2020.08.25更新

歯並びや噛み合わせを整える矯正には色々な方法がありますが、マウスピース矯正に興味を持っている方は多いのではないでしょうか。

ワイヤー矯正などより目立たたないので、矯正期間中に人目が気になりません。また、自分で取り外しができるので食事がしやすいですし、歯磨きがいつも通りにできるので口の中を清潔に保つことができます。

子供の矯正でも、様々なマウスピースが使われています。

 

子供の矯正って?

歯列矯正は大人になってからでもできますが、子供のころから始めるとより理想的な治療を行うことができます。大人になってから矯正を始める場合は、歯を動かすことが矯正治療のメインとなります。 顎の骨の成長がすでに終わっているため、歯を動かすスペースがなければ抜歯をする必要がありますし、歯列矯正が難しいケースもあります。

しかし、成長途中であり骨が柔らかい子どものころから矯正を始めれば、顎の成長をコントロールすることが可能です。永久歯が生えてくるスペースを確保したり、顎骨のバランスを整えることができるのです。

 

子供の矯正で使うマウスピースの種類

子供のマウスピース矯正でよく使用される装置を、いくつかご紹介していきます。

子供の矯正(第一期矯正)は、歯並びを一本一本整えるというよりは、成長を利用して顎のバランスや舌の位置などを整えることがメインです。マウスピースを装着して良い影響を与えることによって、顎骨などの成長を正常に導くことができます。

 

○ムーシールド

ムーシールドは、反対咬合(受け口)の早期治療に用いられるマウスピース矯正装置です。
乳歯が生えそろう3歳ごろから使用可能で、特に乳歯列期に治療を開始すると正常な顎骨の成長を促すことができます。

主に就寝時に装着し、上口唇圧が排除され上顎の成長が促されます。また、舌圧と口唇圧のバランスを整え、低位舌が高位になることによって受け口が改善されます。

 

○T4K(ティーフォーケィ)

T4Kは、トレーナー・フォー・キッズの頭文字を取ったもので、口腔筋機能をトレーニングするための装置です。

叢生(乱ぐい歯)、上顎前突(出っ歯)、交差咬合など様々な歯並びに対応します。

一日一時間以上装着することによって、お口周りの筋肉(口腔筋)が鍛えられ、正しい顎や歯の成長を促してくれます。また、間違った舌の位置や口呼吸などの悪癖を改善し、正しい舌の使い方、食べ方、飲み込み方に導きます。

 

○プレオルソ

10歳くらいまでの骨の柔らかい時期に使うことで、歯並びが悪くなるのを予防するマウスピース式矯正装置です。歯並び・噛み合わせを改善し、お口周りの筋肉のバランスを整えます。また、口呼吸から鼻呼吸に改善したり、舌のトレーニングにより正しい飲み込みや発音にしたりする効果があります。

症状に応じて3タイプがあり、2種類の硬さ、複数のサイズがあります。

・Type1:上顎前突(出っ歯)、叢生(乱ぐい歯)、過蓋咬合、保定用
・Type2:開咬症用
・Type3:反対咬合(受け口)用

 

○マイオブレーズ

3歳から15歳ごろに装着する、早期予防矯正装置です。1日1時間と就寝時にマウスピースを装着することによって、間違った口腔習慣に対処し、歯列弓を拡大しながら歯と顎を正しい位置に整えます。

 

○インビザラインファースト

インビザラインの中でも子供に特化しているインビザラインファーストは、2019年にリリースされた比較的新しい矯正方法です。治療の段階に合わせて新しいマウスピースに交換しながら、徐々に歯を動かしていきます。

今までの小児矯正方法とは違い、歯列を拡大する治療と、1つ1つの歯を動かして綺麗に並べる治療を同時に行うことができます。

適用条件が決まっていて、第一大臼歯が萌出し、前歯のうち少なくとも2歯が2/3以上萌出し、少なくとも3/4顎に乳歯または未萌出の永久歯が2歯以上ある必要があります。年齢でいうと、6歳から10歳ごろの子供が対象ということになります。

マウスピースを自分で取り外しができるので便利ですが、装着時間(1日約20時間以上)を守らないと効果はでません。

 

子供のマウスピース矯正のメリット・デメリット

 

○メリット

・目立ちにくい
・痛みや煩わしさが他の治療方法より少ない
・抜歯などの負担が少ない
・取り外していつも通り歯磨きができるため、虫歯のリスクが低い
・骨格が正常に近づき美しい口元(Eライン)になる
・口呼吸などの悪癖が改善される

 

○デメリット

・マウスピースを一定時間入れていないと効果が出ない
・将来歯が動いてしまったり再矯正が必要になったりすることがある

 

小児矯正でもよく使われているマウスピース

子供の歯並びを治すための、マウスピース矯正についてご紹介しました。様々なマウスピース矯正の方法がありますが、どんな矯正方法が合っているのかは一人ひとり違います。興味がある方は、矯正歯科で相談し、精密検査を受けてみましょう。

歯並びを綺麗にしたくても、時期を逃すと矯正が難しくなってしまったり、抜歯や手術が必要になってしまうことがあります。今すぐ矯正を始めるにしても、矯正を始めないにしても、歯並びが気になった時点で相談してみることが大切です。

小児矯正だけで歯並びが治る子供さんもいますが、他の矯正方法に移行する必要があることもあります。また、一度治療が完了したとしても、成長して再治療が必要となるケースもあります。女子は15歳くらいまで、男子は18歳くらいまで顎骨が成長しますので、それまでは必ず定期検診を受け経過観察をするようにしましょう。

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投稿者: 西本歯科医院

2020.08.06更新

セラミックの詰め物(インレー・アンレー)や、被せ物(クラウン)が取れてしまう原因とその対処法や、取れたまま放置するとどうなってしまうのか?などについてご紹介していきます。

 

セラミックが取れる原因

セラミックの詰め物や被せ物は、保険適応の材料である銀歯やレジン前装冠などよりも精度が高いため、取れるリスクは少ないと言われています。また、専用の接着剤を用いて隙間なく歯と詰め物を一体化させ接着しますので、簡単には外れません。

そんなセラミックですが、取れる可能性はあります。セラミックが取れる原因について、具体的にご紹介していきます。

 

○セラミックが取れやすい歯の形

歯科医が歯を削り、その形に合わせてセラミックのインレーやアンレー(詰め物)、クラウンやブリッジ(被せ物)などを製作しますが、削り方によっては取れやすいことがあります。単純に虫歯だけ削ればいいというわけはなく、接着力が大きくなるような形に削る必要があるためです。

ただ元々の虫歯が大きすぎる場合などは十分な接着面積を得ることが難しいので、どうしても取れやすくなってしまうというケースがあります。

 

○虫歯

詰め物や被せ物を入れて長い年月が経つと、劣化などによって隙間から細菌が入り、そこから虫歯になってしまうことがあります(二次虫歯)。虫歯になると、詰め物や被せ物は取れやすいです。

セラミックの場合は、銀歯よりも天然歯との適合性がよく、歯と分子レベルでしっかりと接着することができるので隙間から細菌が侵入するリスクは低いです。また素材そのものがツルツルしているのでプラークなどの汚れが付きにくく、二次虫歯になりにくいといわれています。

 

○接着剤の劣化

詰め物や被せ物は歯科用の接着剤で接着・合着しますが、長い年月が経つと接着剤が劣化し外れやすくなります。

○素材の経年劣化

素材の経年劣化により、取れやすくなります。
銀歯は長い時間をかけて口の中で腐食しますし、レジン(プラスチック)は摩耗しますので、それによって外れやすいです。
セラミックは経年劣化が少ない素材ですが、強い衝撃を受けると破損することがあります。

○歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりをする方は、何度もセラミックが外れるケースがあります。

 

○噛み合わせ

噛み合わせの調整が不十分だと、一点に力が加わるので取れやすくなります。
また、セラミックやジルコニアは天然歯より硬いため、何年も経つとそこだけ噛み合わせが高くなってしまい、外れたり割れたりしやすくなるケースがあります。
定期的に噛み合わせをチェックしてもらいましょう。

 

○事故

事故で強い衝撃が加わり、セラミックが取れたり割れたりすることがあります。

 

セラミックが取れた時の対処法

セラミックが取れてしまった場合は、どうしたらよいのでしょうか?

○取れたセラミックを持ってすぐに歯医者に行く

取れたセラミックは再度接着できるケースがあります。絶対に捨てないで、できるだけ早めに歯科医院へ持っていきましょう。

 

○刺激を与えない

詰め物や被せ物が取れた歯は、刺激を受けやすく痛みを感じやすい状態です。冷たいものや熱いものの飲食を控え、なるべく刺激を与えないように心がけましょう。

 

○硬いものを噛まない

詰め物が取れた場合、歯が薄く欠けやすい状態になっています。食事の際は、取れた歯と反対側でそっと噛むようしましょう。

 

○清潔に保つ

食べた物が挟まりやすい状態になっていますので、優しく歯ブラシを当てたり、フロスを使ったりして清潔に保ちましょう。

 

○自分で接着しない

ご自身で取れたものを接着剤で付けないようにしましょう。

市販の接着剤は、口の中に入れると有害なものがあります。また、雑菌が付いたまま歯に接着すると、残った歯が虫歯になってしまったり、歯の根に膿が溜まったりするため、結果的に歯の寿命が短くなります。

さらに、一度付けた接着剤は歯やセラミックにこびりついてしまい、綺麗に取り除くことが難しいです。歯を削らなければ取れないというケースもありますので、ご自身では絶対に付けないでください。

 

取れたまま放置すると起こる問題

詰め物や被せ物が取れたまま放置すると、様々な問題が起こります。

 

○虫歯になったり欠けたりする

被せ物や詰め物が取れた歯は、弱く柔らかい歯質(象牙質)がむき出しになっていることがあり、虫歯になったり欠けたりしやすいです。

 

○隣の歯が倒れてきたり噛み合わせの歯が伸びてきたりする

クラウンやブリッジなど大きな被せ物が取れたまま長期間放置すると、隙間に向かって歯が動いてきてしまいます。横の歯が無くなるとどんどん倒れてきてしまいますし、噛み合わせの歯が無くなると、どんどん歯ぐきの中から出てきてしまいます。

そのまま長年放置していると、歯並びが全体的にガタガタになってしまいます。そうなると治療は難しく、歯を大きく削ったり抜歯したりしなければなりません。

 

○顎関節症になったり顔がゆがんだりする

歯並びがガタガタになると、噛み合わせにも悪影響がでます。そのため顎に痛みが出ることがあります。また、歯並びが悪くなるとお顔がゆがむこともあります。

 

○口内炎や癌になる

詰め物が外れたまま食事を続けていると、とがった部分が口の粘膜に刺激を与え続け、口内炎が発生することがあります。
そのまま放置していると壊死を起こし褥瘡性潰瘍となり、舌がんや口腔がんに変化するケースがあります。

まとめ

セラミックが取れてしまう原因や対処法について、ご紹介しました。
もしも取れてしまっても慌てずに、なるべく早めに歯科医院へ持っていき接着してもらいましょう。

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投稿者: 西本歯科医院