2019.12.29更新

虫歯の治療などで歯を削った後、その上に被せる被せ物(クラウン、差し歯)には、いろいろな種類があります。その中でもオールセラミックは、仕上がりが大変美しく満足度が高い施術法です。 オールセラミックやそれ以外の施術法についてと、値段の相場について解説していきます。

 

保険適用できるものとできないものについて

歯の被せ物には、健康保険適用されるものと健康保険適用されないものがあります。健康保険が適用されるもの以外の高価な材料を希望される場合は、全て自費となります。

一般的に保険適用の施術法は、自己負担額が2~3割程(負担の割合は年齢や所得などによって異なります)ですので費用が安いというメリットがあります。しかし、見栄えでの満足度は低いことが多いです。

反対に、保険適応外の施術法の場合費用は高くなりますが見栄えの満足度は高いことが多いでしょう。

 

保険適用の施術法

健康保険適用の被せ物について、具体的に解説していきます。保険適用の施術法の場合、保険点数が決まっていますので、同じ治療法であれば歯科医院を変えてもほぼ同程度の費用が請求されます。

○硬質レジンジャケットクラウン

ジンで作られたクラウン(冠)です。歯科用のプラスチック素材のことを、レジンといいます。白い歯にすることができますが、セラミックのように透明感のある天然歯のような色は再現できません。また、時間がたつと変色することがあります。割れたり減ってきたりしやすいので、噛み合わせにあまり負担がかからない歯に使われます。

費用(自己負担額):3000~5000円

○硬質レジン前装冠

内側は金銀パラジウムなどの合金で、外側の見える部分だけ硬質レジンが貼り付けられています。硬質レジンジャケットクラウンよりも強度があります。保険診療で前歯(前歯~犬歯)に適用されるため、多くの歯科医院で前歯の治療によく使われる材料です。レジンは見栄えがセラミックより落ち、長年使っていると変色することがあります。また、口を開けると裏側の金属が見えることがあります。

費用(自己負担額):5000~7000円 

○銀歯(金銀パラジウム合金)

金銀パラジウム合金などでできている銀歯です。第一小臼歯から後ろにある奥歯を保険診療で施術する際に使用します。 安く、強度が高いのが特徴ですが、見栄えは劣ります。また、長く使っていると歯茎が黒ずむことがあります。

費用(自己負担額):4000~5000円

○CAD/CAM冠

近年、新しく保険適用となったハイブリッドレジンの白い被せ物です。歯科用CAD/CAMシステムを用いて製作されます。平成26年より、小臼歯のCAD/CAM冠 保険適用が始まり、白い歯を入れられるようになりました。平成30年からは、金属アレルギーの方は大臼歯についてもCAD/CAM冠が保険適用となっていますが、金属アレルギー診断書の提出が必要です。また、白い色ですが、他の歯の色に合わせることはできず、年月と共に変色します。 CAD/CAM冠は、全ての歯科医院で取り扱っているわけではないので、事前に確認が必要です。

費用(自己負担額):8000~9000円

保険外の施術法

健康保険が適用されない、自費診療の場合のクラウンについて解説していきます。保険診療と違い自由に値段を決められるため、歯科医院によって費用に差があります。

○オールセラミック

全体がセラミック(陶器)でできている被せ物です。ポーセレンと呼ばれることもあります。透明感があり、自然歯の様な美しい人工歯を作成できるのが特徴です。変色、劣化が起きにくく、金属アレルギーの心配もありません。 陶器素材なので、強い衝撃を受けると割れたり欠けたりすることがあるのがデメリットです。そのため強い力がかかる、奥歯などには不向きです。

費用:7~20万円

○メタルボンドセラミッ(MB)

金属フレームの上にセラミック(陶材)を焼き付けた素材です。オールセラミックよりも強度があるため、強く噛み合わせる奥歯にも使えるのが特徴です。自然な白さに近いですが、オールセラミックよりは見栄えが劣ります。

費用:7~15万円

○ジルコニアセラミッククラウン

内側が白色ジルコニア、表面はセラミックの素材です。ジルコニアは、人工ダイアモンドのキュービックジルコニアとほぼ同じ耐久性がある素材です。メタルボンドよりも見栄えはよく、強度もあるのが特徴です。硬いため加工が難しく、複雑な治療には向きません。

費用:7~20万円 


○フルジルコニア

全体が白色ジルコニアの素材です。大変強度が高いため、強い力で噛む奥歯の治療に向いています。素材が硬いため、噛み合う天然歯が傷つく可能性があるのがデメリットです。

費用:7~20万円


○ハイブリッドセラミック

レジンとセラミックの混合素材を用いた素材です。レジンのクラウンよりも、強度や見栄えの良さが優れているのが特徴です。保険素材のレジンよりは変色しにくいですが、長年使っていると変色することがあります。セラミックよりは柔らかいです。

費用:4~12万円

○二ケイ酸リチウムガラスセラミック(e-max)

ニケイ酸リチウムガラスセラミックという素材を用いた、次世代セラミックシステムがE.MAX(イーマックス)です。天然歯と同じような摩耗性があり、噛み合わせの歯を傷つけません。強い衝撃を受けるとヒビが入ったりすることがあります。

費用:6~10万円

○ゴールドクラウン(金歯)

金合金、白金加金などで作られた被せ物です。古くからよく使われてきた素材で、柔軟性が高いため割れにくく、適合性が高いので二次カリエス(虫歯)になりにくいのが特徴です。金なので見栄えが劣るのがデメリットです。

費用:5~12万円。 

まとめ 市販のマウスピースでは矯正できません

保険適用の被せ物は種類が少なく、見栄えは劣るものが多いですが、費用が抑えられるのがメリットです。

保険適用外の被せ物は、費用は高くなりますが、見た目が綺麗で天然歯のような歯などを入れることができます。特に、目立つ前歯などを綺麗に治療したいという場合にはオールセラミック等がおすすめです。

また自費治療の場合、被せ物に割れやヒビが入ってしまった場合の保証がついていることがあります。歯科医院によって保証内容や保証期間が異なりますので、治療に入る前によく確認しておきましょう。治療後に「仕上がりが思っていたのと違った」という事がないように、事前に色のガイドや治療の事例写真などを見せてもらったりして、納得の上で治療を受けるようにしましょう。

投稿者: 西本歯科医院


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