2021.08.10更新

マウスピース矯正をつけ忘れてしまったときの影響とその対策をご紹介

「マウスピース矯正」は、基本的に毎日決まった時間にマウスピースを装着して、少しずつ歯並びを直していきます。この「毎日つける」という点がネックであり、人によっては1日つけ忘れてしまうケースもあるでしょう。矯正用マウスピースをつけ忘れてしまったときの影響と、その対策について解説します。

 

マウスピースをつけ忘れてしまった際の影響

もし、矯正用マウスピースをつけ忘れてしまった場合には、少なからず悪影響が及ぶ可能性があります。ただし、どの程度の悪影響が発生するかについては「何日程度マウスピースをつけ忘れていたのか?」によって異なります。

 

マウスピースを1日つけ忘れてしまった場合

マウスピースをつけ忘れてしまったのが「1日」だった場合には、ほとんど悪影響はないといっても過言ではありません。

マウスピースは、継続的に装着することによって少しずつ歯並びを改善していきます。もし、途中でつけ忘れてしまうと、いわゆる「後戻り」が発生し、歯並びが元の状態(良くない状態)に戻ってしまうのです。

とはいえ、装着し忘れていたのがたった1日だけであれば、それほど劇的な悪影響はないといえます。そもそも、マウスピース矯正によって1日当たりで歯並びが動く距離というものはごくわずかであり、仮に後戻りが発生しても1日程度であれば致命的な悪影響が発生することは考えにくいのです。

 

マウスピースを1週間つけ忘れてしまった場合

マウスピースをつけ忘れてしまったのが「1週間」だった場合には、残念ながら大きな悪影響が及ぶといっても過言ではありません。

マウスピース矯正は、長い時間をかけて少しずつ歯並びを直していきます。そのため、治療開始時には綿密な治療スケジュールを組んでおり、それに従って矯正治療を継続していくのです。

もし、1週間もの長い期間マウスピースをつけ忘れていたとなれば、この治療計画に支障をきたす可能性が高いのです。場合によっては、矯正治療そのものをやり直さなければならなくなるでしょう。

 

マウスピースをつけ忘れていた場合の対処法

マウスピースをつけ忘れていた場合、適切に対処することで悪影響を最小限に抑えることができます。

 

つけ忘れが1日程度ならば速やかに装着しなおす

1日程度のつけ忘れであれば、速やかにマウスピースを装着すれば悪影響はほとんどないといえます。紛失や破損等、マウスピースを装着できない事情がない限りは、1日のつけ忘れであればすぐにリカバリーできるでしょう。

 

つけ忘れが長期間ならマウスピースの装着を避ける

マウスピースのつけ忘れが長期間に及んでいた場合には、装着予定だったマウスピースの装着を見送った方が良いかもしれません。

マウスピースのつけ忘れは、歯並びが元の状態に戻ろうとする「後戻り」を発生させてしまいます。そのため、予定していた歯並びの状態とは大きく異なる歯並びになっているため、予定していたマウスピースが想定と異なる歯並びの状態に合わない可能性が高いのです。

また、長期間マウスピースをつけていなかった後にマウスピースを装着すると、痛みを感じる可能性があります。これは、歯並びが後戻りを起こしたことでマウスピースが合わないことが理由であると考えられます。痛みの有無に関わらず、マウスピースを長期間つけ忘れていた場合には、マウスピースを装着する前に担当医に相談してください。

 

担当医に相談する

特に、長い期間のつけ忘れが発生してしまった場合には、矯正治療の担当医に正直に話して、今後の治療計画について相談しておきましょう。つけ忘れが1日程度であった場合も、念のため治療計画への影響を考慮するために、つけ忘れたことを報告しておくことをおすすめします。

 

マウスピースのつけ忘れを回避する方法

たった1日とはいえ、少なからず治療計画に悪影響を及ぼす可能性がある「マウスピースのつけ忘れ」は、可能な限り避けてゼロにしたいところです。そこで、マウスピースのつけ忘れを回避するためのテクニックについて解説します。

 

スマートフォンのアラーム等を利用する

スマートフォンには「アラーム機能」がありますが、マウスピースを装着する予定の時間にアラームをセットしておき、マウスピースを装着する時間であることを気づかせることが有効なテクニックとなります。

すでにマウスピースをつけ忘れた経験がある方は、特にどんなタイミングでつけ忘れていたのかがわかっていれば、そのタイミングでアラームが起動するようにしておくと良いでしょう。

 

予備のマウスピースを準備しておく

もし「装着予定の前後のマウスピース」をお持ちであれば、それを荷物に忍ばせて「予備のマウスピース」として活用することをおすすめします。

マウスピース矯正は、少しずつ動く歯並びに合わせて少しずつ異なる状態のマウスピースを複数個用意しておきます。もし、外出時に装着や持ち出しを忘れたり、紛失や破損等して装着できないような事情が発生したら、装着予定のマウスピースに最も近いマウスピースを予備として持っておき、これを代わりに装着することでつけ忘れの悪影響を最小限に抑えられます。

 

まとめ

マウスピースをつけ忘れることは可能な限り避けるべきですが、1日程度なら致命的な悪影響を意識する必要はないでしょう。ですが、1週間やそれ以上の期間、マウスピースをつけ忘れてしまった場合には、治療計画そのものを見直す必要があるかもしれません。

いずれにしても、担当医に相談して歯並びへの影響を把握し、治療計画の修正が必要かどうかを判断してもらいましょう。マウスピースをつけ忘れてしまわないように意識を持つことと、つけ忘れが発生しないような工夫をすることをおすすめします。

投稿者: 西本歯科医院

2021.07.26更新

前歯矯正で横顔美人になれる?歯並びと横顔の関係についてご紹介

出っ歯で前歯矯正を考えているけれど、「横顔美人」になれるのか疑問に思った方は多いのではないでしょうか?今回は横顔美人の条件と、前歯矯正で横顔美人になれるのか解説します。

 

横顔美人の条件

Eラインや黄金比はファッション雑誌やメイク雑誌に取り上げられて、ご存じの方も多いのではないでしょうか。歯科の分野でも口元の美しさ、お顔と歯のバランスなど基準が設けられています。スマイルライン、リップライン、ゴールデンプロポーションとさまざまな基準がありますが、ここでは横顔美人の基準を紹介します。

 

Eライン

Eラインはエステティックラインのことで、鼻の先端と顎の先端を結んだ線に対して、唇に接しているか、ほんの少し後ろにあると美しい横顔と言われています。

 

鼻唇角

Nasolabial angleと呼ばれており、鼻の先端から付け根と鼻の付け根から上唇の先端の角度を指しています。この角度が90~100°が理想的です。

 

オトガイ部の緊張状態

オトガイ部は下顎の先端を指しています。理想的なオトガイ部はS字カーブを描いていて、出っ歯や口コボで唇が閉じにくい場合、オトガイ部が緊張状態になり、梅干しのようなシワができます。

 

歯並びと横顔の関係

整った歯並びと横顔は密接な関係があります。上述したように横顔美人の条件の一つにEラインが挙げられます。例えば、出っ歯は上顎の前歯が前に出ている状態になり、口元が突出した状態になります。

このようなケースでは、矯正治療を行い歯並びが整うと口元の突出量が減り、理想のEラインに近づけることが可能です。 矯正治療はかみ合わせの改善を目的とした治療方法ですが、かみ合わせの改善をした結果、歯並びとEラインの改善が見込めます。

 

前歯矯正で横顔美人になれる?

矯正治療でも種類があり、前歯矯正を考えている方も多いはず。前歯矯正で横顔美人になれるかは、イエスでもありノーでもあります。これは症例によって異なるからです。

例えば、骨格が原因ではなく、幼少期のおしゃぶりや舌で歯を押す癖で生じた軽度の出っ歯は、前歯矯正でEラインを変えられる可能性があります。しかし、骨格が原因で出っ歯を生じている場合は前歯矯正では十分に改善できない可能性があります。

前歯矯正で横顔美人になれるかは、歯科医院での適切な検査を受けて、ご自身に合った治療方法の選択をすることが非常に大切です。

 

全額矯正で横顔美人になれる?

歯並びを横顔美人は関係しているので、歯全体を移動する全額矯正は、Eラインが改善する可能性があります。

例えば出っ歯の方は上唇の先端がEラインよりも前に突出した状態になっています。このような場合は、前歯を後方に動かすことでEラインの改善が見込めます。

しかし、矯正治療を行ったからといって必ず横顔美人になるとは限りません。骨格や鼻の高さによって矯正治療では横顔美人にならない可能性があります。このような場合は美容整形の領域になります。

 

横顔美人が得られる可能性がある症例

上記では出っ歯の症例を例に挙げましたが、下記の症例でも矯正治療によって横顔美人が得られる可能性があります。

 

出っ歯

上の前歯が前に出ている状態。歯科用語では上顎前突(じょうがくぜんとつ)と言います。歯並び全体を後方に移動することで、口元の突出を改善することが可能です。 軽度の症例では前歯矯正でも改善する可能性があります。

 

受け口

下の前歯が上の前歯よりも出ている状態のことを指します。歯科用語では下顎前突(かがくぜんとつ)と言います。 軽度の場合は全額矯正治療で改善することができますが、重度の場合は手術を行う必要があります。

 

でこぼこした歯

歯の並びがでこぼこしている状態のことを指します。歯科用語では叢生(そうせい)と呼ばれており、軽度の症例では前歯矯正で改善することができますが、ほとんどの症例では歯が生えるスペースが足りていないため、抜歯をして全額矯正を行います。

 

噛み合わせが深い

噛んだときに、上の前歯が下の前歯を覆ってしまう状態を指しています。歯科用語では過蓋咬合(かがいこうごう)と呼ばれており、笑うときに歯ぐきが大きく見えてしまうガミースマイルを生じることがあります。 矯正治療で歯の位置を圧下(歯ぐきの方に上げる)ことで改善が見込めます。

 

かみ合わせが浅い

噛んだときに奥歯は噛んでいるが、前歯は噛んでいない状態のことを指します。歯科用語では開咬(かいこう)と呼ばれています。このような症例でも矯正治療で改善が見込めますが、前歯矯正は困難とされる症例です。

 

まとめ

横顔美人と歯並びの関係は深く、矯正治療を行うことで改善される可能性があります。しかし、すべての症例で横顔美人になるのではなく、鼻の高さが低い場合は美容外科の領域になります。

前歯矯正で改善できる症例もごく軽度と限られており、横顔美人を目指す方は、矯正や審美の知識と技術がある歯科医院でしっかり診査・診断を行って、適切な治療の選択をすることが望ましいです。

投稿者: 西本歯科医院

2021.07.12更新

セラミックなどの人工歯もホワイトニングできるのか?

結婚式やイベント、身だしなみとして歯のホワイトニングを希望される方は年々増加しています。しかし、セラミックやインプラント、差し歯といった人工歯はホワイトニングをしても白くなりません。ホワイトニングができない理由と人工歯を白くする方法について解説します。

 

セラミックなどの人工歯はホワイトニングできない

結論から言うと、ホワイトニングができる歯は「天然の歯」のみ。人工歯はホワイトニングができません。また、部分的な詰め物もホワイトニングで白くすることができません。

 

人工歯が黄ばんでしまう理由

セラミックなどの人工歯が黄ばんでしまう理由は、人工歯の素材や飲食物による着色、経年劣化による変色です。

 

人工歯の素材

着色しやすい飲食物の摂取や、素材の経年劣化によって変色します。セラミックの種類には以下のような素材が挙げられます。

・オールセラミック
・ハイブリッドセラミック
・ジルコニア
・メタルボンド

セラミック素材のなかでも、プラスチックが含まれている「ハイブリッドセラミック」は着色しやすく経年劣化で変色する素材です。そのほかのセラミック素材は、経年劣化で変色することがほとんどありませんが、飲食物によって着色がつく可能性があります。

また、保険で使用する素材はプラスチックが含まれているので、ハイブリッドセラミックと同様に着色や変色を引き起こします。

 

着色しやすい飲食物

着色しやすい飲食物を摂取すると天然の歯も人工歯も着色します。着色しやすい飲食物は以下のようなものがあります。

・ソース
・ケチャップ
・コーヒー
・ワイン
・お茶

基本的に着色の濃い飲み物や、着色料が含まれている調味料、カレーやミートソースパスタなど着色の濃い食べ物は、歯が黄ばんでしまう原因となります。

 

人工歯の着色汚れは落とせる

歯科医院でのホワイトニングでは人工歯を白くできませんが、歯科医院でのクリーニングや、エステサロンで行われているセルフホワイトニングで「表面の着色を落とす」ことができます。

 

歯科医院でのクリーニング

特殊な機械を使用して行うクリーニング(PMTC)は、歯全体の歯垢・歯石を除去しながら、歯の着色汚れを落とすことができます。なかでもエアフローと呼ばれている粒子の非常に細かいパウダーを吹き付けて汚れを落とす施術は、人工歯の表面の着色をキレイに落セます。

PMTCは基本的に自由診療となり、相場は45分5,000円ほど。まずは歯科医院のクリーニングで着色を落としてから、人工歯を白くやり替えるか検討するのもよいでしょう。

 

セルフホワイトニング

セルフホワイトニングは歯の表面の着色を落とせるので、人工歯を元の白さにすることができます。歯科医院ではなく、エステサロンやセルフホワイトニングサロンで行う施術や、自宅で行うホワイトニングのことを指しています。

セルフホワイトニングで使用される薬剤の成分は、重曹、ポリリン酸、炭酸カルシウムが用いられており、これらの成分はLEDなどの光を当てて、「着色を分解して落とす」作用があります。

反対に、天然の歯を白くしたい方は、セルフホワイトニングはおすすめしません。歯科医院のホワイトニングは「歯を漂白して白く」するのに対して、セルフホワイトニングは「歯の表面の着色を落とす」ので、歯を白くすることができないからです。

 

セラミックなどの人工歯を白くするには?

セラミックなどの人工歯を白くするには、2つ方法があります。

 

天然の歯をホワイトニングしてから、人工歯の被せなおしや詰めなおしをする

一度詰めたり、被せたりした人工歯は元の色以上に白くできないので、天然の歯をホワイトニングしてから、歯の色に合わせて新しく被せ物や詰め物の再治療をします。

その際に使用する詰め物や被せものは、変色しにくいオールセラミックやジルコニアの素材を選択するのが望ましいです。しかし、保険が適用しない自由診療となるので費用が高額になります。

 

人工歯に合わせてホワイトニングをする

人工歯が天然の歯よりも白い場合は、人工歯に合わせてホワイトニングすることもありますが、天然の歯と人工歯の調和をとることが困難になります。

通常は、天然の歯をホワイトニングしてから人工歯の色を合わせることが多く、後戻りしても、再度天然の歯をホワイトニングすることで、調和のとれた仕上がりになります。

被せ物の治療中でホワイトニングを希望する方は、事前に歯科医師に相談することをおすすめしています。

 

まとめ

セラミックなどの人工歯は、ホワイトニングで白できません。人工歯の詰め物や被せ物をしている方は、歯科医院で天然の歯をホワイトニングしてから、人工歯の詰め替えや被せなおしが必要になります。

再度治療をしたくない場合は、歯科医院でのクリーニングやセルフホワイトニングで歯の表面の着色を除去して、元の白さに戻せます。その際も歯科医院に受診していただき、お口の状態を確認したうえでクリーニングを受けることをおすすめします。

投稿者: 西本歯科医院

2021.06.28更新

審美歯科でキレイにした歯には寿命がある?長持ちさせるポイント3つ

審美歯科では詰め物や被せ物で白い歯にする場合や、セラミック矯正やラミネートベニアといった歯を美しくする治療方法があります。どの治療にもセラミックが使用されることが多く、セラミックの寿命が気になる方も多いのではないでしょうか?

セラミック自体は寿命が長く、10~20年もつといわれています。しかし、メンテナンスを怠ってしまうと、寿命が縮む可能性があります。そこで、審美歯科でキレイにした歯を長持ちさせるポイントを3つ紹介します。

 

審美歯科で使用する素材と寿命

審美歯科で使用する素材は丈夫で審美性の高い、セラミックを用いることが多いです。ひとことでセラミックといっても種類があります。セラミックの種類は以下のとおりです。

 

オールセラミック

全てセラミックで作られており、詰め物や被せ物といった歯を補う治療で使用します。セラミックは陶器と同じ素材を使用しており、強度が高く色調の再現が自由で、自然の歯と同じような透明感を出せるのが特徴です。

変色や変形しないことからセラミック自体の寿命は長く、オールセラミックの寿命は10~20年もちます。

 

ジルコニア

人工ダイヤモンドで知られるジルコニアですが、歯科治療の被せ物でも使用します。ジルコニアは非常に強度が強い素材で、噛み合わせが強い奥歯などに入れることが多いです。

ジルコニアのフレームにセラミックを重ねたものや、全てジルコニアで作られたものがあります。審美性はオールセラミックよりも劣りますが、審美歯科では一般的に使用される素材です。

ジルコニアは非常に強い強度があることから、寿命も長く、10~20年と長持ちします。また、セラミックを使用しているため、変色することがありません。

 

ハイブリッドセラミック

プラスチックにセラミックを混ぜた素材です。ハイブリッドセラミックの寿命は7~8年が目安です。

オールセラミックやジルコニアと比較すると強度が弱いですが、安価で白い詰め物や被せ物を入れることができます。プラスチックを使用しているため、傷がつきやすく長期間使用すると変色しやすい傾向があります。

保険診療で使用される白い被せ物(CAD/CAM冠)にもハイブリッドセラミックが使用されています。

 

メタルボンド

金属のフレームにセラミックを焼き付けた物がメタルボンドです。メタルボンドの寿命は、8年が目安です。

主に被せ物に用いられます。昔ながらの審美治療で、現在でも噛み合わせの強い奥歯に使用されることがあります。

しかし、金属を使用していることから金属アレルギーを引き起こす可能性があり、金属と同等の強度があるジルコニアの被せ物を選択する方が増えています。

 

審美歯科でキレイにした歯を長持ちさせる3つのポイント

オールセラミックやジルコニアは保険が適用しないため、高額な治療になります。素材自体は長くもちますが、メンテナンスを怠ってしまうと寿命を減らしてしまう可能性があります。

 

セルフケアとプロのメンテナンスを受ける

セラミックは表面がツルツルしており、汚れが付きにくく、むし歯や歯周病のリスクが少ないといわれています。しかし、詰め物や被せ物をした歯は、むし歯が原因で治療を受けているので、セラミックにしたから安心という訳ではありません。

ご自身での歯磨きはもちろん、歯間ブラシやフロスを併用してしっかり汚れを落とす必要があります。また、年に数回歯科医院でプロによるメンテナンスを受けることで、磨きにくい歯とセラミックの間の汚れの除去ができます。セルフケアと定期的なメンテナンスを受けることで寿命を延ばすことができます。

 

ナイトガードを使う

オールセラミックやハイブリッドセラミックを入れた際は、就寝時に装着するナイトガードを使うのも長持ちさせるポイントの一つ。

セラミックは陶器と同じ素材を使用しているので、衝撃によって割れたりすることがあります。そのため、歯ぎしりや食いしばりをしている方は就寝時に衝撃を和らげるナイトガードの装着をすることが望ましいです。

セラミックは割れてしまったら、基本的に再治療となります。ほとんどの方は歯ぎしりや食いしばりの自覚症状がありません。セラミックを長くもたせるためにもナイトガードはおすすめです。

 

腕のいい歯科医師のもとで治療を受ける

治療を受ける前になりますが、審美治療は歯科医師の技術が寿命に影響を与えます。正しい噛み合わせの調整や、歯と詰め物や被せ物の境目の仕上げなど歯科医師の腕に左右します。

被せ物の場合は、歯の根っこの治療を行うことが多く、しっかり治療を行っていなければ歯の根っこが再感染してしまうことがあります。その場合は、被せたセラミックを壊して再治療をしなければなりません。

審美歯科でも噛み合わせに力をいれている歯科医院や、根っこの治療のときに唾液が入らないようにゴムを被せる歯科医院で治療を受けるようにしましょう。

 

まとめ

審美歯科で使用される素材は審美性と強度に優れたセラミックを使用することが多いです。セラミックはむし歯や歯周病になりにくい素材ですが、メンテナンスを怠ってしまうと寿命を短くしてしまいます。

長持ちさせるには、歯磨きのときに歯間ブラシやフロスを併用したり、定期的なメンテナンスを必ず受けるようにしましょう。また、セラミックに力の負担がかからないように就寝時にナイトガードを使うのもおすすめです。

セラミックは、歯科医師の技術に左右される治療です。歯科医医院選びは慎重に行って最適な治療を受けましょう。

投稿者: 西本歯科医院

2021.06.15更新

マウスピース矯正のソフトとハードの違いとは?

マウスピース矯正は装置が透明で周囲に気づかれずに歯並びが整えられることから、選択される方が多い矯正治療方法です。メーカーによって交換期間が異なりますが、10日に1回新しいマウスピースに交換して歯を動かします。

硬さが違うマウスピースを渡されること多く、基本的にはソフト、ミディアム、ハードといった2~3種類のマウスピースを順番に使用します。今回はマウスピース矯正のソフトとハードの違いについて解説します。

 

マウスピース矯正におけるソフトとハードの違い

マウスピース矯正は、装置を装着して歯並びを整えます。歯型を取ったときの歯並びではなく、少し歯を動かした状態のマウスピースを装着する必要があります。そのため、いきなりハードタイプのマウスピースを装着すると、入らなかったり痛みが強かったりします。

 

ソフトとハードで矯正力をコントロール

硬さの違うマウスピースを使用することによって、矯正力をコントロールして痛みを軽減します。

ソフトタイプは歯を動かすための準備期間、ハードタイプで歯を動かすといった役割があります。ソフトからミディアム、ハードを1クールとしていることが多いです。使用するメーカーによって異なりますが、柔らかい装置から入れて、10日後にミディアム、さらに10日後にハードといったように少しずつ歯を動かします。

 

ハードタイプは通院が難しくなっても保定装置の代わりになる

矯正治療は通院回数や期間が長いです。何かしらの理由で通院の期間が空いてしまうときは、最後に使用したハードのマウスピースで後戻りを防ぐ保定装置(リテーナー)の代わりになります。

 

マウスピース矯正は1枚で0.25mm歯が動く

ワイヤー矯正は1ヶ月に0.3~1mmほど歯を動かして歯並びを整えます。症例にもよりますが、1枚のマウスピースで歯が約0.25mm動きます。以前はワイヤー矯正よりも歯を動かせる量が少なく、治療期間が長くかかりました。しかし、マウスピース矯正は日々進化しており、現在のマウスピース矯正はワイヤー矯正と比べても歯を動かす量はほとんど変わりません。

 

マウスピース矯正の注意点

歯科医院やマウスピース矯正のメーカーによって、渡されるマウスピースの枚数が異なります。1クールのみの歯科医院もあれば、まとめて4クールを渡すケースもあります。その際の注意点は以下のとおりです。

装着時間は守りましょう

ほとんどのマウスピース矯正は1日20時間以上と装着時間が決められています。装着時間を守らないと、治療計画が遅れる原因となります。また、何かしらの理由で長期間にわたってマウスピースが装着できない場合は、歯科医院に相談をして指示を受けることが望ましいです。

 

痛みがあるからといって外さない

マウスピース矯正は痛みが少ないといわれていますが、歯を動かすときの痛みや、マウスピースを入れたときに締め付けられる感覚があります。とくに初めてマウスピースを入れたときや、ソフトからミディアムまたはハードに移行したときは痛みを伴いやすいです。

ソフトからハードに移行したときに、痛みがあるからといって外してしまうと、計画通りに治療が進みません。痛みは装置を装着してから3~7日でおさまることが多いです。我慢できない位の痛みがあったら移行する前のマウスピースを装着して、歯科医師の指示を受けましょう。

 

いきなりハードから装着しない

歯を早く動かしたいからといって、ハードタイプから装着しないようにしましょう。きつくて入らなかったり、痛みが生じたりトラブルの原因となります。

 

歯科医師の指示通りにマウスピースを装着する

マウスピース矯正は新しいマウスピースに交換して歯を動かします。交換の際は、歯科医師の指示通りに決められたマウスピースを装着します。ご自身の判断で次のマウスピースを装着すると、治療計画のずれや、歯を支えている骨に影響を与えてしまう可能性があります。

 

治療終了後は必ずリテーナーを装着する

マウスピース矯正の治療終了後は、後戻りを防ぐためにリテーナーと呼ばれる装置で保定します。保定装置は、マウスピース型や歯を挟む装置など、種類があります。最初の半年間は24時間装着する必要があり、半年以降は就寝時に装着する場合が多いです。

 

まとめ

マウスピース矯正で使用するマウスピースの種類はソフト、ミディアム、ハードがあります。計画通りに治療を進めるためには、必ず決められた時間と期間を守る必要があります。早く歯を動かしたいからといって、いきなりハードを装着すると歯を支えている骨に影響を与えてしまう可能性が高いです。

矯正治療を考えている方は、矯正相談をおすすめしています。矯正治療を行っている歯科医院では、無料~5,000円で矯正相談を設けていることが多く、治療の流れや、おおまかな期間や費用、矯正治療に関する疑問など相談ができます。

また、矯正治療にはワイヤー矯正、マウスピース矯正、部分矯正などさまざまな治療方法があり、それぞれのメリットとデメリットをよく理解してから適切な治療の選択をしましょう。

投稿者: 西本歯科医院

2021.05.28更新

セラミックと銀歯の違いは?前歯や奥歯など部位ごとのおすすめをご紹介

むし歯が進行して歯を大きく削って修復する必要がある場合、詰め物では強度が足りないため部分的な被せ物や、歯全体を被せる必要があります。

治療の際に「銀歯」か「セラミック」の選択肢を迫られて、すぐに決めることは困難ではないでしょうか?そこで、セラミックと銀歯の違いを解説します。

 

セラミックとは

セラミックは陶器のことを言います。むし歯が進行して大きく削った際に、人工的に補う素材の一つです。歯科用で使用されるセラミックは、強度が強く審美性に優れています。

 

セラミックの種類

セラミックは歯科医院によって種類が異なりますが、ここでは代表的な種類を紹介します。

 

オールセラミック

全てセラミックのみを使用した素材です。白く透明感があり、審美性に優れています。天然の歯と同じ色を出すことができます。

 

ハイブリッドセラミック

セラミックとプラスチックが混合している素材です。オールセラミックやジルコニアと比べると強度が落ちますが、費用が抑えられます。

 

ジルコニア

人工ダイヤモンドと呼ばれており、強度が非常に強い素材です。審美性はオールセラミックよりもやや劣りますが、奥歯にも使える素材です。

 

e-max

ガラスセラミックと呼ばれる新しい素材です。強度が強いにもかかわらず、摩耗性がある素材です。そのため噛み合わせに対する歯を痛めることがありません。

 

セラミックと銀歯の違い

セラミックと銀歯は色の違いだけではありません。以下の5つの違いがあります。

 

見た目

セラミックは天然の歯と色が馴染みやすく、目立たないのが特徴です。セラミックの素材によって透明度が高いものも製作できるので、審美性に優れています。

一方銀歯は口の中に入ると、非常に目立つため審美性はありません。

 

生体親和性

銀歯に含まれているパラジウムは、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。口の中に金属が入ると、金属イオンが溶け出します。金属イオンは体内に蓄積する性質を持っており、今までアレルギーを起こしたことがなくても、急にアレルギーの症状が発生する可能性があります。

セラミックは生体親和性に非常に優れており、アレルギーの心配はありません。

 

むし歯のリスク

セラミックは表面がツルツルしているので、歯垢がつきにくい特徴を持っています。銀歯は表面に傷がつきやすく、歯垢が溜まりやすいため、むし歯や歯周病といったリスクが高くなります。

またセラミックは歯を削った型にぴったり合うように製作ができますが、銀歯は素材の性質上ぴったり合うように作れません。そのため接着剤で隙間を埋めます。接着剤は月日が経つと劣化し、歯と銀歯の間に隙間ができ、その隙間に汚れが入り込んでむし歯になる可能性があります。

 

費用

銀歯は保険が適用されるため費用を抑えることができます。一方セラミックは自費診療のため費用は高くなります。

またセラミックの種類によって金額が異なります。

 

軽さ

金属でできている銀歯は重く、歯に負担がかかります。セラミックは軽い素材なので、歯に負担をかけず修復が可能です。

 

部位ごとのおすすめ

セラミックを選択する際は、部位によって最適な素材が異なります。

前歯

見た目が重視される前歯はオールセラミックがおすすめです。オールセラミックは天然の歯と同じような色と透明感のある歯の再現ができます。また劣化もせず歯肉との境目が美しく仕上がります。

保険治療の場合は「硬質レジン前装冠」で白い歯になりますが、表面はプラスチックによって色を再現します。そのため透明感がなく、長期間使用すると劣化するといったデメリットがあります。

また前から4・5番目の歯は保険が適用されるCAD/CAM冠で修復ができます。セラミックよりも強度が劣りますが、保険が適用されるためほとんどの方がCAD/CAM冠を選択します。

 

奥歯

奥歯は強度が高いジルコニアか、e-maxがおすすめです。奥歯はほかの歯よりも噛む力が強くなります。そのため奥歯の素材の強度が重要になります。

ただしジルコニアのように硬さがある素材は、かみ合う歯がすり減ってしまう可能性があります。そのためジルコニアはかみ合わせの調整が重要になります。セラミックをご希望される方は、経験を積んだ歯科医師のもとで治療を受けることをおすすめします。

 

噛み合わせに合わせて選択する

セラミックは費用が高ければ良いものではなく、噛み合わせに合わせて種類の選択をすることが大切です。そのためセラミック治療は歯科医師の十分な知識と技術が必要とされます。

 

まとめ

セラミックと銀歯は審美性の違いだけではありません。セラミックはむし歯になりにくい特徴を持っていますが、噛み合わせの力が強いと割れてしまうリスクがあります。そのため、歯ぎしりや食いしばりなどしている方や、かみ合わせが強い方にはあえて銀歯をすすめることがあります。

セラミックと銀歯で迷われている方は、歯科医師とよく相談し、納得したうえで選択をしましょう。

投稿者: 西本歯科医院

2021.05.11更新

前歯だけをキレイにしたい!気になる前歯矯正のメリット・デメリットをご紹介

近年若い年齢層の間で、前歯だけ矯正をしたいと考えている方が増えています。

「前歯のすきっ歯が気になる」
「前歯だけ歯並びをよくしたい」

と考えている方も多いはず。前歯矯正は部分矯正とも呼ばれており、気軽にできる矯正として紹介されていますが、理解してから始めないと後悔する可能性があります。そこで前歯矯正のメリットとデメリットを紹介します。

 

前歯だけの矯正はできる?

部分矯正は症例にもよりますが、前歯だけの矯正は可能です。 従来の矯正では「全顎矯正」と呼ばれる矯正で、歯並びやかみ合わせの改善を行っていましたが、前歯だけ歯並びの改善を目的として行う「部分矯正」を希望される方が増えてきました。

しかし、奥歯の噛み合わせが改善されないため、全体の仕上がりに限界があります。前歯だけでもきれいに揃うと見た目の印象が変わりますが、前歯の矯正を行う前にしっかりメリットとデメリットを理解しておきましょう。

 

前歯矯正のメリット

前歯矯正は歯の一部を動かす治療方法です。様々なメリットがあるので、事前知識として知っておきましょう。

 

全部矯正と比べて金額が安い

全部矯正と比べると、安く済むことがあります。歯科医院や症例、矯正方法によって異なりますが、おおよその金額は30~80万円です。

 

比較的短期間で矯正が可能

前歯の矯正は比較的短期間で矯正が可能です。奥歯と比べて前歯は歯の根っこが短くなっています。そのため歯を動かしやすく、短期間で済みます。

全部矯正では1年半~2年半ほど期間を必要としますが、前歯の矯正では半年~1年ほどと、短期間で前歯の歯並びを改善することができます。

 

かぶせ物をせずにきれいな歯並びになる

かぶせ物で前歯の並びを改善する治療方法もありますが、自分の歯を大きく削ってかぶせる必要があります。前歯の矯正は自分の歯を動かすため、一部の症例を除いて削らずに歯並びの改善が可能です。

またかぶせ物の場合は寿命があるため、定期的なメンテナンスやいずれやり替える必要があります。

 

前歯矯正のデメリット

メリットが多い前歯の矯正ですが、デメリットをしっかり理解したうえで治療方法を選択する必要があります。

 

かみ合わせの改善はできない

歯の一部を動かすため、奥歯のかみ合わせの改善は見込めません。本来の矯正はかみ合わせの改善を目的としています。かみ合わせが改善されると歯にかかる力を分散し、生涯に渡って多くの歯を残すことができます。部分矯正を選択する際はかみ合わせを考えて選択することをおすすめします。

 

前歯の矯正では仕上がりに限界がある

矯正治療は高額な治療になるため、結果に期待を持ちます。しかし、重度のでこぼこした歯並びや八重歯といった症例では、仕上がりに限界があります。仕上がりの限界があることを知らずに前歯の矯正を行ってしまうと、後から「イメージと違う」といったトラブルの原因となります。

前歯だけの矯正を行う際は、歯科医師とよく相談して矯正のゴールを決めることが非常に大切です。また矯正方法によってシミュレーションで治療後の歯並びを知ることができます。トラブルにならないためにもしっかりと説明を受け、理解したうえで治療を始めましょう。

 

歯を動かすスペースを確保するため削る必要がある

でこぼこした歯並びを改善する際に、歯を並べるスペースの確保が必要です。そのため歯と歯の間を0.03~0.08mmほど削る必要があります。

 

前歯の矯正方法

前歯の矯正方法はブラケット矯正とマウスピース矯正があります。

ブラケット矯正

重度のでこぼこした歯並びや歯を抜く必要があるケースはブラケット矯正が向いています。ブラケットと呼ばれる装置を歯の表面に装着して、ワイヤーを通す矯正方法です。

 

裏側矯正

ブラケットを歯の裏側に装着して、ワイヤーを通す矯正方法です。歯の裏側で矯正を行うため、気づかれずに歯並びの改善ができます。通常のブラケット矯正と比べて費用がやや高くなる傾向があります。

 

マウスピース矯正

軽度なでこぼこした歯やすきっ歯はマウスピース矯正が向いています。薄く透明なプラスチック素材のマウスピースを、1日20時間以上装着して歯を動かす方法です。目立たずに矯正ができるので近年人気がある矯正方法です。

 

まとめ

前歯の矯正は全顎矯正と比べて安く、短期間で治療が可能な矯正方法です。しかしメリットとデメリットをよく理解せずにはじめてしまうと「こんなはずじゃなかった」と後悔する可能性があります。

前歯の矯正では、良くも悪くもかみ合わせの改善ができません。一部の歯に負担がかかっており、歯の寿命が短くなる可能性がある場合は、全額矯正の選択をおすすめします。

前歯の矯正方法はブラケット矯正とマウスピース矯正があります。ケースによって向き不向きがあるので、歯科医師とよく相談して最適な矯正方法の選択をしましょう。

投稿者: 西本歯科医院

2021.04.23更新

セラミックはプラークや着色が付きにくい素材です。保険の被せ物、詰め物よりもメリットが多いことからセラミックを選ぶ方も多いはず。

保険が適応されない治療のため、大切にしたいもの。ここではセラミックの歯を磨いてもいいのか?注意点やおすすめのメンテナンス方法を紹介します。

 

セラミックは日頃の歯ブラシが大切

汚れが付きにくい素材として知られているセラミックですが、美しく保つためには日頃の歯ブラシが非常に大切です。

歯ブラシを怠ってしまうとセラミックの詰め物や被せ物の間に汚れが溜まってしまい、虫歯の原因となります。セラミックを入れたから安心ではなく、虫歯にならないようにセルフケアとメンテナンスをしっかり行いましょう。

 

セラミックは優しく歯磨きを行う

セラミックは柔らかい歯ブラシを使用し、歯と被せ物の境目を優しく磨きます。硬い歯ブラシで力を入れて磨いてしまうと、歯や歯肉を痛める原因となります。

 

歯磨きのコツ

・ペンを持つときの持ち方にする
・力を入れずに、小刻みに動かす

力が入りすぎてしまうと、歯や歯肉を傷つけてしまいます。ペンを持つときの持ち方にすることで力の加減が可能で、コントロールしやすくなります。

歯ブラシを動かす幅は小刻みに動かします。幅を小さく動かすことによって歯と歯肉の境目に歯ブラシが当たり、汚れを落とすことができます。

 

歯ブラシの毛質はやわらかめ〜ふつうを選ぶ

硬めの歯ブラシを使用すると、歯肉を傷つけてしまう恐れがあります。やわらかすぎても汚れが落としにくくなるので、やわらかめ〜ふつうの毛質を選びましょう。

 

ヘッドはコンパクトなものを選ぶ

小さめのヘッドを選ぶことで、小回りが利き、全ての歯を丁寧に磨くことができます。奥まで歯ブラシが届きやすくなることで、磨きにくい奥歯もしっかり磨くことが可能です。

 

フロスやタフトブラシを使うとより効果的

歯ブラシが届きにくい、歯と歯の間と、歯と歯肉のすき間はフロスを使用して汚れを落とします。フロスは糸巻き型とホルダータイプがあり、初めて使用する方はホルダータイプがおすすめです。

タフトブラシは毛束が1つになっているのが特徴の歯ブラシです。奥歯の溝や歯の裏側を磨くのに適しています。ピンポイントで磨くことができるため、セラミックでは歯と歯肉の境目の汚れを落とすのに適しています。

 

フロス、歯ブラシ、ワンタフトブラシの順番がおすすめ

おすすめのセルフケアは

・フロス
・歯ブラシ
・タフトブラシ

の順番がおすすめです。

フロスで歯垢などの汚れを除去した後に、歯ブラシを使用することで効果的に汚れを落とすことができます。最後にワンタフトブラシで歯ブラシが届きにくい、歯肉と被せ物の間を磨きましょう。

 

セラミックは強い力がかからないように注意

セラミックの欠点として、強い力が加わると割れたり、欠けたりする恐れがあります。

・就寝中歯ぎしり、食いしばりをする
・日中に上下の歯が接触している


場合は注意が必要です。

歯ぎしりくいしばりはナイトガードがおすすめ

就寝中に歯ぎしりや食いしばりをする方はセラミックが割れたり、欠けたりする恐れがあり、注意が必要です。

対処方法はナイトガードというマウスピースを就寝中に使用し、歯にかかる負担を軽減します。ナイトガードは保険が適応されるので、セラミックを入れた方はマウスピースを使用することをおすすめします。

 

上下歯列接触癖(TCH)に注意

日中でも歯を無意識に歯を合わせてしまう「上下歯列接触癖(TCH)」もセラミックにとって大敵です。通常、上下の歯が接触している時間は1日に20分と言われています。

上と下の歯にはわずかなすき間を生じていますが、ストレスや緊張が原因で常に接触することを上下歯列接触癖といいます。

上下の歯の接触時間が長くなると以下の問題点が生じます。

・歯に負担がかかり、割れたり欠けたりする
・口が開きにくい、顎の痛みや違和感が出る顎関節症の原因となる
・頭痛や肩こりの原因になる

など問題が生じます。

上下歯列接触癖の対処方は自覚し、接触しないように意識することです。例えば、目につきやすいテレビやトイレで「歯を離す」といった付箋を貼っておくことで意識ができます。

 

セラミックは定期的なメンテナンスが必要

汚れがつきにくい素材でも、歯科医院での定期的なメンテナンスが非常に大切です。メンテナンスでは普段の歯磨きでは落としきれない汚れを、特殊な機械を使ってクリーニングし、セラミックや歯と被せ物の間に異常がないかチェックをします。

定期的なメンテナンスはセラミックを長持ちさせるために必要不可欠です。

 

まとめ

セラミックは歯磨きを怠ってしまうと詰め物、被せ物の間から虫歯になる可能性があります。汚れがつきくい素材ですが、日頃の歯磨きは非常に大切です。

歯ブラシはやわらかめ〜ふつうの歯ブラシを使用し、優しく小刻みに動かすのがポイント。フロスやワンタフトブラシで汚れの除去率を高めることができます。また、歯ぎしりや食いしばり、日中の歯の接触にも気をつけましょう。

セラミックは保険が適応しない高額な治療方法ですが、審美性に優れた素材です。長持ちさせるためには日頃のケアと定期的なメンテナンスを行うことで美しく保つことができます。

投稿者: 西本歯科医院

2021.04.10更新

近年マウスピース矯正は「目立たない矯正治療」として確立しています。インビザラインやアソアライナーというシステムの名称を聞いたことがある方も多いのでは。このようにマウスピース矯正には様々な種類があります。ここではマウスピース矯正の種類や特徴について解説します。

 

マウスピースの治療方法は全額矯正と部分矯正の2種類

マウスピース矯正には前歯を中心に動かしていく部分矯正と、全ての歯を動かす全額矯正の2種類に分かれます。

 

部分矯正は軽い症例から中等度の症例に適している

マウスピース矯正が最も得意とするのは、前歯を動かす部分矯正です。
例えば、前歯のすきっ歯を治したいなど、一部のでこぼこした歯並びを治したいなど、軽〜中等度の症例に適しています。
全額矯正と比べ、短期間で治療ができます。

 

全額矯正は軽い症例〜難症例に適している

歯にアタッチメントと呼ばれる装置を装着することによって、マウスピース矯正でも難症例に対応することが可能になりました。奥歯も動かすことによって噛み合わせの改善もできます。

しかし、抜歯が必要な場合や、重度のでこぼこした歯並びは治療が難しく、ワイヤー矯正が適している場合があります。

 

世界のトップシェアを誇るインビザライン

米国のアラインテクノロジー社から提供されている、世界のトップシェアを誇るマウスピース矯正です。インビザラインは各症例ごとに対応できるシステムを採用しています。

 

インビザライン・コンプリヘンシブパッケージ

全額矯正を目的としているシステムです。マウスピースの作製枚数に制限がないため、難症例にも対応ができます。他のマウスピース矯正と比べると価格は高価ですが、治療期間に制限がないため、途中で計画を変更できるなど柔軟に対応ができます。

 

インビザライン・ライトパッケージ

前歯に特化したシステムです。約7ヶ月間の短い期間で矯正が終了できるような症例が対象です。すきっ歯など軽度な症例が適しており、低価格で歯並びを改善することができます。

 

インビザライン・エクスプレスパッケージ

ライトパッケージよりもさらに軽度な症例に適しているシステムです。約3〜4ヶ月で矯正が終了できる症例が対象です。
1〜2本の歯を動かす、少しの隙間などに適しています。

 

インビザラインティーン

11〜16歳までが対象のシステムです。人の目が気になる多感な時期でも目立たずに矯正ができます。奥歯の目立たない場所に装着時間によって色が変化するコンプライアンス・インジケーターが搭載されており、おおよその装着時間を確認することができます。

 

インビザラインiGOシステム

第二小臼歯までの前歯に特化した矯正システムです。デジタル技術を駆使し、治療の予測が可能で正確な治療期間を知ることができます。

 

部分矯正が可能なアソアライナー

前歯に特化した部分矯正です。軽度の症例や矯正後の後戻りなどに適しています。月に1度歯型を取り、国内の専用ラボでマウスピースを作製します。
歯の移動量を測定し解析してからマウスピースが作製されるので、誤差が生じにくく、計画通りに矯正を進めることが可能です。

 

クリアコレクトは米国のシェア第2位のマウスピース矯正

インプラントメーカーの最大手であるストローマン社が提供しているマウスピース矯正です。米国ではインビザラインに次いでシェア第2位です。インビザラインとほぼ同様の矯正システムで、全額矯正が可能。

3Dスキャンで歯型を取り、1度のスキャンで全てのマウスピースが作製されます。インビザラインよりもマウスピースが薄く、違和感が少なくなっています。歯肉を覆う形状をしており、歯を動かす力が強くなってるのが特徴です。

 

キレイラインは前歯の軽症例に特化

2017年から登場した格安マウスピース矯正です。SNSや広告で目にする機会が増えたキレイライン。前歯の軽度な症例のみに対応している部分矯正です。例えば、前歯のすきっ歯や軽度のでこぼこした歯、矯正後の後戻りが適用となります。

一般的なマウスピース矯正と比べると価格が安く設定されており、目安の費用は10〜30万円程度です。

 

まとめ

マウスピース矯正は前歯だけ動かす部分矯正と、歯全体を動かす全額矯正に分けられます。歯の表面にアタッチメントを装着することによって、難症例にも適応するようになりました。

しかし、マウスピースでは歯の移動量が大きくなる症例は不向きとされています。例えば出っ歯、ねじれた歯、骨格的に問題がある場合はマウスピース矯正よりもワイヤー矯正や外科的処置が必要です。

2017年より、格安マウスピースが誕生してから矯正の敷居は低くなりましたが、部分矯正向きで全額矯正はできません。適応症例を知らずに、安いだけで矯正を初めてしまうと思わぬトラブルが発生してしまいます。

矯正を始める際は、歯科医院で診査、診断を受け症例にあった矯正方法を選択するようにしましょう。

投稿者: 西本歯科医院

2021.03.25更新

マウスピース矯正は、歯を抜かないでできると聞いたことはありませんか?誤解されることが多いのですが、マウスピース矯正は歯を抜かない矯正方法ではありません。症例によって抜歯をした方がメリットがある場合があります。

しかし、「健康な歯を抜きたくない」と思う方も多いはず。そこで、マウスピース矯正の際に抜歯なしで矯正する方法について解説します。

 

目標の設定を変えることで抜歯なしのマウスピース矯正はできる

歯科医師は診査・診断の結果をもとに検討し、歯並びの目標を決めて治療を行います。その目標のために歯を抜いた方が最善であると診断した場合、抜歯をした方が良いという提案をします。

患者さんは歯科医師からの提案をもとに、矯正の目標を決めます。非抜歯を希望される場合、目標の設定を変えることで抜歯なしの矯正ができる可能性があります。

しかし、その目標が納得できるものであるか、十分に歯科医師と相談してから矯正をはじめることが非常に大切です。

 

矯正前にシミュレーションで治療後の歯並びを確認

歯科医院によって異なりますが、矯正後の歯並びをシミュレーションできます。抜歯した場合、非抜歯の場合と比べることができます。
歯を抜きたくない場合は治療前にシミュレーションを行い、最終段階の歯並びの違いを確認しましょう。

 

マウスピース矯正では抜歯を伴う治療は適していない

抜歯を必要とする矯正ではマウスピース矯正よりも、ワイヤー矯正を勧められます。ワイヤー矯正は歯を動かす力が強いため、空いたスペースを埋めることを得意としています。マウスピース矯正は歯を動かす距離が少ない方が円滑に矯正できます。

しかし、抜歯をしたからワイヤー矯正というわけではありません。マウスピース矯正は進歩し続けており、抜歯が必要でもマウスピース矯正は可能になりました。歯科医師によって考え方は異なりますが、ワイヤー矯正と併用したり、時間をかけてマウスピースだけで矯正を行う場合があります。

 

スペースが足りない場合は奥の歯を後ろに移動する

歯の大きさに対して顎が小さいなど、歯が収まりきれていない場合、でこぼこした歯並びになります。このような場合は抜歯をして、歯を並べるためのスペースを確保します。歯を抜かないで矯正する際、以下の方法でスペースを確保します。

 

○奥の歯を後ろへ移動させる

マウスピース矯正では奥の歯を後ろに移動させる方法があり、矯正治療に必要なスペースを確保できます。

 

○歯の側面をやすりで削って幅を縮小する

ディスキングといわれる方法で、歯の側面をやすりで削る方法です。歯の幅を縮小することで必要なスペースを確保できます。

 

抜歯をすることが悪いことではない

必ずしも抜歯をすることが悪いことではありません。抜歯を必要とするケースがあり、その場合は歯を抜いた方がきれいに並べられる、噛み合わせのバランスが改善できるなどメリットがあります。
抜歯が必要なケースで非抜歯矯正を行うと以下のようなデメリットがあります。

 

○奥歯が揃わなくなり噛み合わせに支障がでる

歯を並べるスペースの確保ができないため、奥歯が揃わず噛み合わせに支障をきたしてしまいます。

 

○前歯が押されて前にでてしまう

歯を並べるスペースが確保できないために、前歯が押し出され、前にでてきてしまうことがあります。

 

○歯肉が下がってしまう

抜歯をせず並べようとすると、本来の位置よりも外側にずれて、歯肉が下がってしまいます。

 

矯正治療の目的は噛み合わせと歯並びの改善

矯正治療は見た目を改善するほかに、噛み合わせを改善するなど重要な目的があります。矯正の治療目的は以下の4つです。

○噛み合わせを改善し、食べものをしっかり噛めるようにする

矯正の本来の目的は噛み合わせの改善です。上下の歯が正常に噛み合うことで、食べる、話す、呼吸といった口の本来の機能を改善します。

 

○歯並びの改善によって見た目をよくする

ほとんどの方が見た目を気にして矯正治療を希望されます。歯並びを改善すると見た目のコンプレックスがなくなります。最近では身だしなみとして就職活動前に矯正治療を希望される方も増えてきました。

 

○歯並びが改善されることによって歯の負担を減らす

噛み合わせが悪いと一部の歯に負担がかかってしまいます。負担がかかってしまった歯はすり減ったり、割れてしまうなどのリスクが高くなります。
上下の噛み合わせが整うと、歯にかかる力が分散され、歯の負担を減らすことが出来ます。

 

○歯ブラシが届きやすくなり、虫歯や歯周病のリスクを減らせる

でこぼこした歯は歯ブラシが届きにくく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯並びを良くすることによって歯ブラシが届きやすくなり、虫歯や歯周病のリスクを軽減できます。

 

まとめ

抜歯をしたくないからといって安易に非抜歯で矯正を行うと、思いもよらない問題が起こる可能性があります。抜歯が必要と提案された場合、なぜ抜歯が必要なのか、抜歯をしないで矯正をするとどうなるのかを理解したうえで矯正方法を選択します。

矯正治療を行う際はどのような歯になりたいかを明確にし、歯科医師に伝えることが非常に大切です。診査・診断の結果を参考に歯科医師とよく相談した上で矯正治療をはじめましょう。

投稿者: 西本歯科医院

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