2025.11.01更新

ホワイトニングの色戻りは早い?原因・色戻りまでの期間や予防法を解説

せっかくホワイトニングで白くなった歯も、時間が経つと「前より色が戻ってきた気がする…」と感じることがあります。この現象を色戻りと言いますが、多くの方が同様の経験をしているでしょう。実は、正しい知識とケアを行えば、ホワイトニング後の白さを長持ちさせることが可能なのです。そこで今回は、ホワイトニング後に起こる色戻りの原因や、どのくらいで戻ってしまうのか、その予防法を歯科医師の視点から詳しく解説します。

 

ホワイトニング後に色戻りが起こる原因

ホワイトニングで白くなった歯が再び黄ばんで見えてしまうのは、歯の構造と生活習慣の両方にその原因となる理由があります。歯の白さが損なわれる主な原因は、以下の4パターンです。

 

1. 食事や飲み物による着色(ステインの再付着)

1つ目の原因は、食事や飲み物など、食べたものに含まれる色素による着色です。コーヒーや紅茶、赤ワインやカレーなど、色の濃い飲食物に含まれる色素が歯の表面に再び付着すると、ホワイトニングした後でも歯の白さが失われてしまいます。また、ホワイトニング直後は歯の表面(エナメル質)が一時的に脱水状態になっており、食べ物に含まれる色素を吸収しやすい状態なのです。濃いめの色素を多く含んだ食べ物を普段から好んで食べている場合だと、歯が着色してしまうリスクを高めることになるでしょう。

 

2. 喫煙によるタール沈着

2つ目の原因は、喫煙によるタール沈着です。タバコのヤニ(タール)は強力な着色物質でもあり、ホワイトニング後の歯に定着しやすい傾向があります。喫煙習慣があると、ホワイトニング効果が持続しにくい最大の要因となるのです。ホワイトニング直後は飲食物による色素沈着リスクも高いため、喫煙の習慣や食の好みによって、色戻りのリスクは大きく変動します。 

 

3. エナメル質の再石灰化

3つ目の原因は、エナメル質が再石灰化する影響です。ホワイトニング直後の歯は水分が抜けて白く見えていますが、時間とともに唾液中のミネラルが戻ることで本来の透明感が復活します。その際に、相対的にやや黄色味を帯びて見えることがあるのですが、これは色戻りではなく、自然な再石灰化による変化なのです。つまり、ホワイトニングを受けても時間経過とともに歯の白さは直後の段階から徐々に変化するのは自然なことだと言えます。 

 

4. 生活習慣と口腔ケア不足

4つ目の原因は、口腔ケアの不足など生活習慣による色戻りです。歯磨きの頻度や方法に問題があると、プラーク(歯垢)やステインが蓄積してしまいます。短期間ならまだしも、これが慢性的に続いてしまうとホワイトニング効果が短期間で低下してしまうのです。いくらホワイトニングで歯を白くしても、デンタルケアが不十分であれば白さが損なわれるのは当然です。人によってはあまり影響のない生活習慣でも体質やそれ以外の生活習慣等が関係していることもあるので、意外な原因で色戻りが起こっている可能性もあります。 

 

色戻りはいつ起こる?期間の目安

ホワイトニングの持続期間は、施術方法や生活習慣により異なります。ホワイトニングの施術方法に関しては、以下のような目安です。

・オフィスホワイトニング : 約3〜6か月(即効性があるが戻りも早い)
・ホームホワイトニング : 約6か月〜1年(持続性が高い)
・デュアルホワイトニング : 約1〜2年(最も持続する)

「デュアルホワイトニング」は、歯科医院での施術を中心とするオフィスホワイトニングと、自宅でのケアを中心とするホームホワイトニングを、同時期に並行して行うやり方です。オフィスとホーム両方のメリットを享受できますが、その分だけ費用や手間の負担が増加するので注意が必要です。また、ホワイトニング後に問題がなくても自然に色戻りは起こるので、何を理由として歯を白くしたいのか、その目的に合わせて施術方法やスケジュールを調整することも重要です。

 

ホワイトニング後の色戻りを防ぐ方法

せっかくホワイトニングで歯を白くしても、元の状態に戻ってしまえば満足感は薄れてしまうでしょう。完全に防ぐことは難しいですが、少しでも色戻りのリスクを抑える方法を解説します。

 

1.色の濃い飲食物を控える

ホワイトニング後24〜48時間は、着色しやすい飲食物をできるだけ避けましょう。コーヒーや紅茶、ワインやカレーなどは特に注意が必要です。しばらくすれば歯の状態が元に戻るので、その後はコーヒーやカレーを口にしても、ホワイトニング直後ほどは色戻りのリスクは高くありませんが、完全にゼロではないため、濃い飲食物を摂った後は水でうがいをするなど、日常的なケアを心がけましょう。

 

2. 喫煙を控える

タバコのヤニは、特にホワイトニング直後の歯に付着しやすくなっています。歯の白さを損なう主な要因の一つとされているので、ホワイトニング直後1週間だけでも控えることができれば、色戻りのリスクを大幅に減らせるでしょう。健康上の懸念もありますので、できればホワイトニングをきっかけに禁煙をおすすめしますが無理は禁物なので、せめてホワイトニングから1週間ほど我慢してください。 

 

3.ステイン除去効果のある歯磨き粉を使用

ホワイトニング後のデンタルケア向けに、ステインを除去する効果のある歯磨き粉の使用もおすすめです。ポリリン酸ナトリウムなどのステイン吸着成分を含む歯磨き粉は、着色物質が歯に付着するのを防ぐのに有効な手段です。ただし、研磨剤の多い製品は歯を傷つける原因になり、特にホワイトニング直後のデリケートな状態になっている歯にはダメージが大きくなります。研磨剤が多い歯磨き粉は避けて、低研磨タイプを選びましょう。 

 

4. 定期的なメンテナンスホワイトニング

ホワイトニング後、歯科医院で3〜6か月ごとに「リタッチ」を行うと、歯の白さを維持しやすくなります。また、持続効果の高いホームホワイトニングを、半年に1回行うのもおすすめです。歯科医院で見てもらえば歯の状態を細かくチェックできるので、白さだけでなく健康上のメリットも大きいでしょう。 

 

色戻りしにくい歯をつくる生活習慣

ホワイトニング後の色戻りには、ご自身の生活習慣も大きく影響します。そのため、以下の点を気を付けて生活すると良いでしょう。

・水やお茶でこまめにうがいをする
・食後30分以内にブラッシングを行う
・歯科医院で定期的にクリーニング(PMTC)を受ける
・睡眠習慣や食生活を整えて唾液の分泌を促す

 

色戻りしてしまったらどうすればいい?

どれだけ注意しても、ホワイトニングで白くなった歯は時間経過とともに見た目が変化します。色戻りを感じたら、早めの再ホワイトニングを検討しましょう。こまめに通院しておけば、部分的なリタッチや全体の再施術など、状態に合わせた対応も可能です。

 

まとめ

ホワイトニング後の歯の色戻りは避けられない現象ですが、正しいケアを続けることでその悪影響を大幅に抑えられます。着色しやすい食品を控えてステイン除去歯磨き粉を使い、定期的なメンテナンスを受けて歯の状態を良好に保ちましょう。白く輝く歯を長く維持するためには、日々の習慣が最も大切なのです。

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投稿者: 西本歯科医院


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