出っ歯で前歯矯正を考えているけれど、「横顔美人」になれるのか疑問に思った方は多いのではないでしょうか?今回は横顔美人の条件と、前歯矯正で横顔美人になれるのか解説します。
横顔美人の条件
Eラインや黄金比はファッション雑誌やメイク雑誌に取り上げられて、ご存じの方も多いのではないでしょうか。歯科の分野でも口元の美しさ、お顔と歯のバランスなど基準が設けられています。スマイルライン、リップライン、ゴールデンプロポーションとさまざまな基準がありますが、ここでは横顔美人の基準を紹介します。
Eライン
Eラインはエステティックラインのことで、鼻の先端と顎の先端を結んだ線に対して、唇に接しているか、ほんの少し後ろにあると美しい横顔と言われています。
鼻唇角
Nasolabial angleと呼ばれており、鼻の先端から付け根と鼻の付け根から上唇の先端の角度を指しています。この角度が90~100°が理想的です。
オトガイ部の緊張状態
オトガイ部は下顎の先端を指しています。理想的なオトガイ部はS字カーブを描いていて、出っ歯や口コボで唇が閉じにくい場合、オトガイ部が緊張状態になり、梅干しのようなシワができます。
歯並びと横顔の関係
整った歯並びと横顔は密接な関係があります。上述したように横顔美人の条件の一つにEラインが挙げられます。例えば、出っ歯は上顎の前歯が前に出ている状態になり、口元が突出した状態になります。
このようなケースでは、矯正治療を行い歯並びが整うと口元の突出量が減り、理想のEラインに近づけることが可能です。 矯正治療はかみ合わせの改善を目的とした治療方法ですが、かみ合わせの改善をした結果、歯並びとEラインの改善が見込めます。
前歯矯正で横顔美人になれる?
矯正治療でも種類があり、前歯矯正を考えている方も多いはず。前歯矯正で横顔美人になれるかは、イエスでもありノーでもあります。これは症例によって異なるからです。
例えば、骨格が原因ではなく、幼少期のおしゃぶりや舌で歯を押す癖で生じた軽度の出っ歯は、前歯矯正でEラインを変えられる可能性があります。しかし、骨格が原因で出っ歯を生じている場合は前歯矯正では十分に改善できない可能性があります。
前歯矯正で横顔美人になれるかは、歯科医院での適切な検査を受けて、ご自身に合った治療方法の選択をすることが非常に大切です。
全額矯正で横顔美人になれる?
歯並びを横顔美人は関係しているので、歯全体を移動する全額矯正は、Eラインが改善する可能性があります。
例えば出っ歯の方は上唇の先端がEラインよりも前に突出した状態になっています。このような場合は、前歯を後方に動かすことでEラインの改善が見込めます。
しかし、矯正治療を行ったからといって必ず横顔美人になるとは限りません。骨格や鼻の高さによって矯正治療では横顔美人にならない可能性があります。このような場合は美容整形の領域になります。
横顔美人が得られる可能性がある症例
上記では出っ歯の症例を例に挙げましたが、下記の症例でも矯正治療によって横顔美人が得られる可能性があります。
出っ歯
上の前歯が前に出ている状態。歯科用語では上顎前突(じょうがくぜんとつ)と言います。歯並び全体を後方に移動することで、口元の突出を改善することが可能です。 軽度の症例では前歯矯正でも改善する可能性があります。
受け口
下の前歯が上の前歯よりも出ている状態のことを指します。歯科用語では下顎前突(かがくぜんとつ)と言います。 軽度の場合は全額矯正治療で改善することができますが、重度の場合は手術を行う必要があります。
でこぼこした歯
歯の並びがでこぼこしている状態のことを指します。歯科用語では叢生(そうせい)と呼ばれており、軽度の症例では前歯矯正で改善することができますが、ほとんどの症例では歯が生えるスペースが足りていないため、抜歯をして全額矯正を行います。
噛み合わせが深い
噛んだときに、上の前歯が下の前歯を覆ってしまう状態を指しています。歯科用語では過蓋咬合(かがいこうごう)と呼ばれており、笑うときに歯ぐきが大きく見えてしまうガミースマイルを生じることがあります。 矯正治療で歯の位置を圧下(歯ぐきの方に上げる)ことで改善が見込めます。
かみ合わせが浅い
噛んだときに奥歯は噛んでいるが、前歯は噛んでいない状態のことを指します。歯科用語では開咬(かいこう)と呼ばれています。このような症例でも矯正治療で改善が見込めますが、前歯矯正は困難とされる症例です。
まとめ
横顔美人と歯並びの関係は深く、矯正治療を行うことで改善される可能性があります。しかし、すべての症例で横顔美人になるのではなく、鼻の高さが低い場合は美容外科の領域になります。
前歯矯正で改善できる症例もごく軽度と限られており、横顔美人を目指す方は、矯正や審美の知識と技術がある歯科医院でしっかり診査・診断を行って、適切な治療の選択をすることが望ましいです。