2021.04.23更新

セラミックはプラークや着色が付きにくい素材です。保険の被せ物、詰め物よりもメリットが多いことからセラミックを選ぶ方も多いはず。

保険が適応されない治療のため、大切にしたいもの。ここではセラミックの歯を磨いてもいいのか?注意点やおすすめのメンテナンス方法を紹介します。

 

セラミックは日頃の歯ブラシが大切

汚れが付きにくい素材として知られているセラミックですが、美しく保つためには日頃の歯ブラシが非常に大切です。

歯ブラシを怠ってしまうとセラミックの詰め物や被せ物の間に汚れが溜まってしまい、虫歯の原因となります。セラミックを入れたから安心ではなく、虫歯にならないようにセルフケアとメンテナンスをしっかり行いましょう。

 

セラミックは優しく歯磨きを行う

セラミックは柔らかい歯ブラシを使用し、歯と被せ物の境目を優しく磨きます。硬い歯ブラシで力を入れて磨いてしまうと、歯や歯肉を痛める原因となります。

 

歯磨きのコツ

・ペンを持つときの持ち方にする
・力を入れずに、小刻みに動かす

力が入りすぎてしまうと、歯や歯肉を傷つけてしまいます。ペンを持つときの持ち方にすることで力の加減が可能で、コントロールしやすくなります。

歯ブラシを動かす幅は小刻みに動かします。幅を小さく動かすことによって歯と歯肉の境目に歯ブラシが当たり、汚れを落とすことができます。

 

歯ブラシの毛質はやわらかめ〜ふつうを選ぶ

硬めの歯ブラシを使用すると、歯肉を傷つけてしまう恐れがあります。やわらかすぎても汚れが落としにくくなるので、やわらかめ〜ふつうの毛質を選びましょう。

 

ヘッドはコンパクトなものを選ぶ

小さめのヘッドを選ぶことで、小回りが利き、全ての歯を丁寧に磨くことができます。奥まで歯ブラシが届きやすくなることで、磨きにくい奥歯もしっかり磨くことが可能です。

 

フロスやタフトブラシを使うとより効果的

歯ブラシが届きにくい、歯と歯の間と、歯と歯肉のすき間はフロスを使用して汚れを落とします。フロスは糸巻き型とホルダータイプがあり、初めて使用する方はホルダータイプがおすすめです。

タフトブラシは毛束が1つになっているのが特徴の歯ブラシです。奥歯の溝や歯の裏側を磨くのに適しています。ピンポイントで磨くことができるため、セラミックでは歯と歯肉の境目の汚れを落とすのに適しています。

 

フロス、歯ブラシ、ワンタフトブラシの順番がおすすめ

おすすめのセルフケアは

・フロス
・歯ブラシ
・タフトブラシ

の順番がおすすめです。

フロスで歯垢などの汚れを除去した後に、歯ブラシを使用することで効果的に汚れを落とすことができます。最後にワンタフトブラシで歯ブラシが届きにくい、歯肉と被せ物の間を磨きましょう。

 

セラミックは強い力がかからないように注意

セラミックの欠点として、強い力が加わると割れたり、欠けたりする恐れがあります。

・就寝中歯ぎしり、食いしばりをする
・日中に上下の歯が接触している


場合は注意が必要です。

歯ぎしりくいしばりはナイトガードがおすすめ

就寝中に歯ぎしりや食いしばりをする方はセラミックが割れたり、欠けたりする恐れがあり、注意が必要です。

対処方法はナイトガードというマウスピースを就寝中に使用し、歯にかかる負担を軽減します。ナイトガードは保険が適応されるので、セラミックを入れた方はマウスピースを使用することをおすすめします。

 

上下歯列接触癖(TCH)に注意

日中でも歯を無意識に歯を合わせてしまう「上下歯列接触癖(TCH)」もセラミックにとって大敵です。通常、上下の歯が接触している時間は1日に20分と言われています。

上と下の歯にはわずかなすき間を生じていますが、ストレスや緊張が原因で常に接触することを上下歯列接触癖といいます。

上下の歯の接触時間が長くなると以下の問題点が生じます。

・歯に負担がかかり、割れたり欠けたりする
・口が開きにくい、顎の痛みや違和感が出る顎関節症の原因となる
・頭痛や肩こりの原因になる

など問題が生じます。

上下歯列接触癖の対処方は自覚し、接触しないように意識することです。例えば、目につきやすいテレビやトイレで「歯を離す」といった付箋を貼っておくことで意識ができます。

 

セラミックは定期的なメンテナンスが必要

汚れがつきにくい素材でも、歯科医院での定期的なメンテナンスが非常に大切です。メンテナンスでは普段の歯磨きでは落としきれない汚れを、特殊な機械を使ってクリーニングし、セラミックや歯と被せ物の間に異常がないかチェックをします。

定期的なメンテナンスはセラミックを長持ちさせるために必要不可欠です。

 

まとめ

セラミックは歯磨きを怠ってしまうと詰め物、被せ物の間から虫歯になる可能性があります。汚れがつきくい素材ですが、日頃の歯磨きは非常に大切です。

歯ブラシはやわらかめ〜ふつうの歯ブラシを使用し、優しく小刻みに動かすのがポイント。フロスやワンタフトブラシで汚れの除去率を高めることができます。また、歯ぎしりや食いしばり、日中の歯の接触にも気をつけましょう。

セラミックは保険が適応しない高額な治療方法ですが、審美性に優れた素材です。長持ちさせるためには日頃のケアと定期的なメンテナンスを行うことで美しく保つことができます。

投稿者: 西本歯科医院

2021.04.10更新

近年マウスピース矯正は「目立たない矯正治療」として確立しています。インビザラインやアソアライナーというシステムの名称を聞いたことがある方も多いのでは。このようにマウスピース矯正には様々な種類があります。ここではマウスピース矯正の種類や特徴について解説します。

 

マウスピースの治療方法は全額矯正と部分矯正の2種類

マウスピース矯正には前歯を中心に動かしていく部分矯正と、全ての歯を動かす全額矯正の2種類に分かれます。

 

部分矯正は軽い症例から中等度の症例に適している

マウスピース矯正が最も得意とするのは、前歯を動かす部分矯正です。
例えば、前歯のすきっ歯を治したいなど、一部のでこぼこした歯並びを治したいなど、軽〜中等度の症例に適しています。
全額矯正と比べ、短期間で治療ができます。

 

全額矯正は軽い症例〜難症例に適している

歯にアタッチメントと呼ばれる装置を装着することによって、マウスピース矯正でも難症例に対応することが可能になりました。奥歯も動かすことによって噛み合わせの改善もできます。

しかし、抜歯が必要な場合や、重度のでこぼこした歯並びは治療が難しく、ワイヤー矯正が適している場合があります。

 

世界のトップシェアを誇るインビザライン

米国のアラインテクノロジー社から提供されている、世界のトップシェアを誇るマウスピース矯正です。インビザラインは各症例ごとに対応できるシステムを採用しています。

 

インビザライン・コンプリヘンシブパッケージ

全額矯正を目的としているシステムです。マウスピースの作製枚数に制限がないため、難症例にも対応ができます。他のマウスピース矯正と比べると価格は高価ですが、治療期間に制限がないため、途中で計画を変更できるなど柔軟に対応ができます。

 

インビザライン・ライトパッケージ

前歯に特化したシステムです。約7ヶ月間の短い期間で矯正が終了できるような症例が対象です。すきっ歯など軽度な症例が適しており、低価格で歯並びを改善することができます。

 

インビザライン・エクスプレスパッケージ

ライトパッケージよりもさらに軽度な症例に適しているシステムです。約3〜4ヶ月で矯正が終了できる症例が対象です。
1〜2本の歯を動かす、少しの隙間などに適しています。

 

インビザラインティーン

11〜16歳までが対象のシステムです。人の目が気になる多感な時期でも目立たずに矯正ができます。奥歯の目立たない場所に装着時間によって色が変化するコンプライアンス・インジケーターが搭載されており、おおよその装着時間を確認することができます。

 

インビザラインiGOシステム

第二小臼歯までの前歯に特化した矯正システムです。デジタル技術を駆使し、治療の予測が可能で正確な治療期間を知ることができます。

 

部分矯正が可能なアソアライナー

前歯に特化した部分矯正です。軽度の症例や矯正後の後戻りなどに適しています。月に1度歯型を取り、国内の専用ラボでマウスピースを作製します。
歯の移動量を測定し解析してからマウスピースが作製されるので、誤差が生じにくく、計画通りに矯正を進めることが可能です。

 

クリアコレクトは米国のシェア第2位のマウスピース矯正

インプラントメーカーの最大手であるストローマン社が提供しているマウスピース矯正です。米国ではインビザラインに次いでシェア第2位です。インビザラインとほぼ同様の矯正システムで、全額矯正が可能。

3Dスキャンで歯型を取り、1度のスキャンで全てのマウスピースが作製されます。インビザラインよりもマウスピースが薄く、違和感が少なくなっています。歯肉を覆う形状をしており、歯を動かす力が強くなってるのが特徴です。

 

キレイラインは前歯の軽症例に特化

2017年から登場した格安マウスピース矯正です。SNSや広告で目にする機会が増えたキレイライン。前歯の軽度な症例のみに対応している部分矯正です。例えば、前歯のすきっ歯や軽度のでこぼこした歯、矯正後の後戻りが適用となります。

一般的なマウスピース矯正と比べると価格が安く設定されており、目安の費用は10〜30万円程度です。

 

まとめ

マウスピース矯正は前歯だけ動かす部分矯正と、歯全体を動かす全額矯正に分けられます。歯の表面にアタッチメントを装着することによって、難症例にも適応するようになりました。

しかし、マウスピースでは歯の移動量が大きくなる症例は不向きとされています。例えば出っ歯、ねじれた歯、骨格的に問題がある場合はマウスピース矯正よりもワイヤー矯正や外科的処置が必要です。

2017年より、格安マウスピースが誕生してから矯正の敷居は低くなりましたが、部分矯正向きで全額矯正はできません。適応症例を知らずに、安いだけで矯正を初めてしまうと思わぬトラブルが発生してしまいます。

矯正を始める際は、歯科医院で診査、診断を受け症例にあった矯正方法を選択するようにしましょう。

投稿者: 西本歯科医院