歯並びや噛み合わせを整える矯正には色々な方法がありますが、マウスピース矯正に興味を持っている方は多いのではないでしょうか。
ワイヤー矯正などより目立たたないので、矯正期間中に人目が気になりません。また、自分で取り外しができるので食事がしやすいですし、歯磨きがいつも通りにできるので口の中を清潔に保つことができます。
子供の矯正でも、様々なマウスピースが使われています。
子供の矯正って?
歯列矯正は大人になってからでもできますが、子供のころから始めるとより理想的な治療を行うことができます。大人になってから矯正を始める場合は、歯を動かすことが矯正治療のメインとなります。 顎の骨の成長がすでに終わっているため、歯を動かすスペースがなければ抜歯をする必要がありますし、歯列矯正が難しいケースもあります。
しかし、成長途中であり骨が柔らかい子どものころから矯正を始めれば、顎の成長をコントロールすることが可能です。永久歯が生えてくるスペースを確保したり、顎骨のバランスを整えることができるのです。
子供の矯正で使うマウスピースの種類
子供のマウスピース矯正でよく使用される装置を、いくつかご紹介していきます。
子供の矯正(第一期矯正)は、歯並びを一本一本整えるというよりは、成長を利用して顎のバランスや舌の位置などを整えることがメインです。マウスピースを装着して良い影響を与えることによって、顎骨などの成長を正常に導くことができます。
○ムーシールド
ムーシールドは、反対咬合(受け口)の早期治療に用いられるマウスピース矯正装置です。
乳歯が生えそろう3歳ごろから使用可能で、特に乳歯列期に治療を開始すると正常な顎骨の成長を促すことができます。
主に就寝時に装着し、上口唇圧が排除され上顎の成長が促されます。また、舌圧と口唇圧のバランスを整え、低位舌が高位になることによって受け口が改善されます。
○T4K(ティーフォーケィ)
T4Kは、トレーナー・フォー・キッズの頭文字を取ったもので、口腔筋機能をトレーニングするための装置です。
叢生(乱ぐい歯)、上顎前突(出っ歯)、交差咬合など様々な歯並びに対応します。
一日一時間以上装着することによって、お口周りの筋肉(口腔筋)が鍛えられ、正しい顎や歯の成長を促してくれます。また、間違った舌の位置や口呼吸などの悪癖を改善し、正しい舌の使い方、食べ方、飲み込み方に導きます。
○プレオルソ
10歳くらいまでの骨の柔らかい時期に使うことで、歯並びが悪くなるのを予防するマウスピース式矯正装置です。歯並び・噛み合わせを改善し、お口周りの筋肉のバランスを整えます。また、口呼吸から鼻呼吸に改善したり、舌のトレーニングにより正しい飲み込みや発音にしたりする効果があります。
症状に応じて3タイプがあり、2種類の硬さ、複数のサイズがあります。
・Type1:上顎前突(出っ歯)、叢生(乱ぐい歯)、過蓋咬合、保定用
・Type2:開咬症用
・Type3:反対咬合(受け口)用
○マイオブレーズ
3歳から15歳ごろに装着する、早期予防矯正装置です。1日1時間と就寝時にマウスピースを装着することによって、間違った口腔習慣に対処し、歯列弓を拡大しながら歯と顎を正しい位置に整えます。
○インビザラインファースト
インビザラインの中でも子供に特化しているインビザラインファーストは、2019年にリリースされた比較的新しい矯正方法です。治療の段階に合わせて新しいマウスピースに交換しながら、徐々に歯を動かしていきます。
今までの小児矯正方法とは違い、歯列を拡大する治療と、1つ1つの歯を動かして綺麗に並べる治療を同時に行うことができます。
適用条件が決まっていて、第一大臼歯が萌出し、前歯のうち少なくとも2歯が2/3以上萌出し、少なくとも3/4顎に乳歯または未萌出の永久歯が2歯以上ある必要があります。年齢でいうと、6歳から10歳ごろの子供が対象ということになります。
マウスピースを自分で取り外しができるので便利ですが、装着時間(1日約20時間以上)を守らないと効果はでません。
子供のマウスピース矯正のメリット・デメリット
○メリット
・目立ちにくい
・痛みや煩わしさが他の治療方法より少ない
・抜歯などの負担が少ない
・取り外していつも通り歯磨きができるため、虫歯のリスクが低い
・骨格が正常に近づき美しい口元(Eライン)になる
・口呼吸などの悪癖が改善される
○デメリット
・マウスピースを一定時間入れていないと効果が出ない
・将来歯が動いてしまったり再矯正が必要になったりすることがある
小児矯正でもよく使われているマウスピース
子供の歯並びを治すための、マウスピース矯正についてご紹介しました。様々なマウスピース矯正の方法がありますが、どんな矯正方法が合っているのかは一人ひとり違います。興味がある方は、矯正歯科で相談し、精密検査を受けてみましょう。
歯並びを綺麗にしたくても、時期を逃すと矯正が難しくなってしまったり、抜歯や手術が必要になってしまうことがあります。今すぐ矯正を始めるにしても、矯正を始めないにしても、歯並びが気になった時点で相談してみることが大切です。
小児矯正だけで歯並びが治る子供さんもいますが、他の矯正方法に移行する必要があることもあります。また、一度治療が完了したとしても、成長して再治療が必要となるケースもあります。女子は15歳くらいまで、男子は18歳くらいまで顎骨が成長しますので、それまでは必ず定期検診を受け経過観察をするようにしましょう。
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