2020.10.21更新

矯正治療といえば、歯の表面に装置をつけてワイヤーを通す表側矯正をイメージされる方が多いかもしれません。しかし人目が気になって、矯正に二の足を踏んでしまうという方は少なくありません。

そんな方におすすめなのが、目立たない矯正である「マウスピース矯正」や「裏側矯正」です。今回は、マウスピース矯正と裏側矯正の違いや、メリット・デメリットについてご紹介していきます。

 

マウスピース矯正とは? 

弾性のあるプラスティック製のマウスピースを装着する矯正方法です。ほぼ透明なので目立ちにくく、自分で取り外しすることができます。

口腔内を精密検査したデータを元に治療計画を立て、段階的にマウスピースを交換することによって歯を動かしていきます。

 

○対応できる症例

軽度の歯列不正に対応できます。
抜歯を必要とする症例や、歯並びのガタツキが大きい症例など、お口や歯の状態によってはマウスピース矯正ができないことがあります。

ただ、近年マウスピースの素材やアタッチメントが進化してきており、抜歯を必要とする矯正など難しい症例でも対応できるケースが増えてきています。

○治療期間

お口の状況によって治療期間は異なりますが、矯正に1~3年、保定に1~3年ほどかかります。
通院頻度は1ヶ月~3ヶ月に1度ほどのペースです。

○清掃性と虫歯のリスク

マウスピースを取り外して歯を磨くことができるため、清掃性に優れています。
きちんとケアしていれば、虫歯や歯周病になるリスクは低いです。

 

裏側矯正とは? 

歯の裏側(舌側)に、ブラケットと呼ばれる装置を接着し、そこにワイヤーを通すことによって歯を動かす矯正方法です。

矯正装置を歯の裏側につけるため、表側からは見えません。固定式の矯正装置の中で最も審美性が高いです。

 

○対応できる症例

通常の表側矯正で対応可能な症例であれば、どんな歯並びでも対応できます。

○治療期間

お口の状況によって治療期間は異なりますが、矯正に2~3年、保定に2~3年ほどかかります。
通院頻度は3週間~1ヶ月に1度ほどのペースです。

○清掃性と虫歯のリスク

ブラケットを歯に接着するため食べ物が挟まりやすく、その分磨き残しは多くなりやすいです。特に裏側は直視することが難しいので歯磨きがとても難しく、虫歯や歯周病になることがあります。

ただし、歯の裏側は表側よりもエナメル質が3倍近く厚いため、虫歯の原因となる虫歯菌の酸に対しては強いです。
また歯の裏側は常に唾液が循環しているので、唾液の「自浄作用」や「抗菌作用」により、表側よりは虫歯になりにくいと言われています。

 

マウスピース矯正のメリットとデメリット

○メリット

・透明でほとんど目立たない
・自分で取り外しができる

外して食事ができるので、矯正していることを気にせず好きなものを食べられます。

・歯磨きやお手入れがしやすい

取り外しができるので、ブラッシングなどのお手入れがしやすく虫歯や歯周病になりにくいです。

・通院が少ない

1~3ヶ月に1回程度と裏側矯正よりも少ない通院頻度です。

・同時にホワイトニングが可能

マウスピースにホームホワイトニング用の薬剤を入れ装着することによって、矯正と同時にホワイトニングが可能です。ただし、アタッチメントが歯の表面に接着している場合は、その部分の色が周りと違ってしまうことがあります。

・歯の移動のシミュレーションを事前に確認できる

インビザラインなどのマウスピース矯正は、治療開始から完了時までの歯の移動をコンピューターでシュミュレーションし、事前に確認することができます。

○デメリット

・透明とはいえマウスピースが見える

歯全体をマウスピースが覆うので、近くでよく見ると装着していることが分かります。

・アタッチメントが目立つことがある

マウスピース矯正では、アタッチメントという突起物を歯に接着することがあります。歯の色をしていますが、目立つこともあります。

・1日の装着時間を守る必要がある

1日におよそ20時間以上の、マウスピース装着時間を守る必要があります。外している時間が長いと、歯が動かず矯正期間が長引きます。

・飲食の際に取り外す必要がある

水以外の飲食や喫煙の際には、マウスピースを取り外します。 マウスピースをいちいち取り外してから飲食しなければならないのは、面倒だと感じる方もいます。

・食後に歯磨きが必要

飲食をした後は、しっかりとブラッシングをしてからマウスピースを装着する必要があります。

・痛みや違和感がでることがある

マウスピース装着の違和感や、歯を動かす際の痛み、噛むときの痛みが出ることがあります。
ただ、一般的な矯正装置のようなブラケットやワイヤーはないため、粘膜を傷付ける心配はありません。比較的痛みが少ない矯正治療です。

・重度の歯列不正の症例には向かない

限られた症例のみマウスピース矯正を行うことができます。舌側矯正と合わせての治療を選択する方法もあります。

  

裏側矯正のメリットとデメリット

○メリット

・審美性が高い

歯の表面に何もつかない裏側矯正の方が、マウスピース矯正よりも自然に見えます。

・ほとんどの歯並びを矯正できる

一部の歯並びしか対応できないマウスピース矯正と違い、ほとんどの歯列不正の症例に対応できます。

○デメリット

・口を大きく開けると矯正器具が見えることがある
・装置を歯に接着するので、自分で取り外せない
・食べ物が詰まりやすい

食べ物が詰まったまま放置すると、虫歯や歯周病になるリスクがあります。

・発音しにくい

歯の裏側に矯正器具がつくので、舌に当たり発音しにくいことがあります。

・痛みがあったり口内炎ができることがある

裏側の装置に舌が当たるため、痛みがでたり口内炎ができたりすることがあります。
また歯が移動する際の痛みや、噛むときの痛みもでることがあります。

・通院回数が多い

マウスピース矯正よりも通院回数が多い傾向にあります。

・技術的に難しい

表側矯正とは異なる技術が必要な難しい治療方法です。
専門的な知識と経験が豊富な、矯正歯科医を選ぶ必要があります。

 

まとめ

マウスピース矯正と、裏側矯正の違いについて解説しました。
マウスピース矯正は患者様のお口の状況によっては対応できない可能性があります。

一人ひとり歯並びは違いますので、治療方法でお悩みの方は矯正歯科で相談してみましょう。



投稿者: 西本歯科医院

2020.10.08更新

セラミック矯正を行う際に、歯の神経を抜かなければならないケースがあります。
歯並びを綺麗にするのに、どうして神経を抜かなければならないのでしょうか?
どんな場合に神経を抜き、どんな場合には神経を抜かなくてもいいのでしょうか?

今回は、セラミック矯正の神経治療について徹底解説していきます。

 

歯の神経とは?

歯は、一番外側に硬い「エナメル質」、その内側に柔らかい「象牙質」、さらに内側に神経や血管が集まった「歯髄」という組織でできています。歯髄を、俗に神経と呼びます。

神経を抜く処置を専門用語で「抜髄(ばつずい)」と言いますが、歯髄を抜く処置なので神経だけでなく血管もすべて一緒に取ってしまいます。

 

セラミック矯正とは?

歯の上にセラミックの人工歯を被せることによって、歯並びをきれいに見せる矯正方法です。治療期間が何年もかかる従来の矯正方法と違い、すぐに綺麗な歯並びになれるためクイック矯正とも呼ばれます。

元の歯にセラミックを被せる際に、歯を削って小さくする必要があります。

 

セラミック矯正は神経を抜かなければいけないの?

セラミック矯正をする場合、神経を抜く場合と抜かなくてもいい場合があります。

 

○セラミック矯正で神経を抜く場合

歯を大きく削らなければならないケースでは、神経に触れてしまうことがあり強い痛みが出ます。
そのため、神経を抜き痛みが出ないように処置をする必要があります。

歯を大きく削った方が、被せるセラミックを大きく制作しやすいため、思い通りの歯並びに矯正しやすくなります。
また、セラミックを厚くできるため強度が増し、割れたり欠けたりといったリスクが少なくなります。

 

○セラミック矯正で神経を抜かない場合

元々の歯並びのガタツキが小さい場合は、歯を削る量を最小限におさえることができます。
このように歯を削る量が少ないケースは、神経を抜かずにセラミック矯正ができます。

「元々の歯並びはどうなのか?」「歯をどのくらい動かす必要があるのか?」、「矯正後の仕上がりをどのようにしたいのか?」などによって、神経を抜く、神経を抜かないといった差が出てきます。

 

神経を抜く治療ってどんなことをするの?


1、麻酔をする

麻酔注射をし、治療中に痛みが出ないようにします。

2、歯を削る

バーという器具を使って歯を削り、歯髄を露出させます。

3、神経を抜く

歯髄を専用の器具で除去します。根管内の歯髄も先端まで綺麗に除去します。

4、神経があった部分を洗浄消毒し、薬剤を入れる

専用の薬剤を使い、根管内を洗浄します。菌が残っていると炎症を起こすことがありますので、何度か歯科医院に通い殺菌を行います。治療期間中は、仮歯を作成し被せておきます。

5、神経を抜いた場所に最終的な薬を充填する

根管内が綺麗になったら、感染しないよう最終的な薬で隙間がないようにしっかり充填します。

6、土台を立てその上にセラミック人工歯を被せる

歯髄があった部分に土台を入れ、その上にセラミックの人工歯を被せます。

 

神経の役割って?

セラミック矯正をする場合、神経を抜く場合と抜かなくてもいい場合があります。

 

○歯に栄養を送る

歯に栄養、水分、酸素などを運んでいます。

 

○歯の異常を教えてくれる

痛みを感じることで、虫歯などの歯の異常に気づきやすくなります。

 

○細菌に対する抵抗力

歯髄には、免疫などの防衛反応を伝達する役割もあります。

 

神経を抜いた歯に起こるリスク 

○歯が脆くなったり根っこが割れやすくなったりする

神経を抜いた歯は栄養が届かなくなり、枯れた木のようにもろくなります。欠けたり割れたりしやすくなり、歯の寿命が短くなります。

 

○二次虫歯

神経を抜いた歯は細菌への抵抗力が下がるため、虫歯が進行しやすくなります。

 

○根尖病巣

歯の根の先に炎症が起き、痛みが出ることがあります。

 

○歯茎が痩せた時に土台部分が見え目立つ事がある

 

神経を抜きたくない場合どうしたらいいの?

 ○他の歯科医院で相談

神経を抜く必要があると言われたけれど、他の歯科医院で相談したら神経を抜かずにセラミック矯正ができたというケースがあります。
セカンドオピニオンを受けてみましょう。

 

○他の矯正方法を検討する

ワイヤー矯正(表側・裏側)、マウスピース矯正など、他の矯正方法を選択肢に入れてみましょう。矯正を専門的に行っている歯科医に相談してみると良いです。

 

まとめ

以前はセラミック矯正をする際に、神経を抜くケースが多くありました。
しかし、セラミックの素材は年々進歩し薄い人工歯を制作できるようなり、神経を抜かない治療は増えてきています。

また、歯科用CTなどの最新機材の導入により神経の位置を正確に判断し、歯を削る量を見極めて神経を残したセラミック矯正を行っている歯科医院もあります。

神経は一度抜くと元には戻せません。治療前にメリットやデメリットを確認し、納得の上で治療を受けるようにしましょう。また、神経を抜かずにセラミック矯正をする場合はどのような仕上がりになるのか、痛みが出る可能性はあるのかなどを、治療開始前によく歯科医と相談することが大切です。



投稿者: 西本歯科医院


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