セラミック矯正ができない場合もある
セラミック矯正は別名「クイック矯正」とも呼ばれ、矯正に何年も時間がかかるワイヤー矯正よりも、手軽で短期間に白くて美しい歯を手に入れることが可能です。歯並びを気にされている方の中には、セラミック矯正に興味がある方も多いのではないでしょうか?
しかし、どのような歯並びでも対応できるワイヤー矯正とは異なり、セラミック矯正では、「矯正できない場合」があります。
今回は「矯正ができない場合」の原因とポイントを解説したいと思います。
セラミック矯正ができないケースとは?
次に挙げるのは、セラミック矯正ができないケースです。
◆歯がない場合
セラミック矯正とは、ご自身の歯を削り、その上からクラウン(被せ物)を被せていく方法です。このため土台となる「歯」がないと、クラウンを被せることはできません。
例えば、虫歯で抜歯してしまい、歯がない場合、セラミック矯正は施術できません。ただし、虫歯でも治療が済んでいる場合、セラミック矯正は可能です。
◆歯周病の場合
先にも説明したように、セラミック矯正とは自身の歯にクラウンを被せる方法なので、歯周病で歯肉に影響が出ている場合、まずはその歯周病の治療を行った上で、矯正をしなければなりません。
このあたりに関しては、歯科医師とのカウンセリングや口腔内の検査時、医師から治療方針が提示されるかと思います。
◆麻酔アレルギーの場合
歯を削る際、麻酔注射を打ちます。結果的に、麻酔アレルギーの方はセラミック矯正は受けることができないと考えたほうが良いでしょう。アレルギーは最悪の場合、アナフィラキシーショックを引き起こし、命を落とすことにもつながります。
◆金属アレルギーの場合
金属アレルギーの場合、セラミック矯正が全く受けられないということではありませんが、条件があります。金属のクラウンにセラミックを焼き付けた「メタルボンド」が使えません。
金属アレルギーの方はクラウンの全てがセラミックで作られている「オールセラミック」をすすめられます。
◆乳歯の場合
クラウンを被せる矯正方法なので、永久歯に生え変わる乳歯には適していません。
◆骨格が原因の場合
上顎前突(出っ歯)、反対咬合(受け口)、過蓋咬合、開咬、叢生(乱杭歯・八重歯)、正中離開(すきっ歯)など、歯並びや噛み合わせの問題で矯正を考えられる方は多いかと思います。
セラミック矯正では、きれいな歯並びに治すことはできますが、そもそも骨格が原因で歯並びや噛み合わせに問題がある場合、セラミック矯正では、原因そのものを解消することはできません。
セラミック矯正に適していても、いくつか注意点があります。
では、反対に、セラミック矯正に適している場合はどういったケースになるのでしょうか?
まず、ご自身の歯があることが前提です。この際に注意したいのが、健康な歯でもクラウンを装着するために、削るという行為が発生するということです。
歯を削るというと、虫歯で歯に穴が空いていて、どちらかと言えば、不健康なイメージがあります。なので、健康な歯を削るということに抵抗があるかもしれません。
金属アレルギーの方は、先にも挙げたように、メタルボンドではなく、オールセラミックを選択することをおすすめします。骨格から起因した噛み合わせ・歯並びの悪さについては、自己判断せず、歯科医師に相談してみてください。歯並びが悪い場合でも、セラミック矯正できれいになることもあります。
まだまだ歴史が浅い、セラミック矯正
矯正と聞くとセラミック矯正以外に、ワイヤー矯正も思い浮かべられる方が多いかと思います。
ワイヤー矯正は歴史もあり、その分、症例が多く存在します。ほとんどの場合、ワイヤー矯正は対応できると言われています。また、歯をワイヤーによって正しい位置に正すのがワイヤー矯正ですので、ほとんどの場合、歯を削る・拔くということはありません。(場合によって抜歯はあります)
一方、セラミック矯正は1950年代より徐々に広まってきた矯正方法なので、なかなか症例が集まっていない現状もあり、「セラミック矯正ができない」ということが発生してしまいます。
今回は、「セラミック矯正ができない場合」について説明しました。ただし、先に挙げたケースは一般論です。皆さんそれぞれの歯の状態がありますので、まずは専門家である、歯科医師に相談してみるのが一番だと思います。
大阪の西本歯科医院では、「歯」を通じて、素敵な笑顔を常に出し、輝く人生を送っていただきたいと考えています。
平日は夜19時半まで診療をしております。会社帰りにぜひ一度、セラミック矯正のご相談にお越しください。