歯の被せ物、詰め物やインプラントにも使用されるセラミックですが、どのようなイメージを持っていますか?
ただ高価だというイメージもありますが、他にも銀歯やプラスチックの歯と比べとても優れた点が多く存在します。
そもそもセラミックは銀歯やプラスチックと比べ虫歯になりにくいという素晴らしい特徴も持っています。
今回はセラミックについて説明するとともになぜ虫歯になりにくいのか、そしてどのようにメンテナンスを行えばいいのか?といった意外と知られていないセラミックのメンテナンス方法についてお話ししていきます。
セラミックとは?
そもそもセラミックとはどのような素材なのでしょうか?
歯の被せ物や詰め物以外にも広く普及している素材です。一般的には「セラミックス」と呼ばれることが多いです。
それではセラミックとセラミックスの違いは何なのか?疑問が生まれるかもしれませんが、実はセラミックあくまでも材料でその材料を加工して製作されたのがセラミックスです。
作られているものとしても陶磁器がよく挙げられますが、現在はガラスやセメントなど様々な用途でセラミックが使用されていることが多いです。
セラミックはなぜ虫歯にならないのか?
それでは本題の通りなぜ歯の詰め物や差し歯にセラミックを使用するとなぜ虫歯にならないのかについてお話ししていきます。
そもそも虫歯とは虫歯菌が繁殖し、その虫歯菌が糖分を吸収することで酸を出します。
この酸が歯のエナメル質を溶かすことで虫歯が発生します。
逆にセラミックでは酸が発生してもエナメル質と比べて遥かに酸に対して強いので溶けることがありません。これは銀歯でも同じことが言えますが、銀歯で詰め物を行うと経年劣化によってすり減ったりすることで銀歯と歯の隙間に空洞ができそこから虫歯菌が入り銀歯自体は虫歯になることはありませんが、二次虫歯に陥ってしまうことが多いです。
逆にセラミックだと銀歯より生体親和性が高く、詰め物として長い間しっかりと密着するので隙間ができることがほぼなく、二次虫歯が発生しづらいこともセラミックのメリットです。
セラミックのメリット・デメリット
それではセラミックのメリットとデメリットについてお話ししていきます。
◆メリット
○金属を使用していないので体への負担が少ない
セラミックは陶器の素材を使用しているので金属アレルギーを引き起こすことが一切ありません。
○金属のように経年劣化で金属が溶け出すことがなく、歯茎などへの着色の恐れがない。
金属は時間が経つと溶け出すことがあり、歯茎などに溶け出したものが付着し、金属の色が付着する恐れがありますが、セラミックの場合は金属と比べて耐久性が高いので溶け出す恐れはありません。
○二次虫歯や歯周病になる可能性が低い
虫歯になりにくいというところでお話ししましたが、銀歯で詰め物を行うと経年劣化によってすり減り、銀歯と歯の隙間に空洞ができるので、そこから虫歯菌が入り銀歯自体は虫歯になることはありませんが、二次虫歯や歯周病に陥ってしまうことが多いです。
しかしセラミックだと銀歯より生体親和性が高く、詰め物として長い間しっかりと密着するので隙間ができることがほぼなく、二次虫歯や歯周病が発生しづらいです。
○金属と比べて見た目を損なう恐れがない
セラミックは陶器と同じ素材を使用しているので、透明感や歯のようなグラデーションの際限が可能なので元々の歯と比べ遜色なく使用することができます。
◆デメリット
○少しの衝撃で割れやすい
陶器と同じ材質なので皿だと落としたら割れるように、少しの衝撃で割れる恐れがあります。そして割れると復元することができず、再度はじめから作り直さなければいけません。
歯のかみ合わせにかかる力は本人の体重と同様といわれています。
○詰め物をする際に銀歯やプラスチックの詰め物と比べて歯を削る量が多い
金属は延性があり薄く延ばしてもある程度の強度が得られるので歯を削る量は少なくても問題ないですが、セラミックはある程度の厚みが無いと強度不足になってしまいます。故に削る量を多くする必要があります。
○銀歯やプラスチックと比べてコストが高い
セラミックの歯は銀歯やプラスチックの詰め物と違い保険適用外になります。
そのためそもそもの治療費が高額にもかかわらず、自費診療になってしまうので1本あたりの費用が約8万円~15万円程になります。
さらにセラミックは医者の技術によって施術後の問題などが発生しづらいということもありますので値段の安さだけで選ばず、診療所の技術の評価でも選ぶようにしましょう。
セラミックの種類と特徴
セラミックのメリットとデメリットについてお話ししましたが、デメリットには高価で割れやすいということで中々手が出せない方もいらっしゃるかと思います。
しかしそのデメリットをカバーするために様々なセラミックが生み出されています。
それぞれのセラミックを紹介していきます。
◆オールセラミック
被せ物から差し歯全てがセラミック素材で作られているものです。天然の歯に近い色、質感を表現することができます。更に長く使っても変色や腐食を起こさないので銀歯やプラスチックと比べ耐久性に優れています。
しかし全てセラミックで作られているので衝撃に弱いというデメリットも持っています。
◆ハイブリットセラミック
セラミックとレジン(プラスチック)を混ぜ合わせることによって作られたセラミックで、セラミックだけの場合は衝撃で割れやすいというデメリットがありますが、ハイブリットセラミックではセラミックのみの場合と比べて柔軟制が高いので、破損しにくく、周囲の歯を傷つけにくいです。
デメリットとしては、セラミックには吸水性はないがプラスチックにはあるので付け続けると色がエナメル質の歯と同様に変色してしまうことがあります。
◆E−MAXオールセラミック
二ケイ酸リチウムガラスのみを使用し、単一の素材から作られてるセラミックで、強度が高く、天然歯と接触してもこちらのセラミックから削れていくようになっているので、天然歯にも優しい素材となっています。また透過度も高く、金属を使用していないため経年劣化が起こりずらく天然歯と同じような透明度を誇ります。
◆メタルボンド
メタルボンドは金属をフレーム部分だけを使用して、その外側を何重ものセラミックで覆っています。内側に金属を使用しているため金属が見えることはなく、覆っている素材もセラミックとなっているので、見た目も美しく強度が高いことが特徴です。ただし、金属の種類によってはアレルギーを引き起こしたり、歯茎が黒ずんでしまったりとデメリットもあるため、自分に合った金属を使用するようにしましょう。
◆ディライトオールセラミック
セラミックの中でも一際美しく、天然歯と並べても遜色がないものになっています。ただし、美しく仕上げることが出来る一方で、全てがセラミックでできているため、ほかのセラミックに比べると耐久力が低いことがデメリットです。
◆ジルコニアセラミック
歯の外側部分がセラミック、そして内側が人工ダイヤモンド(ジルコニア)で作られた差し歯です。
セラミックの審美性とジルコニアの耐久性と互いの良さを兼ね備えているので耐久性が必要な奥歯や前歯に使用することができるセラミックです。
しかしデメリットとしては、セラミックとジルコニアを使用しているため、費用が一般のセラミックと比べて高額になってしまいます。更に地球上最強の強度として知られているダイヤモンドを使用しているので加工が難しく、複雑な形にすることが難しいので複雑な治療には適していません。
それぞれ見やすく表にまとめると以下のようになります。
セラミック治療は実績豊富な西本歯科におまかせ
セラミックのメンテナンス方法
セラミックは歯を綺麗に見せることができる一方で壊れやすくコストが高いので中々セラミックにするという決断がしにくいかもしれませんが、壊れにくいようにする、長く付け続けることができるようにするためには、正しいメンテナンスを行うことができることが大切です。
○汚れを取り除く
セラミックは審美性があり汚れが付着しにくい素材ですが、それはあくまでも普段生活する上でのお話しです。例えば歯が汚れてしまっている状態で歯磨きをおろそかにすることで汚れが付着し続けた状態であればたとえセラミックといえども変色してしまいます。
汚れを取るために歯磨きを何度も行うこともセラミックにはタブーなのです。
歯ブラシ等で表面に傷を付けてしまうとそこから汚れが付着しやすくなってしまいますので、優しく落とすことが重要です。
それでも汚れが落ちない場合はセラミック専用の研磨剤を使用することが多いです。
しかしここまで来ると必ず歯科医院に行き、メンテナンスを行ってもらうことが大切です。
○歯ぎしりが起きないように注意する たとえ起きてもセラミックの歯が守れるようにする
セラミックで最も怖いのが「歯ぎしり」です。歯ぎしりは夜寝ている時に怒ることなので中々自分自身で歯ぎしりが起きているのか理解することが難しいです。
しかし歯に削れた痕等がある場合があるので一度歯科医院で見てもらい、歯ぎしりの疑いがある場合はマウスピースを付けておくことが大切です。
マウスピースは一般のものではなく、しっかりと自分の歯にフィットする特注のマウスピースを用意するようにしましょう。特注といっても全額負担ではなく保険適用がなされる歯科医院もありますので一度調べて見てはいかがでしょうか?
まとめ
セラミックはメンテナンス方法さえしっかりしていれば審美性にも優れており、素晴らしい差し歯の素材です。現在も一部のセラミックでは保険が適用される場合があったり、手軽にセラミックに変えることができるようになっています。
綺麗な歯を取り戻すために今まで銀歯やプラスチックの詰め物や差し歯の方でもセラミックに挑戦し、綺麗な歯を取り戻してはいかがでしょうか?
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