2021.12.25更新

プチ矯正で八重歯は治せる?部分矯正ができる例とできない例をご紹介!

日本では「八重歯」はそこまで悪いイメージはありませんでした。しかしながら、歯並びで考えると八重歯もあまり良くない状態であり、矯正治療によって治すことも必要です。八重歯の場合、患者さんによっては「プチ矯正・部分矯正」だけで改善できるケースもあります。そこで、八重歯を部分矯正できる場合と、そうでない場合の違いについて解説します。

 

八重歯を矯正するべき理由

八重歯は、日本ではそこまで悪いイメージとして扱われていません。しかし、以下の理由から八重歯も矯正治療の対象として考えるべきなのです。

 

噛み合わせが良くない

八重歯は、噛み合わせがあまり良くありません。八重歯である犬歯は、噛み合わせの上ではとても重要な歯であり、歯列全体にかかる負担を分散する大切な役割を担っている歯なのです。

犬歯が八重歯になっていると、上下の犬歯がうまく噛み合わなくなってしまうため、他の歯(特に奥歯)に過度な負担がかかりやすくなってしまいます。この状態が続いてしまうと、他の歯が傷ついてしまい、虫歯や知覚過敏などのトラブルが発生するリスクが高くなるのです。さらに、顎に大きな負担がかかることによって、顎関節症などのトラブルが発生するリスクを高める点も無視できません。

 

犬歯が虫歯になりやすい

犬歯が八重歯になると、歯並びにある程度の「重なり」ができてしまいます。この状態だと表裏どちらからも歯磨きがしにくくなるため、虫歯や歯周病などの歯のトラブルになるリスクが高くなるのです。

さらに、噛み合わせのバランスが悪いことで歯への負担が生じることにより、歯周病に似た症状を起こすトラブル「咬合性外傷」を引きおこすリスクを高めます。咬合性外傷がひどくなると歯がぐらついたり、歯が割れたりするといった症状が出てしまうのです。この状態を放置すると、最悪の場合だと抜歯を必要とするケースもあります。

このように、八重歯を放置すると歯のトラブルを引き起こしやすいのです。健康な歯をいつまでも残したいという方は、早めに八重歯の矯正治療を始めることを検討することをおすすめします。

 

八重歯の部分矯正

歯科矯正を始めるとなると、大掛かりな器具を長い期間付け続けなければならないという印象をお持ちの方も多いでしょう。実際、患者さんの歯並びの状態によっては、年単位で矯正治療を続けなければならないケースもあります。

しかし、八重歯の矯正の場合だと、いわゆる「プチ矯正・部分矯正」だけで改善できるケースもあるのです。

 

部分矯正とは?

部分矯正とは、いわゆる「プチ矯正」と呼ばれる矯正治療であり、数本の歯にだけ矯正器具を取り付けて、短期間で治療を完了させるタイプの矯正治療です。一般的な矯正治療が1~2年あるいはそれ以上かかるのに対して、部分矯正の場合は3か月~1年で治療が完了します。

一般的な歯科矯正と比較すると、適応できる症例は限られています。しかし「ちょっと歯並びが気になる」「ちょっとだけ歯を動かして調整したい」といったニーズに応えるのに適しており、治療の負担を最小限に抑えて歯並びのちょっとした悩みを解消するのに適している治療法なのです。

 

八重歯で部分矯正できない症例

前述の通り、部分矯正には適応症例が限られています。ある程度の歯並びを治したいとなれば、一般的な矯正治療を受けた方が患者さんの希望を叶えるのに役立つでしょう。結論を述べると、患者さんの歯並びの悪さが軽度である場合であれば、部分矯正によって八重歯を改善することができるでしょう。

では、軽度とはいえない八重歯とは、どのような状態なのでしょうか?

例えば「前歯にある程度のスペースを確保できない」といった場合です。八重歯の部分矯正では、八重歯を動かして改善する必要がありますので、動かす先となるスペースを確保する必要があります。現状の歯並びや歯の状態を考慮して、部分矯正で動かすためのスペースを十分に確保できない場合は、全体的な歯科矯正や抜歯などを必要とするのです。

他には「八重歯以外の歯並びの問題がある」という場合です。八重歯の他にも出っ歯や過蓋咬合などの症状がみられる場合、部分矯正で八重歯だけを治しても噛み合わせの根本的な原因をすべて取り除くことはできません。これらの歯並びの問題を同時に解消するためには、一般的な大掛かりな歯科矯正を行う必要があるのです。

このように、軽度とはいえない歯並びの状態である患者さんの場合、部分矯正による八重歯の解消はおすすめできません。詳しくは担当医と相談して、しっかりと歯並びの状態を改善することをおすすめします。

 

まとめ:八重歯も軽度ならプチ矯正・部分矯正ができる

八重歯で悩んでいる方は、プチ矯正・部分矯正も選択肢の1つであることを念頭に置いておきましょう。ただし、すべての症例において部分矯正が適応できるわけではありません。担当医としっかり話し合い、歯並びの悩みをしっかりと解消できる治療法を選択してください。

投稿者: 西本歯科医院

2021.12.12更新

マウスピース矯正は抜歯が必要?抜歯のタイミングについて

歯科矯正を利用するにあたって「矯正のための歯を抜く必要があるケースがある」という話を聞いたことがあるかもしれません。矯正のためとはいえ、健康な歯を抜きたくないと考える方は多いでしょう。そこで、マウスピース矯正において抜歯は必要なのか、抜歯するとすればどのタイミングで行うのかについて解説します。

 

マウスピース矯正で抜歯は絶対に必要?

マウスピース矯正において、抜歯を推奨されるケースもありますが、あえて非抜歯でマウスピース矯正を進めるケースもあります。

 

なぜ抜歯が必要になるの?

そもそも歯科矯正において健康な歯を抜いてしまわなければならない最大の理由は「歯を動かすためのスペースを確保するため」です。歯科矯正とは、要するに良くない歯並びの状態を、歯を少しずつ動かすことによって綺麗で健康的な歯並びに変える治療のことをいいます。歯を動かすということは、動かす先に空きスペースがなければなりません。矯正治療のための歯を動かす際に必要な空きスペースを確保するために、抜歯を行って1本分のスペースを確保するのです。

 

抜歯は矯正で必ず必要になるの?

歯科矯正において、抜歯は選択肢の1つであり、必ずしも抜歯しなければ歯科矯正を進められないというわけではありません。そもそも抜歯が必要になる理由は「歯を動かすためのスペースの確保」ですから、別の方法で必要なスペースを確保すれば良いのです。例えば数本の歯を薄くスライスすることで、必要なスペースを確保するという方法があります。

ただし、必ずしも抜歯以外の選択肢をどの患者さんも選択できるというわけではありません。歯科治療全般に言えることですが、患者さんの歯の状態は一人一人で大きく異なりますので、最善の治療法として考えられる選択肢も患者さんごとに異なります。抜歯することが最善の選択肢であり、他の選択肢だとデメリットが大きくなるというケースも考えられるでしょう。

抜歯するかしないかについては、担当医としっかりと話し合い、納得できる最善の選択肢を見つけ出すことをおすすめします。

 

マウスピース矯正でいつ抜歯を行う?

患者さんの歯の状態によって治療計画は大きく異なります。多くの場合は「マウスピースを装着する前の時点」または「マウスピース矯正治療が少し進んだ段階」で抜歯をすることになるでしょう。

 

どの歯を抜くことになるの?

これも患者さんの歯の状態によって個別に異なるのですが、多くの場合は「問題のある歯」や「歯並びの状態に応じた歯」を選択して抜歯することになります。

寿命の短い歯

歯科矯正の治療開始時点で「虫歯」や「先天的に問題のある歯」がある場合は、優先的に抜歯対象に選定される可能性が高いです。歯の寿命が短く、矯正治療後に長く残すことが難しい歯の場合、抜歯してしまうことで他の健康的な歯を残すことができます。ただし、歯の病気次第ではそもそも歯科矯正を利用することが難しいケースもありますので注意しましょう。

 

親知らず

誰にでも生えているわけではありませんが「親知らず」が生えている場合は、優先的に抜歯対象になる可能性が高いです。親知らずを残したままマウスピース矯正を始めても、うまく歯を動かすことができない可能性が高くなります。そのため、矯正治療前に抜歯してしまうのです。

 

4番または5番の歯(小臼歯)

歯並びがデコボコしていたり、出っ歯の場合には、歯の中心から数えて4番目または5番目の歯(小臼歯)を抜歯します。抜歯するタイミングは、歯並びの状態を考慮して決めることになります。

 

マウスピース矯正で抜歯した後に気を付けること

マウスピース矯正のために抜歯をした場合、抜歯直後は特に生活するうえでいくつか注意しなければならないポイントがあります。

 

抜歯後に避けるべきこと

詳しくは担当医から説明があるはずですが、抜歯直後は「激しい運動」「長時間の入浴」「飲酒」「喫煙」は避けてください。また、抜歯のために麻酔をしていますから、食事の際に口の中を噛んでしまうリスクが高まるため、食事は麻酔が切れたのを確認してからとるようにしてください。

 

抜歯後の腫れについて

患者さんによって異なりますが、抜歯後は腫れてしまう可能性があります。軽く冷やすと症状が軽くなる可能性がありますが、氷などの極端に冷たいもので冷やしてしまうと血行が悪くなり、抜歯の傷が治るまでに時間がかかってしまいます。濡れたタオルなどを使用して、軽く冷やすだけにとどめてください。

まとめ:抜歯の有無やタイミングは担当医としっかり相談しよう

マウスピース矯正の抜歯に限った話ではありませんが、歯の治療については担当医としっかりと話し合ったうえで、不安をすべて解消して納得してから治療を開始するようにしましょう。抜歯不要の治療をメインとしている歯科医院もありますが、必ずしも非抜歯が優れているというわけではありません。抜歯のメリット・デメリットをしっかりと話し合い、最善の選択肢を見つけ出してください。

投稿者: 西本歯科医院