矯正治療中にホワイトニングはできるのかに加えてホワイトニングを始める最適なタイミングも解説いたします。
矯正治療中にホワイトニングができるかどうかは、装着する矯正器具の種類やホワイトニング方法によって決まります。
まずは3つのホワイトニング方法を紹介します。
歯科医院でおこない短期間で効果の出るオフィスホワイトニング、サロンでおこなうちょっとした着色汚れやくすみを落とすセルフホワイトニング、ご自宅でおこない長期間かけて白くするホームホワイトニングの3つです。
ワイヤー矯正をするなら
オフィスホワイトニングはできない
歯の表面に矯正器具をつける表側矯正の場合、オフィスホワイトニングは同時にできません。
矯正器具が邪魔になり、ホワイトニングをしても期待していた通りの効果が出ません。
歯列矯正中は知覚過敏になりやすいです。そのため、ホワイトニングの中で最も高濃度な薬剤を使うオフィスホワイトニングをすると、歯がしみやすくなります。
またオフィスホワイトニングは効果が非常に高い分、矯正器具がついている部分とついていない部分で白さに差が出ます。
裏側矯正ならオフィスホワイトニングができる
歯の裏側に矯正器具をつける舌側矯正なら、オフィスホワイトニングはできます。
歯を動かすことには変わりないため歯はしみやすいですが、白くしたい表側に矯正器具がつかないので、ホワイトニングは可能です。
セルフホワイトニングはできない
オフィスホワイトニングと同じく、矯正器具が盾となりきれいにホワイトニングができません。
しかしサロンでは歯の汚れを落とす作用のある溶液を使います。歯科医院で使用する高濃度の薬剤に比べて刺激が少ないです。なのでオフィスホワイトニングよりも矯正中の知覚過敏が出にくくなります。
ホームホワイトニングはできない
ホームホワイトニングはマウスピースをつくり、ジェルを入れて装着する必要があります。矯正器具がついているとマウスピースが歯に装着できないからです。
マウスピース矯正をするなら
すべてのホワイトニングが可能
マウスピースが外せるため、どのホワイトニング方法も同時にできます。
特にホームホワイトニングは時短になる
矯正用のマウスピースにホームホワイトニング用の薬剤を塗布して、矯正治療とホワイトニングを同時にできます。
ホームホワイトニングは「白くなった」とホワイトニング効果を実感できるようになるまでに長くて3ヶ月ほどかかるといわれています。長い時間をかけてマウスピース矯正したあとに、今度は3ヶ月間ホワイトニングでマウスピースをつけることが必要になり、二度手間で面倒に感じる方もいるかもしれません。
ホームホワイトニングをする時の注意点
矯正用のマウスピースはホワイトニング用のマウスピースよりも硬く、歯に密着するように作られています。したがってホームホワイトニングの薬剤がはみ出てムラができる可能性があります。
ホワイトニングを始める最適なタイミング
患者さまの考え方や希望にもよりますが、ホワイトニングを始める最適なタイミングは2つあります。
矯正治療前
ワイヤー矯正を始めてしまうと、矯正器具を外すまでホワイトニングができなくなります。
2年ほど装置を外すことができなくなるため、矯正中に歯に着色がつきやすくなります。
色が気になって仕方ない、今すぐ歯を白くする必要がある場合は矯正治療前にしても構いません。
しかしホワイトニングを先にしても、表側矯正を始めれば2年間はどのホワイトニングもできなくなります。せっかく白くした歯がまた色戻りしてしまうのでそこは覚悟が必要です。
矯正治療後
最もおすすめのホワイトニングをするタイミングは矯正治療後です。
ホワイトニングを始めたら効果が最も早く出るうえ、白さをより感じられるからです。
それは矯正治療中にどうしても黄ばんでしまった歯を白くすると、色の変化がわかりやすいからです。
歯並びが整っていないうちから薬剤を塗布しても、歯の細部まで届かずに白くなりづらい部分が出てきます。矯正器具が原因で口呼吸をしていることもあるので、すぐに着色してしまう恐れもあります。
矯正完了後であれば、歯並びが整っていて薬剤が均一に塗布できますし、ホワイトニングの効果が出やすくなり、後戻りもしにくくなります。
まとめ
今回は、矯正治療中にホワイトニングはできるのかに加えてホワイトニングを始める最適なタイミングも解説いたしました。
歯並びの状態によって使用する矯正器具も異なります。また、歯の黄ばみの方が気になるのか、歯並びの方が気になるのかにもよっておこなう順番も変わります。
まずは自分の歯並びを歯科医に診てもらいましょう。使用できる矯正器具はどれかを知ってからホワイトニングについて担当歯科医に相談してみましょう。