか、神経を抜く必要はあるのかなどをよく確認しておきましょう。

 

○セラミック矯正では対応できないケースもある

歯並びによっては、セラミック矯正では綺麗な歯を手に入れられないケースがあります。その場合は、他の矯正方法も検討しましょう。

 

○歯科医師や歯科技工士の腕によって仕上がりに差が出る

セラミック矯正は、治療を行う歯科医師や、セラミック歯を製作する技工士の腕により仕上がりに差が出ます。

残念ながら、せっかくセラミック矯正をしたのに仕上がりに不満を持っている方もいるようです。

そうならないよう、カウンセリング時に治療症例の写真などを見せてもらって仕上がりのイメージをよく確認しておくことが大切です。少しでも心配なことがあればしっかりと相談し、納得の上でセラミック治療を受けましょう。

 

まとめ

今回は、芸能人のような綺麗な歯を手に入れる方法についてご紹介しました。

短期間で白く美しい歯を手に入れたい方には、セラミック矯正をおすすめします。メリットやデメリットを理解し、美しい歯を手に入れましょう。


投稿者: 西本歯科医院

2020.06.10更新

さまざまな歯列矯正方法の中でも、短期間で歯並びがキレイになると人気なのが「セラミック矯正」です。一般的な矯正方法では治療期間が2~3年かかるのに対し、セラミック矯正ではすぐにキレイな歯を手に入れることができます。

メリットの多い矯正方法なので、興味を持っている方が多いかと思います。しかし、セラミック矯正は危険だと言われているのはご存じでしょうか?

今回は、セラミック矯正の危険性について、そして治療を受ける際の注意点について詳しく解説していきます。セラミック矯正後に後悔しないよう、ぜひ確認してみてください。

 

セラミック矯正のメリット・デメリット(他の歯列矯正と比較)

歯列矯正は、悪い歯並びや、上下の歯がかみ合わない状態を改善する治療方法です。

○セラミック矯正とは

セラミック(陶器)の被せ物を、歯に被せることにより歯並びをキレイに見せる治療方法です。厳密には歯列矯正ではなく、審美治療だと言われることもあります。

・メリット
短期間で治療が終わる(最短で2週間ほど)
見た目が美しい(セラミックは、天然歯のような透明感と色調を再現できる)

・デメリット
歯を削る必要がある(神経を抜くこともある)
上下の歯がしっかりかみ合わないことがある(根本的なかみ合わせを治す矯正方法ではない)

○ワイヤー矯正とは 歯に「ブラケット」という器具を装着し、ワイヤーで引っ張って歯を動かす矯正方法です。「表側(唇側)矯正」と、「裏側(舌側)矯正」があります。

・メリット
比較的重度の不正歯列でも、矯正治療が可能

・デメリット
治療中の見た目が気になる

○マウスピース矯正とは

マウスピースを装着することにより、段階的に歯を動かしていく矯正方法です。

・メリット
透明なマウスピースなので目立ちにくい

・デメリット
長時間マウスピースを装着しないと、矯正効果が出ない

 

セラミック矯正のデメリットや危険性について

セラミック矯正のデメリットや、危険性についてご紹介していきます。


○歯を削る必要がある
セラミックを被せるためには、歯を削る必要があります。削らずにセラミックを被せると、歯が大きく不自然な歯になってしまうためです。歯は削れば削るほど、その寿命が短くなると言われています。

○神経を抜くことがある
歯を大きく削ると痛みが出る可能性があるため、歯並びの状態によっては神経を抜くことがあります。神経の中には血管があり、栄養を供給しているのですが神経を抜くことによってこの働きがなくなってしまい、歯の寿命が極端に短くなってしまいます。

また、歯がもろくなって将来的に割れてしまったり、根尖病巣という病気になってしまうことがあります。

○抜歯が必要になることも
極端に歯並びが悪かったり、歯ぐきの高さがそろわなかったりする場合、歯を抜かなければならないケースがあります。

○痛みがあることも
歯を削る治療なので、痛みがあることがあります。治療の際は麻酔注射をしますが、注射が苦手な方もいるでしょう。
また、仮歯やセラミックの歯を装着した後に、しみるような痛みを感じることがあります。2週間ほどで落ち着くことが多いですが、まれに痛みがおさまらないことがあります。

○将来的に歯ぐきが痩せてしまうと目立つ
加齢や歯周病によって歯ぐきが痩せてくると、セラミックの歯とご自身の歯ぐきとの間にすき間が開いてしまって目立ちます。
また、すき間に汚れがたまりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高くなるというデメリットもあります。そのため、将来的に再度セラミック治療をしなければならないというケースもあります。

○歯ぐきが黒ずむことがある
金属の土台を使用して治療を行った場合、将来的に金属が溶け出して歯ぐきが黒ずんでしまうことがあります。

○見た目が不自然になることも
見た目が美しいのがメリットのセラミック矯正ですが、不自然になってしまうこともあります。例えば歯の色が白すぎて浮いてしまったり、いかにも作ったような人工的な歯になってしまったりというケースがあります。

○かみ合わせに違和感が出ることがある
セラミック矯正は、根本的なかみ合わせを治すものではありません。治療によって、以前よりかみ合わせが悪くなってしまうケースも存在します。例えば、前歯がかみ合わなくなり食べ物がかみ切れなくなったり、顎に負担がかかるようになり、顎関節症になってしまったりします。

 

セラミック矯正を成功させるためには?

セラミック矯正で失敗したくない方は、以下の点を押さえておきましょう。

○デメリットを理解する
セラミック矯正のデメリットをよく理解した上で、治療方法を選択しましょう。

○治療前にしっかりカウンセリングを受ける 
特に、「審美性」と「かみ合わせ」についてを、カウンセリングの際に歯科医師によく確認しておくことが大切です。また、歯をどのくらい削るのか、痛みが出る可能性があるのか、神経を抜いたり抜歯をする必要があるのかをしっかり聞いておきましょう。

○矯正治療と審美治療両方に理解がある歯科医院を選ぶ
どんな治療方法が合っているのかは、患者さんのお口の状態によって違います。歯並びによっては、セラミック矯正以外の方法を選択したほうがいいことも。

そのため、セラミック矯正だけに力を入れている歯科医院ですぐに治療を開始せず、審美治療と矯正治療の両方を行っている歯科医院で、一度相談してみることをおすすめします。

○メンテナンスを受ける
治療後は、必ず定期的なメンテナンス(定期検診)を受けましょう。セラミックを入れた場所に問題がないかチェックしてもらい、必要であればかみ合わせなどの調整をしてもらいます。

セラミックの寿命は一般的に10年ほどと言われていますが、定期的に歯科医院に通いメンテナンスをすれば、寿命を長くできます。歯周病による歯ぐきの痩せや、歯を失うリスクを減らすためにも、必ず定期検診を受けましょう!

 

まとめ

セラミック矯正は危険だと言われることがありますが、基本的には虫歯治療と同じように歯を削って被せ物を被せる治療なので、特別に危険なものというわけではありません。

ただ、健康で削る必要のない歯を削らなければならず、歯の寿命が短くなるなどのデメリットはあります。

メリットやデメリットをよく理解し、ご自身に合った矯正治療を選択するようにしましょう。

 

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投稿者: 西本歯科医院

2020.04.21更新

セラミックの詰め物が取れてしまった時の注意点と対処法について解説

虫歯治療などの後に、セラミックの詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)を入れることがあります。今回は、セラミックの詰め物や被せ物がもし外れてしまったらどのようにしたら良いのかについて、詳しくご紹介します。

今回は、セラミックの詰め物や被せ物がもし外れてしまったらどのようにしたら良いのかについて、詳しく解説していきます。ぜひご一読ください。

 

セラミックの詰め物や被せ物とは

白い陶器素材(セラミック)でできた、詰め物や被せ物のことです。健康保険対象外の素材なので高額ですが、天然歯のように美しく人気の素材です。保険適用されるレジン(プラスチック)素材の詰め物や被せ物と違って、変色せず長く使えるのが特徴です。

虫歯の範囲が小さく削る量が少なかった場合は詰め物(インレー)を詰め、虫歯の範囲が大きかった場合や、審美的回復が目的の場合などは被せ物(クラウン)を被せます。

 

詰め物や被せ物が外れる原因

詰め物や被せ物は、どうして取れてしまうのでしょうか?

〇虫歯

詰め物が取れる一番の原因は、虫歯ができてしまったためです。詰め物と歯の隙間に虫歯菌が侵入すると、二次虫歯(二次カリエス)になります。虫歯が進行すると歯がむしばまれ、ますます詰め物が取れやすくなります。

〇歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方は、詰め物や被せ物が取れやすかったり割れやすかったりする傾向にあります。意識的に習慣を変えたり、歯ぎしり防止用のマウスピースを使用するなどの対策をしなければなりません。

〇事故

交通事故やスポーツ時などの事故によって、被せ物や詰め物が取れたり割れたりすることがあります。

〇差し歯や詰め物の経年劣化

素材の材質によっては、劣化により詰め物や被せ物が外れてしまうことがあります。例えば銀歯の場合、使っていくごとに金属イオンが溶け出して経年劣化します。またレジン(プラスチック)の場合すり減ることがあり、その結果外れてしまうのです。

オールセラミックは、銀歯やレジンより経年劣化の少ない素材です。しかし天然歯より固いので何年も使っているとかみ合わせが合わなくなり、余計な負担がかかって外れたり割れたりすることがあります。

〇接着剤の劣化

詰め物や差し歯は、歯科専用の接着剤で接着します。しかし接着剤は経年劣化しますので、詰め物や差し歯が取れてしまうことがあります。

 

セラミックの詰め物が取れてしまった時の対処法

実際にセラミックの詰め物が取れてしまったら、どのようにしたら良いのでしょうか?

〇すぐに歯科医院に連絡

まずは、すぐに歯科医院に連絡をしましょう。できれば詰め物や被せ物の治療を受けた、歯科医師に診てもらうといいです。遠方で難しい場合は、お近くの歯科医院でも大丈夫です。

また、歯科医院によっては予約がいっぱいだとしても、詰め物が取れた場合は急患として受け付けてくれることがあります。まずは電話をして「セラミックの詰め物が取れた」と言ってみましょう。

〇なるべく早く歯科医院へ行く

詰め物や被せ物が取れても、二次虫歯が無く歯と詰め物に問題が無い状態であれば、そのまま接着できる可能性があります。取れた詰め物を持って、なるべく早く歯科医院へ行きましょう。

詰め物が取れた場合、柔らかい象牙質がむき出しになっている状態が多いので、そのまま長期間放置しておくと虫歯になるリスクが大変高いです。また、歯が欠けやすい状態でもありますので、なるべく早く歯医者さんに行きましょう。

〇取れた詰め物はそのまま使える可能性があるので歯医者に持っていく

取れた詰め物や被せ物は、捨てずに必ず保管しておき、歯科医院に持っていきましょう。歯と詰め物の状態が良ければ、そのまま再接着できる可能性があります。

軽く水や歯ブラシで洗い、ケースや透明のジッパー袋などに入れて保管しておきます。ティッシュに包んでも構いませんが、小さいのでゴミと間違えて捨ててしまわないように気をつけましょう。

〇お口の中を清潔に保つ

事情があってすぐに歯科医院に行けない場合は、歯磨きをしてお口の中を清潔に保つようにしましょう。

ただ、痛みを感じる場合はあまり強く磨かないほうがいいです。研磨剤の入った歯磨き粉でゴシゴシと磨くと柔らかい歯の内部が削れてしまうことがありますので、そっと磨くようにしましょう。

 

セラミックの詰め物や被せ物が取れた時の注意点

セラミックの詰め物や被せ物が取れてしまった時、どのようなことをしてはいけないのでしょうか。

〇自分ではめない

取れてしまった詰め物や被せ物を、自分ではめるのはやめましょう。歯を傷つける恐れがあります。

また、市販の接着剤でつけることは絶対にやめてください。 歯科専用の接着剤を使わないと、また取れてしまいます。一般の接着剤の中にはお口の中には有害な成分の物もありますし、再治療する際に歯科医院で余計な手間がかかってしまう可能性もあります。

〇取れたまま放置しない

取れたまま放置することは、絶対やめてください。取れた歯が虫歯になってしまう可能性があります。また、歯が欠けたり、割れたり、痛みが出たりすることがありますので、なるべく早く受診しましょう。

〇取れた詰め物を捨てない

取れた詰め物や被せものを捨ててはいけません。そのまま再接着できる可能性がありますので、歯医者に持っていきましょう。飲み込んでしまった、なくしてしまった場合は、歯科医院で新しく作り直してもらいます。

〇固いものを食べない

詰め物が取れた歯は、弱く傷みやすい状態になっています。この状態で固い食べ物を食べると、歯を痛めてしまったり 歯が割れてしまったりすることがあるので気をつけましょう。食事をする時は、なるべく取れた歯と反対側で噛むようにしてください。

〇熱いもの、冷たいものは控える

詰め物が取れた歯は、歯の内部むき出しになっている場合があり、神経が刺激を受け痛みを感じやすくなっています。熱いもの、冷たいものなどの刺激物を控えるようにしましょう。

 

セラミックの詰め物や被せものが欠けてしまったら?

セラミックの詰め物が欠けたり割れたりした場合は、新しく作り直す必要があります。高額のセラミックを再制作となると、費用的に負担を感じる方が多いのではないでしょうか?

実は、歯科医院によってはセラミックに関して保証制度を設けていることがあります。例えば「セラミック治療が終了してから○年以内であれば、無償(半額)で再制作します」などといった保証です。

保証の有無や内容は歯科医院によってさまざまですので、セラミック治療をする前に、必ず歯医者さんで確認をしておきましょう。

 

まとめ

今回は、セラミックの詰め物が取れてしまった時の注意点と対処法について解説いたしました。歯の詰め物が取れてしまっても、まずは慌てずに取れたものを保管し、なるべく早めに歯科医院に行くようにしましょう。

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投稿者: 西本歯科医院

2020.03.11更新

歯に被せる被せ物の中でも、仕上がりがとても美しいオールセラミッククラウン。健康保険が適用されないため比較的高額ではありますが、自然歯と見間違うほどの高い審美性を誇り、患者さまの満足度が大変高い被せ物です。またセラミック(陶器)は、保険適用で使われるレジン(プラスチック)とは違い変色することがない点も魅力です。

そんなオールセラミッククラウンは、実際にはどのように制作されているのでしょうか?歯科医院で型取りした後は、主に歯科技工所で製作するセラミッククラウン。今回はその制作方法について、ご紹介していきます。

 

オールセラミッククラウンの制作方法

1,歯科医院で歯を削る(形成)

歯科医院で歯科医師が、オールセラミッククラウンを被せるために必要な分だけ歯(神経を抜いている場合は、歯と根幹治療後に歯根にセットしたコア)を削ります。良い被せ物を製作するためには、この形成はとても重要な工程です。歯とクラウンの境目部分(マージン)の形成が上手ければ、技工所でクラウンが作りやすいというのはもちろん、審美性が高く、清掃性が高い長く使えるクラウンを作成することができます。

また、神経を残してクラウンを被せる場合はなるべく歯を削る量が少ない方が歯のダメージが少ないのですが、オールセラミッククラウンを作るためにはある程度の量を削らないといけません。そのため、細心の注意を払いながら必要最低限の量だけを削ります。

 

2,歯形を取る(印象採得)

歯の形成が終わったら、歯形を取ります。これを印象採得といいます。通常、種類の違う二種類の印象材を使って精確に歯の型を取ります。さらに噛み合わせの状況を調べるために、噛み合わせの歯型も取ります。

また、歯の色を記録するため写真撮影を行います。お口元全体や、セラミッククラウンを被せる歯のアップなど、何枚か撮影します。シェードガイドという歯の色見本と、患者さまの歯を比べながらも撮影しますのでより正確に歯の色を記録することができます。

通常は患者さまの元の歯に合わせた色や形でオールセラミッククラウンを製作しますが、「歯の色を白くしたい」、「歯の形や大きさを変えたい」など患者様のご希望がある場合はご相談いただければ対応可能です。

形成した歯には、レジン(プラスチック)で作成した仮の歯を被せます。

 

3,歯形に石こうを流し、模型を作る
歯形に石こうを流して、模型を作ります。石こうを流し込む際、ごく小さな気泡でも入ってしまうとセラミッククラウンがうまく作れません。そのため、細心の注意を払いながら石こうを流し込みます。石こうが完全に固まったら印象材から外します。その後、出来上がった石こう模型に土台を付け、セラミッククラウンを製作する歯を一本ずつに切り分けると、作業用模型が完成です。この作業用模型を使用しセラミッククラウンを製作していきます。

 

4,レーザースキャナーで歯形を読み込む

昔は、技工所で歯科技工士がすべての工程を製作することが多かったセラミッククラウンですが、最近はクラウンの内側を機械で製作する場合が増えてきています。
機械で製作する場合は、まず作業用模型をレーザースキャナーにセットします。すると機械が自動的に模型の形を読み取って、コンピューター上で三次元データに変換します。

5,コーピング(土台)を作成
レーザースキャナーで読み込んだデータを微調整します。後は、機械がセラミッククラウンの内冠となるコーピング(土台)を自動で作成します。
オールセラミックの場合、コーピング(土台)もセラミック(陶器)です。そのため保険適用などのクラウンでよく使われる金属の土台とは違い、金属アレルギーや、歯ぐきが変色してしまうという心配がありません。また光を透過する素材なので、天然歯のような透明感があるクラウンを作成することができます。

6,コーピング(土台)にセラミックを盛り付け焼き付ける
出来上がったコーピング(土台)に、歯科技工士がセラミックを盛り付けて焼き付けます。セラミックの粉末を専用の溶剤で溶かし、何層にも分けてコーピングに盛り付けていく築盛(レイヤリング)という工程は大変繊細な作業ですので技工士の腕が重要となります。患者さまの歯の写真や、歯科医師からの情報を元に色や形を合わせていきます。天然歯はよく見ると内部の象牙質が透けて見えるような透明感のある色をしていますが、優秀な歯科技工士はそういった美しい色調を正確に再現することができます。

大体の歯の形を築盛したら、高温の炉の中に入れて一度セラミックを焼き固めます。その後またセラミックを盛り付け、焼き固めます。正確な色を表現するために、これを何度か繰り返していきます。

7,仕上げ
焼き固まったセラミッククラウンの形を、技工所専用の機械を使って調整します。その後数種類のバーで研磨し、さらにつや出しを行います。
クラウンの表面を綺麗な質感にするために、最後に低温の炉で一層だけ焼いて仕上げます。最後に殺菌を行い完成です。

8,歯科医院で患者様にセラミッククラウンを装着
出来上がったセラミッククラウンは、歯科医院で患者様の歯に装着されます。仮歯を外し、歯を清掃、乾燥してしっかりと接着します。余分な接着剤を除去し、最後にかみ合わせを微調整して完成です。色、形ともに美しく、患者様の歯にぴったりと入る精度の高いオールセラミッククラウンが完成しました。

投稿者: 西本歯科医院

2020.01.20更新

「オールセラミック」と「レジン」は、どちらも白い歯の詰め物や被せ物に使われている素材です。
今回の記事では、オールセラミックとレジンで迷われている方へ向けて、それぞれの違いや、メリット・デメリットをご紹介していきます。保険適用や料金等についても解説させていただきますので、是非最後までご一読ください。

 

オールセラミックの特徴

○オールセラミックの素材

オールセラミックは、陶器(セラミック)の素材でできた被せ物(クラウン)や、詰め物(インレー)のことです。全体がセラミックでできていて、見た目が大変美しく、天然歯のような色調を再現できるのが特徴です。

健康保険が適応されないため、費用が高額です。しかし、審美性が高く長年使っても変色しにくいので、特に目立ちやすい前歯の治療によく使われます。

○オールセラミックでの治療法

オールセラミックの治療法を簡単にご紹介します。虫歯が大きいなどの理由で神経を抜いた場合は、まずは神経の治療を行います。その後、歯の根に土台(コア)を作り、その上にオールセラミックをかぶせます。

オールセラミックは歯型をとった後、歯科技工所や院内ラボなどで鋳造され制作されます。
虫歯の範囲が小さい場合などは、神経を抜かずにセラミックの被せものを入れることもあります。

○オールセラミックの耐久性

陶器でできたオールセラミックは、汚れがつきにくいので変色や劣化が少ないのが特徴です。プラークなどの汚れもつきにくく、しっかりとメンテナンスをしていけば、何年もきれいな状態を保つことができます。

オールセラミックのメリット

オールセラミックは、天然の歯のような透明感を再現できます。レジンのノッペリとした白い色とは全く違う、本物の歯と見分けがつかないほどの自然で美しい被せ物を、作ることができるのが特徴です。

汚れや歯石が、つきにくく落ちやすい素材ですので、虫歯や歯周病のリスクも低いと言われています。長年使っていても着色しにくく、変色しません。
また、オールセラミックの場合は金属を使わないため、金属アレルギーの方でも安心して使用することができます。さらに、金属は長年使っていると溶け出し、歯茎の色が黒くなってしまうことがありますが、オールセラミックではそのような心配がありません。

オールセラミックのデメリット

オールセラミックは、保険診療ではないので料金が高いことがデメリットです。歯科医院によって違いますが、一本7~18万円程の費用がかかります。

また、治療を行う歯科医師や、被せ物を作成する歯科技工士の腕により、仕上がりが左右されるのもデメリットと言えるかもしれません。

さらに、セラミックの特徴として天然歯よりも硬いということがあります。このため長期間使っていると、かみ合わせの歯に負担がかかることがあります。 陶器なので、強く噛み合わせたり歯ぎしりなどをすると、欠けたり割れたりする可能性があります。強度を増すために、歯を大きく削る必要があるのもデメリットです。

 

レジンの特徴

○レジンの素材

レジンは歯科用のプラスチックのことです。

○レジンでの治療法

レジンの治療法には、いろいろな種類がありますので詳しくご紹介していきます。

△CR(コンポジットレジン)充填

比較的小さな虫歯などに使われる治療法です。コンポジットレジンは強度が弱い素材で、大きな範囲に使用すると欠けたり割れたりしやすく、適用できないことがあります。
治療法は、虫歯を削った後に、「プライマー」、「ボンディング」という歯とレジンをつきやすくする液体を、まず歯に塗ります。その後、コンポジットレジンという柔らかいプラスチック素材を流し込んで、光を当て照射し硬化させます。その後、かみ合わせを確認し、高ければ削って、表面をなめらかに磨いて完成です。
一度の治療で簡単に施術が終わるため、患者様の負担が少ないのが特徴です。

△硬質レジンジャケットクラウン(冠)

レジンでできている被せもの(クラウン)です。前歯に保険適用できますが、耐久性がないため、使っている歯科医院は少ないです。

△硬質レジン前装クラウン(冠)

外側はレジン、内側は金銀パラジウム合金で作られている被せもの(クラウン)です。前歯に保険適用でき、内側に金属を使っているため耐久性があります。そのため、保険の範囲内で前歯の白い被せものを希望される場合によく使われます。

△ダイレクトボンディング

歯の表面に、コンポジットレジンを塗る方法で、主に美容目的で行われる治療法の一つです。歯が小さかったり、歯と歯の間に隙間が空いていたりなどで見た目が気になる場合に行われることが多いです。ただ、レジンは柔らかく欠けやすい素材なので、大きく歯の形を変えるようなことはできません。
美容診療用のレジンは、保険診療で使うものとは品質の違いがあるものもあります。保険適用のレジンよりも高品質で、変色しにくい素材もありますが、プラスチックなので多少の変色はあります。

○レジンの耐久性

レジンはプラスチックですので、耐久性はあまりないです。歯科で使われる素材の中では、寿命が短いものだと言えるでしょう。柔らかい素材なので、長年使っていると少しずつ擦り減ってきたり、欠けたりすることがあります。また、通常ニ年ほど使用すると変色してきてしまいます。

○レジンのメリット

レジンは健康保険が適応されるので、費用が安いのがメリットです。また、特にコンポジットレジン充填は歯をあまり削らずにできるので、健康な歯を残しやすく治療が短期間で簡単に終わる点も、メリットと言えるでしょう。オールセラミックや他の素材よりも柔らかいため、欠けたりしますが、噛み合わせの歯を傷付ける心配がない点はメリットです。

○レジンのデメリット

レジンは吸水性があるため、長期間使っていると変色したり、擦り減ってきたりしやすいのがデメリットです。また、セラミックのような美しい歯の色を再現することはできません。

オールセラミックとレジン、どちらがおすすめ?

オールセラミックは金属を使っていないので、金属アレルギーの心配がありません。また、天然歯に近い色を再現することができ、審美的に最も優れた素材だと言えるでしょう。小さな虫歯の治療でしたら、レジン治療をする方法がおすすめですが、目立つ前歯などの被せ物の治療をする場合は、オールセラミックの被せ物をおすすめいたします。


保険適用外の被せ物は、費用は高くなりますが、見た目が綺麗で天然歯のような歯などを入れることができます。特に、目立つ前歯などを綺麗に治療したいという場合にはオールセラミック等がおすすめです。

また自費治療の場合、被せ物に割れやヒビが入ってしまった場合の保証がついていることがあります。歯科医院によって保証内容や保証期間が異なりますので、治療に入る前によく確認しておきましょう。治療後に「仕上がりが思っていたのと違った」という事がないように、事前に色のガイドや治療の事例写真などを見せてもらったりして、納得の上で治療を受けるようにしましょう。

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オールセラミック以外の施術法とは?その違いと値段の相場について解説

投稿者: 西本歯科医院

2019.12.29更新

虫歯の治療などで歯を削った後、その上に被せる被せ物(クラウン、差し歯)には、いろいろな種類があります。その中でもオールセラミックは、仕上がりが大変美しく満足度が高い施術法です。 オールセラミックやそれ以外の施術法についてと、値段の相場について解説していきます。

 

保険適用できるものとできないものについて

歯の被せ物には、健康保険適用されるものと健康保険適用されないものがあります。健康保険が適用されるもの以外の高価な材料を希望される場合は、全て自費となります。

一般的に保険適用の施術法は、自己負担額が2~3割程(負担の割合は年齢や所得などによって異なります)ですので費用が安いというメリットがあります。しかし、見栄えでの満足度は低いことが多いです。

反対に、保険適応外の施術法の場合費用は高くなりますが見栄えの満足度は高いことが多いでしょう。

 

保険適用の施術法

健康保険適用の被せ物について、具体的に解説していきます。保険適用の施術法の場合、保険点数が決まっていますので、同じ治療法であれば歯科医院を変えてもほぼ同程度の費用が請求されます。

○硬質レジンジャケットクラウン

ジンで作られたクラウン(冠)です。歯科用のプラスチック素材のことを、レジンといいます。白い歯にすることができますが、セラミックのように透明感のある天然歯のような色は再現できません。また、時間がたつと変色することがあります。割れたり減ってきたりしやすいので、噛み合わせにあまり負担がかからない歯に使われます。

費用(自己負担額):3000~5000円

○硬質レジン前装冠

内側は金銀パラジウムなどの合金で、外側の見える部分だけ硬質レジンが貼り付けられています。硬質レジンジャケットクラウンよりも強度があります。保険診療で前歯(前歯~犬歯)に適用されるため、多くの歯科医院で前歯の治療によく使われる材料です。レジンは見栄えがセラミックより落ち、長年使っていると変色することがあります。また、口を開けると裏側の金属が見えることがあります。

費用(自己負担額):5000~7000円 

○銀歯(金銀パラジウム合金)

金銀パラジウム合金などでできている銀歯です。第一小臼歯から後ろにある奥歯を保険診療で施術する際に使用します。 安く、強度が高いのが特徴ですが、見栄えは劣ります。また、長く使っていると歯茎が黒ずむことがあります。

費用(自己負担額):4000~5000円

○CAD/CAM冠

近年、新しく保険適用となったハイブリッドレジンの白い被せ物です。歯科用CAD/CAMシステムを用いて製作されます。平成26年より、小臼歯のCAD/CAM冠 保険適用が始まり、白い歯を入れられるようになりました。平成30年からは、金属アレルギーの方は大臼歯についてもCAD/CAM冠が保険適用となっていますが、金属アレルギー診断書の提出が必要です。また、白い色ですが、他の歯の色に合わせることはできず、年月と共に変色します。 CAD/CAM冠は、全ての歯科医院で取り扱っているわけではないので、事前に確認が必要です。

費用(自己負担額):8000~9000円

保険外の施術法

健康保険が適用されない、自費診療の場合のクラウンについて解説していきます。保険診療と違い自由に値段を決められるため、歯科医院によって費用に差があります。

○オールセラミック

全体がセラミック(陶器)でできている被せ物です。ポーセレンと呼ばれることもあります。透明感があり、自然歯の様な美しい人工歯を作成できるのが特徴です。変色、劣化が起きにくく、金属アレルギーの心配もありません。 陶器素材なので、強い衝撃を受けると割れたり欠けたりすることがあるのがデメリットです。そのため強い力がかかる、奥歯などには不向きです。

費用:7~20万円

○メタルボンドセラミッ(MB)

金属フレームの上にセラミック(陶材)を焼き付けた素材です。オールセラミックよりも強度があるため、強く噛み合わせる奥歯にも使えるのが特徴です。自然な白さに近いですが、オールセラミックよりは見栄えが劣ります。

費用:7~15万円

○ジルコニアセラミッククラウン

内側が白色ジルコニア、表面はセラミックの素材です。ジルコニアは、人工ダイアモンドのキュービックジルコニアとほぼ同じ耐久性がある素材です。メタルボンドよりも見栄えはよく、強度もあるのが特徴です。硬いため加工が難しく、複雑な治療には向きません。

費用:7~20万円 


○フルジルコニア

全体が白色ジルコニアの素材です。大変強度が高いため、強い力で噛む奥歯の治療に向いています。素材が硬いため、噛み合う天然歯が傷つく可能性があるのがデメリットです。

費用:7~20万円


○ハイブリッドセラミック

レジンとセラミックの混合素材を用いた素材です。レジンのクラウンよりも、強度や見栄えの良さが優れているのが特徴です。保険素材のレジンよりは変色しにくいですが、長年使っていると変色することがあります。セラミックよりは柔らかいです。

費用:4~12万円

○二ケイ酸リチウムガラスセラミック(e-max)

ニケイ酸リチウムガラスセラミックという素材を用いた、次世代セラミックシステムがE.MAX(イーマックス)です。天然歯と同じような摩耗性があり、噛み合わせの歯を傷つけません。強い衝撃を受けるとヒビが入ったりすることがあります。

費用:6~10万円

○ゴールドクラウン(金歯)

金合金、白金加金などで作られた被せ物です。古くからよく使われてきた素材で、柔軟性が高いため割れにくく、適合性が高いので二次カリエス(虫歯)になりにくいのが特徴です。金なので見栄えが劣るのがデメリットです。

費用:5~12万円。 

まとめ 市販のマウスピースでは矯正できません

保険適用の被せ物は種類が少なく、見栄えは劣るものが多いですが、費用が抑えられるのがメリットです。

保険適用外の被せ物は、費用は高くなりますが、見た目が綺麗で天然歯のような歯などを入れることができます。特に、目立つ前歯などを綺麗に治療したいという場合にはオールセラミック等がおすすめです。

また自費治療の場合、被せ物に割れやヒビが入ってしまった場合の保証がついていることがあります。歯科医院によって保証内容や保証期間が異なりますので、治療に入る前によく確認しておきましょう。治療後に「仕上がりが思っていたのと違った」という事がないように、事前に色のガイドや治療の事例写真などを見せてもらったりして、納得の上で治療を受けるようにしましょう。

投稿者: 西本歯科医院

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